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新型コロナウイルスにロシア・ウクライナ問題で事業計画の見直しが急務!

2022年3月10日 / 資金繰り

新型コロナウイルス間瀬園拡大の影響により、事業継続に奔走する企業は少なくありませんが、本来の事業計画の見直しを余儀なくされている状況です。

緊急事態宣言やまん延防止措置などで景気後退が深刻化する中、年度事業計画や予算など経営計画の見直しは避けられないでしょう。

それに加え、ロシア・ウクライナ問題によりアフターコロナ・ウィズコロナの状況下だけで、事業計画の見直しを検討することは難しくなりました。

中小企業だけでなく大企業も同様ですが、今後何を踏まえて事業計画を見直すべきなのか、現状を把握しながら検討していくことが求められます。

新型コロナで事業計画の見直しが急務に

現在、新型コロナウイルス感染拡大により多くの企業が業績予測・事業計画・戦略について見直しを余儀なくされています。

多額の赤字計上や資金繰りに窮する企業も少なくありませんが、実際、コロナ禍はいつ収束するのか明確にはわかりません。

長期的な目線で事業計画を見直すことが求められる中で、ロシアがウクライナに侵攻を続けており、さらに先行きの見通しが不透明となっています。

ただ、コロナ禍や世界の情勢を理由に思考停止に陥るべきでなく、会社経営を続けるためには利益やキャッシュフローを追求しなければなりません。

当然、同業他社との競争もなくなったわけではないため、消費者の行動様式が変わっても人口は大きく変わらないことを認識しておくべきです。

市場縮小で他社との競争が激しくなり、消費者の行動様式が変化したことで業界構造も変わってきた状況も踏まえ、戦略を再構築し事業計画に落とし込んでいきましょう。

大企業でも事業計画や運営体制の見直しが進んでいる

新型コロナウイルス感染拡大を受けて事業継続に奔走する企業は少なくありません。

従業員や取引先で感染者や濃厚接触者が急増し、工場を稼働させることができないといった状況も相次いでいます。

大手企業でもその影響により、たとえばキリンホールディングスや住友電気工業は従業員の半数が欠勤した場合でも、事業に支障が出ない機動的な運営体制とするようです。

そもそも災害やシステム障害などが発生した場合でも、重要な業務は継続できるように事業継続計画(BCP)が策定されています。

コロナ禍により事業継続計画(BCP)を見直す、またはすでに見直しを行った企業は8割といわれているため、現状を乗り切るためにすでに多くの企業が舵を切っているといえるでしょう。

たとえば従業員の欠勤率を盛り込んで事業継続計画(BCP)を策定していれば緊急時には対応しやすくなります。

しかし欠勤が増える中で欠勤率を前提に事業計画を立てている企業は少なく、事業継続計画(BCP)は策定していても、欠勤率が一定水準を超えると工場の操業はできなくなるケースも見られます。

さらに無症状患者にはどのように対応するべきか検討も進んでおり、たとえば隔離を徹底した上でテレワークなど事業継続に不可欠な人材を勤務へ復帰させるといった方法も必要となるでしょう。

単独で事業継続に取り組むのではなく、サプライチェーン全体への目配りも必要となるため、従業員を取引先に派遣することや派遣従業員など紹介することも検討していかなければなりません。

人的資源が不足するリスクが懸念されますが、最低限継続させなければならない製品やサービスを改めて点検しながら、どのように人的資源を配分するか見直さなければならないといえるでしょう。

ロシア・ウクライナ問題による企業の動き

日産自動車とホンダは、2022年の春季労使交渉で労働組合の要求に満額回答する方針を3月9日明らかにしました。

ロシアのウクライナ侵攻など、外部環境が不透明な状況ですが、労使一体で乗り越えるためにも早期決着することが狙いとされています。

ホンダもベアに相当する賃金改善分を組合の要求通りで回答する方針を明確にしており、やはり労使一体となって変革を加速させる姿勢を示すためのようです。

これらの満額回答が自動車業界全体の労使交渉へと前向きな影響を及ぼすことが期待されますが、今後は自動車業界の満額回答の流れが他産業にどのくらい広がるかでしょう。

日本企業の賃金は低迷が続いており、30年前から変わっていないとも言われています。

そのような中で賃金が増加に転じる可能性が期待されますが、実際には企業業績にばらつきがみられるため、他社の交渉に大きく影響があるとも言い切れません。

小麦需要を輸入に頼る日本では大打撃

ウクライナ情勢の緊迫化など小麦などは国際価格が上昇しており、国が輸入し製粉会社などに売り渡す小麦価格は4月から平均17.3%引き上げられます。

これにより、小麦粉を原料とするパンやパスタなどの食品は、値上げ圧力となるでしょう。

国内で食用に使用する小麦の約9割は米国・カナダなど海外から輸入に頼っていますが、米国やカナダの高温乾燥による不作に加えて、世界最大の小麦輸出国ロシアは輸出規制を実施しています。

ロシアとウクライナの小麦輸出は世界全体の約3割を占めているため、供給が縮小する懸念も強まっているといえます。

国際相場高が続くことで、10月期の売り渡し価格も上昇する可能性が高くなってしまいます。

国産小麦も値上がりすることが予想され、製粉会社などが年に1度入札するときの基準価格は、生産者団体などによる協議会が政府売り渡し価格変動を反映し決めます。

今回の改定で製粉会社がパンや菓子メーカーなどに対する小麦粉の販売価格を改定するのは、現在抱える在庫3か月分が消化される夏ごろと予想されるでしょう。

また、小麦粉だけでなく食用油や包装費など、食品に使用する原材料も上昇しているため、さらに小麦粉価格が上昇することで食品企業は価格転嫁しなければならなくなる可能性も出てきます。

賃金が上がらない中で生活に欠かせない食品が値上がりすることは消費者の家計に打撃を与えることとなりますが、個人消費が落ち込めば日本経済全体の足かせになることも予想されます。

原油価格の高騰などでさらに様々な産業が影響を受けることに

ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギー・穀物・金属など幅広いものの価格高騰が続いています。

それにより世界経済の先行きに影響すること懸念されますが、ロシアに対する経済制裁の影響でイギリスの石油大手「シェル」は、日本企業も参加する石油天然ガス開発事業「サハリン2」からの撤退を発表しています。

アメリカやEUなどによる制裁の強まりで、事業継続は難しいと判断したということです。

アメリカとイギリスがロシア産原油の輸入禁止措置などを打ち出したことで、1年前の2倍の水準まで原油価格が跳ね上がった状態といえますが、ニューヨーク原油市場でも高止まりが続いています。

さらにロシアはステンレスや電気自動車のバッテリーなどに使われるニッケルの生産国ですが、供給が滞ることが懸念され価格が高騰しています。

安全資産とされる金の先物価格も1年7か月ぶりに最高値を更新するなど、幅広いものの価格高騰が続くことにより、世界的なインフレ加速は避けられない状況です。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界の景気は変動しましたが、ロシアのウクライナ侵攻により、さらに景気に悪影響を及ぼすことが懸念されています。

事業計画の見直しは、価格高騰の影響を受ける産業などではこれらの状況も踏まえた上で検討が必要となるでしょう。

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