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債務超過のまま改善させなければ会社はどうなる?

融資2021/06/04

会社が倒産してしまいそうな危機的状況にあると考えがちな債務超過という状態ですが、実際には改善させずにいるとどうなるのでしょう。

そこで、債務超過とはどのような状況をあらわすのか、そのままの状態でいるとどうなるのかをご説明します。

正しく債務超過の意味や改善させなければどうなるかを知り、経営分析や判断を行っていくようにしましょう。

 

債務超過とはどのような状態のことか

債務超過と聞くと今にも倒産してしまいそうな危ない経営をしている会社といったイメージが強いかもしれませんが、確かによい財務状況とはいえません。

ただ、債務超過だからすぐに倒産してしまうわけではなく、あくまでも行為や返済の義務を負っているのに負債が大きすぎて履行できない状態です。

負債総額が資産総額を超えている財務状況なので、債務超過の状態が続けば保有する資産すべてを売却し現金化しても、返済できず負債が残ってしまい会社を続けることは難しくなる可能性があります。

しかし企業存続が難しくなるのは、投資額や売掛金の未回収などによる資金の枯渇なので、債務超過ですぐ倒産になるわけではありません。

実際には3割以上の中小企業が債務超過で会社を経営しているといわれていますが、早めに解消しなければだんだんと純資産が減少する危険な状態と留意しておくべきです。

 

債務超過か貸借対照表で判断する方法

今債務超過に陥っているのか、この先どうなるか知りたいなら貸借対照表(バランスシート)を確認しましょう。

そして貸借対照表の資産から負債を引いた数値を見てみます。

そのとき、

 

  • 資産合計-負債合計=資産>負債… 債務超過なし
  • 資産合計-負債合計=負債>資産… 債務超過あり

 

と判断できます。

債務超過のときの貸借対照表(バランスシート)は、

借入金・買掛金などの合計>売上・売掛金などの合計

となっている状態です。

商品や設備などをすべて売り払いお金に換えたとしても、今抱えている借金や固定費の支払いを合計した金額に足らない状態になっていることをあらわします。

 

この先どうなるか知る上で純資産の減少の程度も確認を

また、純資産の減少の程度もこの先どうなるか知る上で確認しておきましょう。

これまで貯めた資産から負債を支払っているのなら、実質的には負債>資産となり債務超過であると判断できます。

 

実態貸借対照表を作成し確認すること

資産として計上されているものの中には、たとえば回収不能となっている売掛金や、昔よりも価値が低下しているものが含まれていることもあります。

そのような目に見えないマイナスにより債務超過となることもあるため、実態貸借対照表を作成し確認するようにしましょう。

実態貸借対照表とは今の時点で適切といえる資産金額を算出し、現実に即した貸借対照表の数値に修正するものです。

修正するときには、資産と負債を次のように増減してください。

 

資産の修正方法

  • ・売掛金・未収入金・貸付金などで計上しているもののうち、回収不能なもの長年回収できていないものは差し引く
  • ・棚卸資産のうち不良在庫や架空在庫は差し引く
  • ・仮払金・繰延資産のうち資産性がないものは差し引く
  • ・土地は時価で計算し直す
  • ・建物は減価償却を差し引いた金額に計算し直す
  • ・投資有価証券は時価で計算し直す

 

負債の修正方法

  • ・役員未払金や役員借入金は純資産とみなし差し引く
  • ・退職給付引当金は積み立て不足額を負債として計上する
  • ・保証債務のうち保証人としての債務が発生している金額分を負債に計上する

 

倒産などどうなるか不安がある状態を作るのは資金ショート

手元に保有する現金など、運転資金が不足している状態資金ショートですが、借入金の返済期限に間に合わないときや設備資金や税金の支払いができず倒産に直結する状態です。

資金ショートしてしまう主な原因は、

 

  • ・経営難(赤字経営)が続いている
  • ・税金や借入金の支払いに関する認識が足りていない
  • ・売掛金と買掛金のバランスが悪い

 

といったことが挙げられます。

普段からの経営状態を把握し、資金繰り管理を適切に行うことが必要です。

 

債務超過でこの先どうなるかわからない状態を作ってしまうデメリット

債務超過でこの先どうなるかわからない状態を作ってしまえば、

 

  • ・銀行から融資を受けにくくなる
  • ・取引先にリスクの高い企業と判断され新規契約がしにくくなる
  • ・上場している場合には廃止になるリスクが高くなる

 

といった可能性があります。

周囲から経営管理の甘い危ない経営を続けている会社と認識されてしまい、金融機関や取引先からも付き合いを考え直したほうがよいと敬遠されてしまうかもしれません。

実際、日本取引所グループ(JPX)の上場廃止の基準は「債務超過が1年以上続くこと」とされているため、債務超過の状態を放置し続けることはリスクの高い経営といえます。

 

単なる赤字なら問題ないのか

赤字とは費用が収益を超えている状態なので、債務超過とは異なります。

負債が資産を上回っているわけではなく、負債の一部である支出が資産の一部である収入を上回っている状態といえます。

そして赤字も債務超過と同様に、すぐに倒産に追い込まれる状態であるとはいいきれません。

キャッシュフローを適切に管理しながら、黒字転換させ純資産を増やしていけば乗り切ることができるからです。

むしろ赤字でなく、利益を生み黒字であるはずなのに手元の資金が不足しがちな状態のほうが倒産リスクは高くなります。

そもそも倒産とは、債務の支払いができなくなり事業の継続ができなくなることなので、手元の資金が枯渇すれば会社はつぶれてしまいます。

ただ、損益が黒字でもすぐに現金化できる資産もなく、時価が下落した資産ばかり保有していれば手元の資金が枯渇し事業を続けることは難しくなってきます。

黒字倒産してしまうその背景には、

 

  • ・借入金の返済期限が短い
  • ・本業の儲けより借入金の返済額が大きい
  • ・売掛金の入金サイトより買掛金の支払いサイトが短い
  • ・未回収の売掛金や受取手形ばかり増え手元の現金は増えない

 

といったことが関係します。

そのため決算書や帳簿で利益が出ているからと安心してしまわず、内訳や実態を把握・分析することが重要です。

 

債務超過を解消するにはどうすればよいか

何年も債務超過から抜け出せない状態になると、この先どうなるのだろうか…と不安を抱えることになってしまいます。

しかし債務超過になってしまったからとあきらめず、次に解消方法を検討するようにしてください。

 

利益を出す経営努力を

会社の利益を上げれば資産を増やすことができ、債務超過から抜け出す一歩となります。

いきなり売上を向上させることや、営業利益・経常利益を増加させることは容易ではないため、まずは次のことを実践していきましょう。

 

  • ・売上原価や人件費の見直し
  • ・仕入先や取引先の選定と相見積もりを徹底して行う
  • ・時価が簿価を上回る遊休資産は売却する

 

その上で、赤字受注の有無やマーケティング戦略の見直し、人員や設備の生産性向上などを検討していきます。

また、資産自体を増やすためには、

 

  • ・増資・新株発行する
  • ・DES(デット・エクイティ・スワップ)を行う
  • ・銀行などにリスケジュールを依頼し債務免除してもらう

 

といったことも考えられます。

地道に解消させていこうとする姿勢と努力を見せれば、金融機関からの信頼も徐々に回復していくこととなるでしょう。

 

まとめ

会社の現状を分析しながら、この先どうなるかわからない状態を作ってしまう債務超過のリスクを遠ざけるようにしましょう。

債務超過に陥ってもすぐに倒産してしまうわけではありませんが、そのまま放置していれば経営を続けることが難しくなります。

信用力の低下にもつながるため、健全な経営状況に戻す経営努力を続けるようにしてください。

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