融資のための財務分析|キャッシュフロー分析を行おう

2018/08/25
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融資を受ける前には財務分析を行わなければなりません。そもそも財務分析を行わなければ、本当に資金調達が必要であるかはわからないわけです。もしかしたら不必要であるかもしれません。

しかし財務分析と一言でいってもその内容は広範です。一度に財務分析を総合的に行うのは難しいでしょう。特に資金調達を行う時には、時間を争うケースもあります。財務分析に時間がかかってしまえば、利用できる資金調達法も限られてしまうわけです。例えば銀行融資であると、融資までに2週間から1ヶ月程度もかかってしまうことがあります。仮に財務分析に手間どれば、時間がかかる銀行融資を除外せざるをえません。

今回は融資のための財務分析として「キャッシュフロー分析」について解説します。

そもそもキャッシュフロー分析はなぜ融資のために必要になってくるのでしょうか?さらに営業活動のキャッシュフロー・投資活動によるキャッシュフロー・財務活動によるキャッシュフローのそれぞれの内容についてもお伝えします。

キャッシュフロー分析が融資になぜ関わってくるのか?

・資金繰りの状況が正確に把握できるため

なぜ融資を計画しているのでしょうか?資金繰りに不安を抱えているからではありませんか?

そもそも融資を受ける目的は企業として資金を確保することにあります。資金を確保するために融資などの資金調達をすることになるわけですが、キャッシュフロー分析をしなければ会社の資金繰りの状況は正確には把握できません。

たとえば売上が良い、というケースがあるとします。売上が良ければ会社の資金繰りは良くなるでしょうか?多くの方が「YES」と答えるかもしれません。もちろん長期的に見れば、売上が良ければ資金繰りは良くなるでしょう。しかし短期的に見ると必ずしもそうは言えないのです。

売上があったとしても現金決済でなければ資金はすぐに会社に入ってきません。売掛金や受取手形を受け取っていると、数カ月後に入金されるわけです。その間に資金繰りが悪化する、ということも考えられます。

逆の発想をしてみましょう。赤字というものがあります。赤字とは利益ではなく損失が出ている状況を指しています。そのような状況であったとしても、企業は資金がある限りは破綻しません。

このように売上や利益といったものは直接的に資金繰りには関わってこないのです。そこで財務分析の出番となります。

財務分析のキャッシュフロー分析は、資金のみに注目しています。利益などは関係ありません。どれだけの資金が現状で会社にあり、どれだけの資金が入ってきてどれだけの資金が出ていくのか、ということを分析するものなのです。

キャッシュフロー分析を定期的に実施していれば、会社の資金繰りの状況が圧倒的に把握しやすくなります。資金調達の対応もしやすくなるのです。

キャッシュフロー分析の重要性が把握できたと思うので、次にそのキャッシュフロー分析をもう少し詳しく探ってみましょう。

営業活動によるキャッシュフローとは?

・会社の本業による資金の出入りを表したものである

営業活動によるキャッシュフローは、会社としての本業によって生じるキャッシュフローを表したものとなっています。営業活動によるキャッシュフローは会社の資金繰りを把握するためのものとしては極めて重要なものなので、必ずチェックしておかなければなりません。

まず入金についてですが売上金が関わってきます。しかし売上が直接関わってくるわけではありません。問題となってくるのが売上債権の増減なのです。売上債権が減った分だけ会社にお金が入ってきた、ということになります。
例えば売掛金が1,000万円減ったということであれば、会社の現金が1,000万円増えたことになります(貸し倒れがなかったものとして)。

また固定資産を売却した場合や有価証券を売却した場合にも現金が会社に入ってくることになるのでプラスとして掲載することになります。

一方でマイナスとして掲載するのは、例えば仕入れ費用があります。仕入債務の増減を記録していくわけです。買掛金が1,000万円減っていたら、1,000万円を支払ったということになります。キャッシュフロー分析ではマイナスとするわけです。

・営業キャッシュフローがプラスであるとどうなるのか?

本業が好調であることを示しています。
さらに設備投資をするための資金や銀行融資などの返済のための資金が確保されている状態、となります。

営業キャッシュフローがプラスであれば、会社としての方向性は間違っていません。マイナスであれば、根本的な問題がある可能性があるので、さらに詳しく自社を分析していく必要があります。

・営業キャッシュフローがマイナスであるどうなるのか?

本業が不調であることを示しています。
資金繰りが悪化する状況となってくるので、融資などの対策を取らなければなりません。マイナスである期間を少しでも短くする、といった根本的な対応策も必要になってくるのです。

投資活動によるキャッシュフローとは?

・投融資に関する資金収支を示している

投資活動によるキャッシュフローは設備投資であるとか、貸付金などの実施による資金の増減を表したものとなっています。将来の営業キャッシュフローにかかわる項目となっているのです。

投資活動によるキャッシュフローは、少し考え方が複雑となっています。

例えば定期預金が増えていればマイナスとなり減っていればプラスとなります。定期預金が減っているということは、預金を解約したり満期になったりしたことになるのでキャッシュフローではプラスとなります。一方で定期預金が増えている場合には、資金を投入しているのでマイナスとなるわけです。

有価証券についても同じことが言えます。有価証券が増えていれば資金を使ったことになるのでマイナスです。有価証券が減っていれば売って現金化しているのでプラスとなるわけです。

・投資活動によるキャッシュフローがプラスであるとどうなるのか?

企業として資金の確保を目指している状況といえます。
定期預金を取り崩したり有価証券を売却したり固定資産を売却しているわけです。会社の資産を減らして資金の確保を目指している状況でもあるので、資金繰りに問題が発生している可能性があります。

・投資活動によるキャッシュフローがマイナスであるとどうなるのか?

企業として将来的な資金の獲得を目指している、という状況になります。資金が余っている、という言い方もできるかもしれません。

定期預金を増やしたり有価証券を増やしたりできる状態であり、資金繰りとしては大きな問題が発生しているとは考えにくい状況です。

財務活動によるキャッシュフローとは?

・資金調達による資金の増減を表したものである

財務活動によるキャッシュフローは、借入金などの増減などの資金調達によるキャッシュの増減を表したものになっています。

例えば借入金が増えているということは、キャッシュが増えたことになるのでプラスとなります。借入金が減っているということは返済を進めたことになるので、その分マイナスとなるのです。

・財務活動によるキャッシュフローがプラスであるとどうなるのか?

借り入れなどを行った、ということになります。借り入れなどの資金調達を行ったので資金繰りは一時的に良くなります。しかし返済が始まるので今後の資金繰りには不安を残した状態となっています。

財務活動によるキャッシュフローがプラスであれば、基本的には「資金繰りが悪い状態」と見て間違いありません。

・財務活動によるキャッシュがマイナスであるとどうなるのか?

資金繰りが良くなっている状態です。
借入金や割引手形などが減っていることになるので、返済が進んでいるのです。その上で新たな借入を行っていないということであり、会社としては安定してきている、ということになります。

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