国金から借りたお金の返済猶予期間が過ぎたものの延長は可能?

2021/05/27
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国金とは、もともと「国民生活金融公庫」という名称だった「日本政策金融公庫」のことですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で融資を受けた方に対する返済猶予なども行っています。

そもそも国金は民間銀行から融資を受けるなど、資金の調達が難しい中小企業などに対しても資金の貸し付けを行っていますが、その返済猶予期間が過ぎたもののコロナ禍で返すことが困難な企業も少なくありません。

そこで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で国金から融資を受けたものの、返済猶予期間が過ぎてしまいどうすればよいかわからない企業が行うべき対策を解説していきます。

 

返済猶予期間が過ぎたもののいまだ厳しい状態

2020年、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めていまだ収束していませんが、この期間で日本政策金融公庫(国金)と民間銀行からの融資は40兆円といわれています。

日本政策金融公庫(国金)の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と民間銀行など金融機関の実質無利子・無担保融資、どちらも据置期間(返済猶予期間)最大で5年の設定が可能となっています。

ただ2020年12月末までの融資を見ると、1年以内で返済猶予期間を設定していることが多く、日本政策金融公庫(国金)は66%、民間の金融機関では56%がそのケースとなっていました。

中でも日本政策金融公庫(国金)33%・民間の金融機関の42%は6か月以内の返済猶予期間にしているなど、借金は早めに返済したいという気持ちのあらわれを感じることができます。

しかし返済猶予期間を短く設定したのにも、いまだ収束しない新型コロナで融資を受けた当初よりも、業績や資金繰り悪化に苦しむ企業は増えています。

すでに返済が開始している事業者、まもなく返済が始まる企業など、いずれも資金面での問題が解決されないまま借金を返さなければならない状態です。

 

 

返済猶予期間を延長してもらうことが必要

借りたお金は返さなければなりませんが、収束しない新型コロナの影響でまだまだ事業者の資金繰りは厳しい状態です。

返済が難しくなれば新たな借入れも困難な状況のため、今後のことを考えれば返済猶予期間を延長してもらうことが必要といえるでしょう。

返済猶予期間を延長してもらうためには、契約条件変更借換えのいずれかの方法を検討してください。

 

契約条件変更

契約条件変更とは、現状の契約内容で返済猶予期間だけ延ばしてもらうリスケ(リスケジュール)の依頼をすることです。

 

借換え

現在融資を受けている金額と同額または増額により、新しく資金を借入れて今の借金を返済する方法です。新しく借入れするときの返済猶予期間を最長の5年で設定することにより、大幅に返済までの猶予期間を延ばすことができます。

 

5年までは認めてもらうことが可能

2020年3~6月ぐらいまで新型コロナ融資による借入れを行った事業者の多くは、返済猶予期間を半年から1年で設定しています。

もともと返済猶予期間は最長5年で設定可能でしたが、金融機関側が短めの据置期間で申請したケースも多かったようです。

中には5年で設定してしまうと信用保証協会の審査が通りにくくなると危惧して、短めの据置期間で申請したケースもあるようですが、実際には5年で申請してもに認めてもらえます。

 

借換えは可能なのか

大幅に増額し借換えを行うときには、信用保証協会も返済できるかその可能性を重視することとなり、審査も厳しくなってしまいます。

しかし増額の幅が比較的小さいときや、同額による借換えであれば比較的にスムーズに認めてもらえることが多いといえます。

 

日本政策金融公庫(国金)でも返済猶予期間の延長は可能か

日本政策金融公庫(国金)から受けた融資の返済が開始するものの、すでに売上は本来の1分の1程度まで下がっているという状況では返すことが難しい状態です。

そこで、返済が開始される前に日本政策金融公庫(国金)に、当初1年で設定した返済猶予期間を延ばしてもらうよう相談すると、担当者から少し金額を増やし借換えするように指示された例もあるとされています。

 

政府系金融機関による実質無利子・無担保融資の期限延長

新型コロナウイルス感染症で影響を受けた事業者に対し行っている実質無利子・無担保融資の申込期限は延長されています。

2020年12月の経済対策において、当初は申込期限を2021年前半までとされていました。

しかし感染状況や資金繰り状況を踏まえた上で、2021年末まで継続することに変更されています。

 

融資を受ける上での要件

新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1か月間の売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較し、一定程度減少していることが認められることが要件です。

①▲5%なら低利融資 当初3年間:基準利率▲0.9% 4年目以降:基準利率
中小事業・危機対応…1.11%→0.21%・国民事業…1.26%→0.36%
令和3年4月1日時点で貸付期間5年、信用力や担保有無にかかわらず一律

②さらに以下の要件を満たすことにより、利子補給を通じ当初3年間は実質無利子・無担保融資
小規模の個人事業主…▲ 5%
小規模の法人…▲15%
その他…▲20%

 

貸付期間と返済猶予期間

設備資金は20年以内、運転資金は15年以内が貸付期間となり、返済猶予期間は最大5年で設定可能です。

 

上限額(併用可)

日本政策金融公庫(中小企業事業)…3億円(実質無利子)・6億円(融資枠)

商工中金(危機対応融資)…3億円(実質無利子)・6億円(融資枠)

日本政策金融公庫(国民生活事業)…6,000万円(実質無利子)・8,000万円(融資枠)

 

申込期限

当初は当面2021年前半までだったものが、当面2021年末まで継続されていますが、早めの申し込みが好ましいといえるでしょう。

実際に2回目の新型コロナ融資申請は増加傾向にあるとされており、今後もさらに拡大していくことが予想されます。

実際に資金繰りが苦しくなってから申し込みを行っても、融資実行まで2~3か月待ちになることも考えられ、資金繰りに間に合わなくなる可能性も出てきます。

資金が尽きてしまうよりも前に、前倒しで融資申請したほうがよいといえるでしょう。

 

中小企業庁の「コロナ特例リスケジュール」

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、資金繰りに悩む中小企業は少なくありませんが、そのような苦境を乗り越えるために中小企業庁では「新型コロナ感染症特例リスケジュール計画策定支援」を行っています。

都道府県ごとに設置された中小企業再生支援協議会で、中小企業の事業再生を支援する窓口相談や債権者調整などを含んだ再生計画の策定支援を実施中です。

特例リスケジュール計画策定支援は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で資金繰りに窮する中小企業を支援対象とし、それぞれの協議会で窓口による相談や金融機関との調整などを行っていました。

現在も収束していない新型コロナは、長期化することも予測され先行きの見通しも立ちません。

そこで、ポストコロナに向けた取り組みの後押しも含め、令和3年度以降も引き続いて支援が実施されています。

急激な資金繰り悪化で早急に借入返済をリスケジュールしたいときや、複数の金融機関から融資を受けていて資金繰りの調整が難航しているといったときに有効です。

主要債権者の支援姿勢を確認した後、中小企業に代わって協議会が一括し最長1年間の既存債務の元金返済猶予要請をしてくれます。

また、専門家が助言しながら資金繰り計画を作成するといったメリットもあるため、今後の検討も含め相談してみるとよいでしょう。

 

まとめ

日本政策金融公庫(国金)から融資を受けたものの、返済猶予期間を過ぎてしまった事業者にとって、資金繰りも厳しい中お金を返すことは容易なことではありません。

しかしまずは相談してみることで、借換えといった方法により再度追加融資を受け、返済猶予期間を延長できる可能性は高いといえます。

もし返済に悩んでいるのなら窓口に相談してみるとよいですし、民間銀行からの借入れならリスケジュール相談などもあるため、うまく活用して今を乗り切るようにしましょう。

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