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融資か出資か?事業資金調達の判断基準とは

融資2017/12/22

事業を運営していくなかで資金が必要になった場合、多くのケースで自己資金や借入、融資を検討される事業者が多いかと思われます。しかし、資金調達方法としてはそれ以外のものもあり、なかでも出資がメジャーです。返済の義務が発生しない出資を選ぶことにより、金銭的な負担を感じずに事業に打ち込めるので、ビジネス展開において非常に便利だと考えられています。

ご自身の事業が融資より出資に向いているのであれば、出資を選ぶことをおすすめします。そこで今回は資金調達における融資と出資の違い、受け取る側と支払う側の判断基準、有効な活用法についてお話しします。ご自身の事業をさらに円滑化していくためにも、ぜひ今回の記事をお役立てください。

1.資金調達における、融資と出資

事業において資金調達が必要になる場合、融資か出資か、の方法があります。どちらにもメリットとデメリットがありますので、選ぶ際にはよく理解したうえで検討する必要があります。

返さないといけないものが「融資」

銀行や信用金庫、制度融資など、何らかの組織から資金を借り入れる形が融資です。事業の経営権は完全に事業者にあるものの、借りた資金である以上、いつかは返済しなければいけません。毎月において綿密な返済計画が必要となるだけでなく、多くのケースで2割ほどの金利が付きます。

返さなくてもいいけれど経営権を分かち合う「出資」

これに対し、出資の場合は知人や経営者、ご自身の事業に興味を持っている人から資金を譲り受けることです。返済の義務が発生しないので、ストレスを感じることなく事業に専念できると言えるでしょう。特に将来性が感じられるビジネスでは出資を受けやすいとも考えられています。

また、出資は株式を発行している状態で受けられるため、資金提供側はじぶんの持ち株の利益を増やすために協力してくれます。金銭的な援助だけでなくビジネス上での成長も見込めるので、ご自身の事業に自信があれば出資を受けることを検討してもいいかもしれません。

しかし、出資をするほうも全く見返りを求めないわけではありません。基本的には資金の返済が不要であるものの、事業が失敗したら株主の地位を20パーセント与えるという決まりがあります。仮にその事業が成功していた場合の見返りとして、ある程度の犠牲を払わなければならないのです。

また、出資の場合では株式を発行しなければならないため、ある程度希望がある事業か将来性が約束される企業のみが利用できるという特徴もあります。経営権の部分的な譲歩も求められるため、ご自身の方針で事業を展開していきたい場合には不向きだとも言えるでしょう。

簡単に言えば、「返す必要があって、資金を提供する側への金利が発生する」ものが「融資」であり、「返す必要はないけれど提供側に対して株の値上がり益や配当を返す義務がある」ものが「出資」だと言えます。出資の場合は株式の発行など複雑な要素が絡んでくるので、融資に劣らずハードルの高い資金調達法となります。ご自身の事業にとってどちらが適切かを把握したうえで検討していきましょう。

2.ご自身の事業はどちら?融資と出資の判断基準

融資と出資にはそれぞれ特徴があり、どちらにもメリットとデメリットがあります。どちらが適切か把握するには、自分からの判断基準と相手(資金提供側、出資者)からの判断基準を参考にするといいでしょう。

自分の事業からの判断基準

出資者としては成功性の高い事業に資金を提供したいという思いがありますが、事業者側から見た場合は少し事情が異なります。

失敗リスクが低く成功性の高い事業を展開する場合、成功した利益をすべて事業者側で受け取り、少しの金利を融資側に払うほうが得策だと言えます。ここで出資者に支払うと自身の利益が減るうえ、場合によっては経営権をも分かち合わなければならなくなるので、仮に将来性が約束される事業であっても出資の検討は慎重であるべきです。

これに対し、成功性が低く失敗するリスクが考えられるのなら、反対に出資を検討するほうがいいかもしれません。融資を受けたにもかかわらず事業が失敗した場合、事業者には返済が難しい借金だけが残ります。また、成功性の低い事業に対して銀行や信用金庫はなかなか良い印象を持たないので、融資を受けることは難しくなります。その点、失敗しても経営権を出資者に譲ることで済む出資のほうが、事業リスクの高い企業には向いていると言えます。

出資者からの判断基準

次に、出資者側からの判断基準についてお話しします。

まず融資をする側(銀行、信用金庫など)の焦点は「貸し付けた資金を無事に返済してくれるか」となります。融資を受けた側が大成功しても小さな成功にとどまっても、特に気にするわけではありません。逆に倒産の可能性が高い事業には出資をしたくないのが本音といったところでしょう。

一方、出資者の焦点は「いかに出資をしたリターンを受け取れるか」です。出資に伴うリスクを十分に理解しているので、仮に失敗して企業が倒産してもそれほど気にすることはありません。ただし、成功確率が高くとも利益率が低い事業に対しては、メリットがないとして出資を拒む可能性もあります。

このように、資金を提供する側とされる側では、懸念材料となるポイントが変わってきます。こちら側が損をしないのはもちろん、相手にとっても信頼を与えられる形での資金提供を考えていきたいものです。

3.両方を活用するという手段も

以上、融資と出資のメリット・デメリット、それぞれの立場からの判断基準についてご説明してきましたが、どちらか一方に特化するのではなく両方を適切に活用する手段もあります。特に次にお話しするようなケースでは、最初に出資・融資を受けられなくても事業の展開次第で協力を要請することができます。

事業が軌道に乗ってから出資を受けるという手段も

出資を受ける場合、仮に失敗しても経営権を出資者に譲るだけで返済義務が発生しないために援助を受けやすいというメリットがありますが、スタートダッシュのうちは出資を受けられないというケースがあります。いくら先見性に優れていても開業間もない企業への出資はメリットが少なく、資金提供をする価値を感じられないからです。また、早い段階で出資を受けてしまうと立場上の関係で経営権を譲らなければいけない場合もあるため、事業開始時の出資を受けるのはあまり得策とは言えません。

しかし、事業がある程度軌道に乗って将来性が明るくなってきたのであれば、出資者も喜んでサポートにまわってくれます。経営基盤が整った状態での出資なので、経営権も確実に残せます。そのため、事業が軌道に乗るまでは融資に頼り、その後に出資を受けるという手段も有効です。

事業が軌道に乗ってきたが、経営主導権が欲しいなら融資を

その一方で、創業時に出資を受けることができて事業が軌道に乗る、というパターンもあります。出資者は自身の利益増大のために協力を惜しまないので、金銭的援助と共に事業へのサポートを得られて成功するというケースも少なくありません。

こうして成功してきた事業をさらに展開させたいけれど、経営の主導権を手元に残しておきたい場合には、融資を検討するといいでしょう。経営権はそのままに、きちんと資金を得て拡大していけるので、増えていく利益を出資者側にとられすぎる心配がありません。この先事業の失敗リスクが低いのであれば、融資を検討するという手段も有効です。

以上、資金調達をするうえでの融資と出資についてご説明しました。それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解したうえで、スムーズな事業展開に活かしていきましょう。

 

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