融資を受けて資金を調達するときには、具体的にどのような流れを経て借入れが可能となるのか把握しておいたほうが安心です。
どの金融機関から融資を受けるのかによって、必要書類や手続きなどは異なる部分はあるものの、おおよその流れは共通しています。
そこで、融資を受けて資金を準備するときには、どのような流れで調達できるのかご説明します。
目次
民間の銀行から融資を受けるときの流れ
民間の銀行から融資を受ける場合には、
- 融資の申し込み
- 面談と審査
- 契約
- 実行(入金)
という流れになります。
融資の申し込みを行う前に、銀行の融資担当者との打ち合せを行うことが一般的といえるでしょう。
事前に事業内容の詳細について説明できるように、決算書や試算表、事業計画書など準備しておく必要があります。
なお融資審査には2週間程度かかることが多く、相談内容によってさらに期間は長くなるため、すぐにお金を借りることができるわけではないと留意しておいてください。
窓口には必ず行く必要がある?
融資の申し込みを行った後、融資担当者から銀行窓口に出向いてほしいといわれるのか、それとも担当者が会社を訪問するのかは異なります。
すでに取引のある銀行に融資を申し込んだ場合には、融資担当者が会社を訪問することが多いといえます。
現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、銀行によって対応は異なるようです。
面談で必要になる書類
融資担当者と面談するときには、
- ・初回取引なら3期分の決算書(すでに取引がある銀行なら直近の決算書)
- ・会社の定款
- ・登記簿謄本
- ・許認可事業なら許認可証
などが必要です。
特に初回取引の場合には、決算書3期分の推移を目で見て把握できるデータを準備しておき、示す推移の理由を説明できるようにしておくとよいでしょう。
試算表を参考に概況を説明し、融資を受けた後で資金を何に使うのか、どのくらいの金額を借入れたいのか希望額を伝えます。
日本政策金融公庫から創業支援してもらうときの流れ
日本政策金融公庫の創業融資で資金を調達するときの流れも、一般的には民間銀行のときとそれほど変わりません。
まずは事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)に電話で相談できますし、支店窓口で申し込みを行うこともできます。
ただ、現在は新型コロナウイルス感染拡大を防止するためにも、できるだけインターネットや郵便を使った手続きのほうが望ましいでしょう。
所定の創業計画書や借入申込書など必要書類は、日本政策金融公庫の公式サイトからダウンロードできます。
新型コロナが落ち着いた後であれば、申請書類を郵送しても問題ないものの、面接に備え雰囲気を把握するためにも直接窓口を訪問したほうがよい場合もあります。
窓口を訪問した場合は、不安なことやわからないことなどを直接相談できますので、安心して申し込みが可能です。
なお、創業支援で融資を受けるときの必要書類は、
- ・創業計画書
- ・設備資金の申し込みであれば見積書
- ・履歴事項全部証明書または登記簿謄本
- ・担保を希望するなら不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
- ・生活衛生関係の事業なら都道府県知事の「推せん書」または生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書
などです。
面談で注意しておきたいこと
日本政策金融公庫から面談日の通知があったら、事業計画・資産や負債を確認できる書類などをベースに、様々な角度から事業計画について質問されます。
面談は30分から1時間程度であることが多いですが、事業計画や資金計画の内容に的確にこたえることができるように準備して起きましょう。
面談後には、店舗や事務所など実地調査を行い、その後追加資料を提出することを求められることもあるようです。
面談後には審査結果が1~2週間程度で通知されることとなり、融資希望金額満額の借入れは難しくても、減額した金額で借入れが可能となる場合もあります。
融資を申し込んで実行されるまで、目安として1か月程度となるでしょう。
自治体の制度融資の流れ
自治体が実施する制度融資の場合でも、やはり主な流れは民間銀行や日本政策金融公庫と大きく変わりません。
まずは近隣の信用金庫の支店など、積極的に中小企業に協力してくれる金融機関を選び、融資担当者に制度融資を利用することを相談し手続きを案内してもらいましょう。
提出する書類は通常であれば金融機関を経由することになります。
制度融資で必要となる書類
制度融資の場合、
- ・創業計画書
- ・保証申込書
- ・履歴事項全部証明書
- ・設備投資がある場合は見積書
- ・資金繰り表
- ・許認可が必要な場合は許認可証
- ・法人設立届の控
- ・法人印鑑証明書
- ・代表者の個人印鑑証明書
などです。
ただし制度融資の中でも融資相談が義務付けられている場合は、自治体の経営相談員から1か月以上に渡り融資相談を受けることとなります。
保証協会の面談が重要
制度融資の場合、保証協会の担当が会社を訪問し面談を行うこととなりますが、保証協会の審査を通過しなければなりません。
また、金融機関も独自に審査を行うため、保証協会の審査は通っても金融機関の審査で否決されてしまうこともあります。
審査に通れば1~2週間程度で融資が実行される流れですので、申し込みから融資実行までは経営相談員の融資相談が必要な場合で2~3か月、不要なら1~2か月程度が目安です。
融資の流れでは面談が重要?
策定した事業計画なども、融資を受ける上ではもちろん重要です。
そしてその内容を面談で、どのくらいわかりやすく説明でき、融資担当者からの質問に的確にこたえることができるかなども大きく融資可否に関係します。
経営者のプレゼンテーション能力が重要になりますが、融資担当者に伝えると審査で不利になると考えられる情報を隠そうとしないことも大切です。
仮に不利になる部分があったとしても、融資担当者と信頼関係を築くことができれば、担当者がカバーしてくれることもあります。
嘘をついたり隠したりすると信頼関係は築くことができず、追加で記載しなければならない書類の提出を求められるなど、手間や時間も増えます。
追加記載を要求される書類が多ければ多いほど、融資が実行される可能性は低くなってしまうことが一般的です。
これは融資担当者にお金を借りる理由がしっかり伝わっておらず、担当者自らが書類を作成し稟議に進めなくなっているからと考えられるでしょう。
融資担当者に味方になってもらうためにも、面談では質問されたことには嘘偽りなくこたえ、信用してもらうことが必要です。
審査が開始後の質問にも適切な対応を
審査の過程では融資担当者から色々な質問をされることもあります。
これは、審査係から融資担当者に質問をし、融資担当者では説明できない部分や補強しておきたい部分に対応するためです。
電話連絡による質問が多いですが、もし即答できないときには一旦電話を切り、調べて折り返しても問題ありません。
融資担当者が味方になってくれていれば、有利な回答を導き出してくれるでしょう。
まとめ
どの金融機関から融資を受ける場合でも、面談や審査という流れをクリアして、やっと契約・融資実行となります。
大切なのは、担当してくれる融資担当者との信頼関係を築くことであり、適切に事業や資金の内容を伝えることです。
少しでも良く見せようと嘘をついたり隠しごとをしたりすると、反対に審査には不利に扱われることもありますので注意してください。
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