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クラウドファンディングの種類|投資タイプと非投資タイプそれぞれ特徴と内容

事業資金2019/12/27

個人や法人が資金を調達しようと考えるとき、まず真っ先に思い浮かぶ方法が銀行などからの融資でしょう。

しかし融資を受けることになれば、資金は調達できますが借金が増えますし、新しく事業を開始しようとする創業資金などを融資で調達することは容易ではありません。

また、事業計画書などを作成し、融資を行う金融機関に将来性や返済資金の原資となる利益が見込めると認めなければ、融資は実行されないでしょう。

特に個人事業主や中小企業が銀行融資でスタートアップや新規事業資金を確保する際には、高いハードルの審査をクリアしなければならないことが大きなデメリットです。

それなら投資という形で資金調達が可能となるクラウドファンディングを活用してはどうかと考える方もいるようですが、実際にどのような方法なのでしょう。

クラウドファンディングは出資者から投資という形で資金を調達する方法ですが、それまでとは違った方法で資金を集めることになることに戸惑う方もいるようです。

また、クラウドファンディングにはいくつか種類があるので、それぞれの内容や特徴、違いを把握した上で利用しなければ有効な資金調達に繋がりません。

そこで、複数存在するクラウドファンディングの種類とその方法、押さえておきたいポイントなどを徹底解説します。

 

クラウドファンディングで資金調達!メリットはある?

クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、不特定多数の群衆という意味を持つクラウド(crowd)、そして資金調達という意味がある言葉のファンディング(funding)が組み合わさりできた言葉です。

出資という形で資金を集めることができるので、舞い込んだビジネスチャンスを逃すことなく、事業を安心してスタート・拡大させたり、新規事業を開拓することが可能になります。

インターネットを使った資金調達なので、投資家などと繋がる機会のない方でも利用できますし、よいプロジェクトや企画だと認められれば大きな資金を獲得することができる資金調達の手法として注目されています。

 

クラウドファンディングに関する基礎的な知識

クラウドファンディングはインターネットを使って不特定多数から資金を集める方法であり、基本的に集めた資金は返済することを必要とはしません。

ただ返済ではなく違った形で投資家に貢献することが必要になるなど、種類によって特徴はことなります。

インターネット上にこれから始めようとするプロジェクトや企画の内容を公開し、その内容に賛同してくれたり応援したいと感じてくれた出資者から資金を募る形です。

実現できる可能性が確実ではなかったとしても、手軽に資金を集めやすいことなどが大きなメリットといえるでしょう。

 

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングを大きく分類すると、投資タイプ、または非投資タイプの2つに分けることができます。

プロジェクトや企画に賛同してくれた出資者に対しては何らかの形でリターンを提供することになりますが、その見返りが金銭によるものかによって、投資タイプか非投資タイプかに分類されると理解してよいでしょう。

投資タイプ金銭によるリターンであるのに対し、非投資タイプでは金銭ではなく商品やサービスなどにより見返りを提供することが一般的です。

また、投資タイプと非投資タイプもさらに詳細な種類に分けることができますので、それぞれどのような形で出資者にリターンを提供することになるのか、その内容を確認しておきましょう。

 

投資タイプのクラウドファンディングの種類

資金を投資してくれた方に対し、金銭によりその見返りを提供することになるのが投資タイプのクラウドファンディングの特徴です。

出資者から資金をサポートしてもらい、支援を受けた資金でプロジェクトや企画が成功した際に、プロジェクト収益の一部を見返りとして分配することになります。

ここで注意したいのが、出資者からサポートしてもらった資金の使い方によって、金融商品取引法や不動産共同特定事業法の規制対象になることです。

株式投資などを用いた有価証券投資の場合、金融商品取引法に基づく投資運用業で登録しなければなりませんし、不動産売買や賃貸借を業とするなら不動産共同特定事業法に基づく不動産共同特定事業者として許可の申請・取得が必要となります。

投資タイプのクラウドファンディングは、株式型・貸付型・ファンド型の3種類です。

 

株式型

株を購入してもらい資金を提供してもらう形のクラウドファンディングですが、一般的な株式による出資と異なる点として、少額での株売買となる点です。

未公開株を取引は一般的にリスクが高いことが特徴ですが、株式投資型クラウドファンディングの場合、リターンを高く見込めることも注目されている理由です。

 

貸付型

融資型クラウドファンディングやソーシャルレンディングと呼ばれることもある形のクラウドファンディングで、投資家から資金を借り入れる形で支援してもらいます。出資者に対するリターンは返済元利金の一部を分配する形です。

不特定多数の方から小口の資金を集めれば大口の融資となり、資金ニーズに合う希望額を借り入れることが可能となるでしょう。

 

ファンド型

投資家から資金を出資してもらい、特典となるサービスや商品を提供し、さらに売上の一部を分配する形でリターンを提供します。

 

非投資タイプのクラウドファンディングの種類

リターンが金銭という形ではない非投資タイプの場合、寄付型と購入型の2種類に分けることができます。

 

寄付型

寄付という形で出資してもらうので、出資者に対するリターンは必要ないとしていることが多いですが、寄付を受ければ納税義務を負うことになります。

個人が寄付を受けた場合、贈与税の基礎控除枠である110万円を超えた部分に対しては贈与税の課税対象となりますし、法人なら寄付を受けた金額に対して法人税が課税されます。

 

購入型

商品やサービスを開発するための資金を募り、出資してもらったことで成功させたときには、その商品やサービスをリターンとして提供することになりますので結果、事前に購入してもらった形となることが特徴です。

この場合、クラウドファンディングサイトというインターネット上のサイトを通じて商品の販売を行っているとみなされることから、特定商取引法に基づいた表記を公開している自社ホームページに記載しておくことが必要になります。

また、売買取引となるので瑕疵担保責任も負担することになると理解しておくと認識しておきましょう。

出資により受け取った金額よりリターンの価値が極端に低いと判断される場合には、出資ではなく寄付とみなされることもあるのでその点も注意が必要です。

 

クラウドファンディングで資金調達するメリット

インターネットを通じてたくさんの方から出資を受けるクラウドファンディングを利用して資金を調達すると、次のようなメリットを得ることができます。

 

スタートアップ資金を集めやすくなる

実績がない方やこれから起業したい方などが資金を出資してもらうことは簡単ではありません。しかし、インターネットを通じて一般の方から出資を受ける形になるクラウドファンディングなら、必要な資金を集めやすいことが特徴です。

 

プロジェクトを一気に拡散させることも狙うことが可能

インターネットを使って資金を調達する形になるので、TwitterやFacebookといったSMSによる情報共有や拡散により、たくさんの方にプロジェクトを周知させることができます。

また、どのくらいの方から賛同を得ることができるのか知ることができますので、市場のニーズを把握することにも繋がります。

プロジェクトを拡散させることにより、効率的に商品やサービスをPRすることで、軌道に乗せやすいこともメリットといえるでしょう。

 

アイデア収集にも活用可能

出資者へリターンという形で商品やサービスを提供した場合、実際に使ってもらったときの意見や感想などを集めることもできます。改善策や新しい製品の開発に役立てることもできるでしょう。

また、同じ志や感覚を持つパートナーを見つけることもできるはずです。

 

クラウドファンディングで資金調達するデメリット

クラウドファンディングはインターネットを利用し、不特定多数の方にプロジェクトや企画の内容を事前に公表することになります。

そのため、よいアイデアなどだと内容を知った方が先に盗用により実現させられてしまう可能性も出てくることが最大のデメリットです。

また、計画していたプロジェクトや企画が失敗した場合、風評被害などによる影響を受けることもありますので、集めた資金はどのように使ったのか出資者が知ることができる透明性を保った事業活動を行うことも大切になるといえるでしょう。

 

クラウドファンディングで資金を調達した際の会計処理

クラウドファンディングは投資タイプと非投資タイプの2種があり、リターンが金銭によるものかによって分けられます。

投資タイプなら金銭でその見返りを受けることが確約されるのに対し、非投資タイプは金銭でのリターンは保証されず、商品やサービスなどで見返りを受けることが一般的です。

そのため、クラウドファンディングの種類により投資してもらった最の会計処理方法や税金の扱いは異なる点に注意しましょう。

 

投資タイプでも貸付型で出資してもらった場合

投資タイプの中でも貸付型の場合、貸付金や借入金として会計処理することとなり、資金を調達したことで実現させた事業による利益は、個人であれば所得税、法人なら法人税が課税されることになります。

 

投資タイプでも株式型やファンド型で出資してもらった場合

株式型やファンド型の場合、新株発行での会計処理を適用することになるので、貸借対照表では貸方科目による処理となります。

利益が発生した場合の扱いは、個人なら雑所得、法人は損益計算書の収益として計上されることになりますが、給与所得や退職所得以外で20万円以上の所得となれば確定申告を行うことが必要です。

 

非投資タイプで出資してもらった場合

購入型の場合、商品やサービスを提供することが最終的なリターンとなるので売買として会計処理を行うこととなります。

寄付型は先に述べたとおり、個人なら贈与税基礎控除枠である110万円を超えた部分が贈与税の課税対象となり、法人は寄付金額に対し法人税が課税されます。

 

個人が個人から寄付を受けた場合

寄付を受けた個人に贈与税がかかることになります。

 

個人が法人から寄付を受けた場合

一時所得扱いとなるため所得税の対象です。

 

法人が個人や法人から寄付を受けた場合

贈与とみなされ受贈益が増えるので法人税の対象です。

 

もし出資者にリターンできない場合

出資を受けたときには、金銭や商品・サービスなどで出資者に対しリターンを予定していたはずが、事業が軌道に乗らなかったことでその見返りを提供できなかったとします。

この場合、出資者と話し合いなどを行ったうえで、もし返金が必要になれば会計処理上は前受金を減少させることとなり、返金が必要ないのなら前受金から受贈益へ振り替える処理が必要となります。

 

クラウドファンディングで資金調達する前に注意しておきたいこと

クラウドファンディングは近年多く活用されている資金調達の方法ではありますが、それでもまだ比較的新しい手法とされています。

そのため、どのような会計処理が必要か事前に確認しておくことが必要です。

また、投資タイプと非投資タイプという種類がありますが、どちらもクラウドファンディングを活用すれば必ず資金を調達できるわけではありません。

出資者する側も元本が保証されるわけではないので、投資を受ける側と行う側、どちらもリスクを把握した上で資金を調達する目的に活用することが必要といえるでしょう。

 

もっとも注意したいのはクラウドファンディングサイト

クラウドファンディングは目的に応じてその種類を選ぶことが大切ですが、最も注意したいのはどのクラウドファンディングサイトを選ぶかです。

現在、インターネット上で運営されているクラウドファンディングサイトは複数ありますが、運営規模が小さいと突然消えてしまうことがあるとも考えられます。

せっかく大きな資金を得ることができるとプロジェクトを進めていたのに、ある日突然サイトが閉鎖されてしまえば意味がありませんし、開始前に大きな損失を抱えてしまう可能性もあります。

そのため、できるだけ長期に渡り運営を続けている実績のあるサイトや、規模が大きな運営会社のサイトを選ぶようにしたほうがよいでしょう。

 

まとめ

クラウドファンディングは不特定多数の方から少しずつ資金を提供してもらうことにより、プロジェクトや企画を実現するために必要な大きな資金を獲得できる資金調達の方法です。

ただ、クラウドファンディングにも複数種類があるため、どの方法を選ぶかによって出資者に対する還元方法は異なります。

資金を提供する出資者は、投資することで何らかの見返りを求めることとなりますが、もちろん、よいアイデアや内容だと賛同し、応援したいという気持ちがあってこそですので、出資してもらうからにはその気持ちに応えることが必要と認識しておくべきです。

これからの時代のニーズやプロジェクトの理念などに対して将来性などを鑑み、満足できる投資として実現させたいという思いを踏みにじることのないよう、有効な資金調達の方法として活用するようにしてください。

なお、資金を提供してもらえば、リターンだけでなく課税対象となる税金にも注意しておくことが必要です。

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