融資を受けるときの流れと銀行で行われる審査をクリアするためのポイントとは?

2021/04/26
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銀行から融資を受けるときには、その流れにおいて審査を通過しなければなりません。

中小企業の多くが資金調達に銀行から融資を受けることに頼りがちですが、審査の流れやどのくらい時間がかかるのかよくわからないこともあるでしょう。

銀行融資の審査は一定の時間がかかるため、どのような流れで行われるのかある程度把握しておかなければ、資金調達しなければならないタイミングに間に合わなくなる可能性もあります。

そこで、銀行から融資を受けるときに避けては通れない審査の流れと、通貨するためのポイントについて解説していきます。

 

銀行融資の種類

銀行から融資を受けるといっても、どのような形でお金を借りるのかによって融資実行までの流れは異なります。

まず銀行融資には、

 

  • ・プロパー融資
  • ・信用保証協会付き融資
  • ・ビジネスローン

 

などの種類があるため、それぞれの借入れにおける特徴や審査にかかる時間を確認しておきましょう。

 

プロパー融資

銀行が独自の責任のみで直接顧客に資金を貸し付けるのがプロパー融資です。

プロパー融資での審査は銀行が単独で実施することとなるため、審査にかかる時間はそれほど長くないものの、厳しい審査をクリアしなければ融資を受けることはできません。

既存の顧客である場合には1~2週間、新規の顧客となると3週間~1か月程度の時間が審査でかかりますが、融資額が3千万円以上など高額になるとさらに時間が必要です。

 

信用保証協会付き融資

都道府県それぞれにある信用保証協会から保証を受け、銀行から融資を受ける方法が信用保証協会付き融資です。

もし融資を受けた後に返済ができなくなった場合でも、融資額の80~100%は信用保証協会が保証してくれるため、銀行も安心して資金の貸し付けが可能となります。

信用保証協会付き融資の場合には、流れとしてまず信用保証協会の審査が行われ、無事通過すれば保証書が発行されます。

銀行は保証書を受け取った後に審査を行うため、信用保証協会と銀行という2つの機関の審査を必要とすることから、既存の顧客なら2~3週間程度ですが新規になると1か月以上かかると見込んでおきましょう。

 

ビジネスローン

ビジネスローンは一般的な銀行融資を受けにくい小規模事業者や中小企業などが資金を借入れしやすいようにできた金融商品です。

消費者金融などもビジネスローンで資金の貸し付けを行っており、早ければ即日融資が可能になるなど、スピーディさが特徴といえます。

しかし銀行のビジネスローンは基本、即日融資は行われません。まずは属性や財務状況などの計量モデルと信用リスクによる評点によって、可否や条件などを決定するスコアリング方式による審査が行われます。

通常の銀行融資よりは審査にかかる時間が早く、既存の顧客なら1週間程度、新規でも2週間程度あれば融資実行までたどりつける流れとなります。

なお、ビジネスローンは金利が通常の銀行融資よりも割高であり、融資限度額も低めです。

 

銀行融資の審査の流れ

どのような形で銀行から融資を受ける場合でも、1週間から1か月以上は融資実行までの流れで時間がかかってしまいます。

銀行から融資を受けるときにはまずは申し込みを行いますが、その後、担当者から必要書類を提出するように求められます。

その後の審査においては、主に次の流れで進めていくことになるため、それぞれのステップにおける内容を確認しておきましょう。

 

銀行から求められる必要書類

銀行から融資を受けるときの流れにおいて、経営・財務の状況やお金を借りた後の返済計画などを証明するための書類提出を求められます。

提出を求められる書類として挙げられるのは、

 

  • ・決算書類一式(月次試算表)
  • ・事業計画書
  • ・資金使途資料
  • ・資金繰り表
  • ・本人確認書類
  • ・商業登記簿謄本
  • ・資金使途資料

 

などです。

他にも銀行によって提出を求められることもあります。

 

融資担当者と面談

銀行の融資担当者との面談を行い、書類だけでは確認できない事柄について質問が行われます。

経営者の人柄・力量・将来に対するビジョンや熱意なども面談で確認されることとなるでしょう。

面談でされる質問は、

 

  • ・創業・起業・事業の動機や理由
  • ・事業の具体的な内容と業務の流れ
  • ・事業計画や資金繰り計画が現実的かどうか
  • ・自己資金の準備
  • ・その他借入れの残高
  • ・事業の差別化要因とその内容
  • ・ターゲットや潜在顧客の信ぴょう性

 

この他にも質問されることがあるため、適切に答えることができるように準備しておきましょう。

 

審査により決裁されるまでの流れ

銀行に提出された書類や面談により、担当者が審査を行い、融資を実行してもよいか判断します。

その後、係長・課長・次長・支店長という流れで回覧され、融資可否を決定することとなるため、最終的な決裁の権限は支店長にあるといえるでしょう。

なお、厳しい条件のときや融資額が大きい場合には支店内では決済されず、本部の決裁も必要となるためさらに時間がかかります。

 

融資実行

審査を通過した場合には担当者から連絡が入ることとなり、銀行と契約書を交わし融資が実行されるという流れです。

 

スムーズな流れで審査を通過するためのポイント

銀行から融資を受けるとき、スムーズな流れで審査を通過したいなら次のポイントを押さえた上で申し込みをするようにしましょう。

 

融資金額と資金の使途は明確に

銀行から融資を受けるときに重要となるのは、融資額と資金の使途です。

できるだけ多くお金を借りたいと考えていても、そもそも何のために融資を受けるのか、借りたお金を何に使うのか明確にしておかなければ銀行も貸し付けはしにくくなります。

曖昧な事業計画では信頼性が低いと判断されることとなるため、具体的に必要となる金額やその使い道を示せるようにしておきましょう。

 

税金などの滞納はタブー

税金・社会保険料・公共料金などの滞納があれば銀行から融資を受けることは難しくなります。もし未払いの税金類などがある場合には、一時的な資金調達により納めておくことが必要です。

 

信用格付けは上げておく

銀行から融資を受けるときには、銀行による格付けが高いほど審査で有利になると理解しておいてください。

銀行による格付けで重要なのは決算書です。そのため銀行から融資を受けたいのなら、決算の半年前には決算予想をし、戦略的に対策を打つことが大切といえます。

決算書では、

 

  • ・収益性…儲ける力
  • ・安全性…負債と自己資本の比率
  • ・成長性…売上の大きさや伸び
  • ・債務償還能力…借金を返済する能力

 

という部分で評価されます。

 

担保と保証人に頼りすぎない

売上や経常利益率が十分でなければ審査ではマイナスになってしまうため、担保や保証人を確保できていればカバーできると考えられます。

不動産や有価証券などを担保とすることで、万一返済ができなくなったときには担保から返済資金に充てることが可能となり、銀行も資金を貸し付けしやすくなります。

ただし担保価値限度まで融資を受けることができるとは限らないため、担保に頼りすぎて銀行を甘くみていると後になって希望金額の借入れができないという状況に陥る可能性もあるので注意してください。

 

説得力のある事業計画の作成を

銀行は資金を貸し付ける上で、決算書で判断する格付けだけではなく、企業の実態にも注目します。

企業の将来性や経営者の人柄なども重要となりますし、提出する事業計画書も重要です。

会社の将来性や事業のビジョンを証明できる説得力のある事業計画書を作成し、記載された数値の裏付けとなるデータや資料なども添付すると、説得力のある書類として認めてもらいやすくなります。

事業計画書や資金繰り表、損益計算書や貸借対照表で収益性や安全性を示し、数値の根拠を示すことができるようにしておいてください。

 

金融機関と良好な関係を構築する

スムーズな審査の流れを希望するのなら、普段から銀行の担当者とコミュニケーションをとり信頼関係を築いておくことが大切です。

また、これまで取引がない銀行に対して融資を申し込む場合には、紹介してもらうと銀行の警戒を抑えることができます。

特に実績のある取引先などに紹介してもらうと、銀行に安心して相談に応じてもらいやすくなるでしょう。

 

銀行融資の返済期間は?

銀行融資の返済期間は、1年以内の短期融資と1年を超える長期融資に分けることができます。

短期融資では返済期間が短いため、比較的貸し倒れリスクが低いと判断されやすく、審査に通りやすいといえます。一時的な運転資金不足やつなぎ資金において、銀行からお金を借りるなら短期融資のほうがメリットはあります。

対する長期融資では、資金使途により返済期間が変わってきます。固定資産を購入するときの設備資金を借りるなら5~20年それ以外の運転資金であれば3~7年となることが多いでしょう。

返済期間中は利益を継続して上げていくことでき、返済負担が重くならなければよいですがそうとは限りません。

返済期間が長いということを事前に踏まえた上で、厳しめの返済計画を立てておくようにしておきましょう。

なお、追加融資を検討している場合にはできるだけ返済期間を短く設定したほうがよいですが、無理な計画を立ててしまうと後で苦しくなるため注意してください。

 

新型コロナで銀行融資の流れに影響は?

新型コロナウイルス感染拡大による影響で、それまで順調だった企業も業績が悪化してしまったというケースは少なくありません。

銀行から融資を受けて資金を調達したいという企業も多く、日本政策金融公庫などに申込を行うケースも増えています。

民間の銀行を頼りたい会社も少なくないでしょうが、社会情勢が変わってしまったため、融資可否を判断する格付けにも大きな変化が見られます。

消費者の行動の変化によりビジネスモデル自体が変わってしまったため、それまでは格付けに問題ないとされていた企業でも、融資を受けにくくなっていることもあると留意しておきましょう。

 

実質無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

新型コロナウイルス感染拡大により、売上が大幅に減少してしまった事業者に対し、日本政策金融公庫では「新型コロナウイルス感染症特別貸付」という融資制度を設けています。

民間の銀行から融資を受けることが厳しい場合には、政府系金融機関である日本政策金融公庫に相談してみることを検討するとよいでしょう。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、次の要件どちらにも該当するのなら利用可能です。

 

  • ・最近1か月間などの売上高または過去6か月(最近1か月を含む)の平均売上高が、前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少している場合
  • ・中長期的にみて業況が回復・発展することが見込まれる場合

 

なお、「最近1か月間等の売上高」とは、最近1か月間の売上高だけでなく最近14日間以上1か月間未満の任意期間での売上高も含みます。

業歴が3か月以上1年1か月未満の場合には、最近1か月間等の売上高または過去6か月(最近1か月を含む)の平均売上高(業歴6か月未満であれば開業から最近1か月までの平均売上高)が次のいずれかと比較したとき、5%以上減少している場合には該当します。

 

  1. 過去3か月(最近1か月を含む)の平均売上高
  2. 令和元年12月の売上高
  3. 令和元年10月~12月の平均売上高

 

特別利子補給制度の要件は新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けている方のうち、次のいずれかの要件に該当することが必要です。

 

  • ・個人…小規模企業者 要件なし   中小企業者 売上高▲20%以上
  • ・法人 …小規模企業者 売上高▲15%以上  中小企業者 売上高▲20%以上

 

小規模企業者とは卸・小売業やサービス業は常時使用する従業員が5名以下の企業であり、それ以外の業種であれば20名以下の企業が該当します。中小企業者とは、この他の中小企業のことです。

売上高要件の比較は、最近1か月等とその後2か月も含めた3か月間のうちのいずれか1 か月で行います。

令和2年12月21日以降に融資を受けた方については、過去6か月の平均売上高(最近1か月を含む)と前3年のいずれかの年の同期等との比較も可能とされています。

詳しくは日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付から確認できますので、チェックしておくとよいでしょう。

 

まとめ

銀行融資において、審査に時間がかかればそれだけ資金調達までの期間も長くなってしまいます。審査の流れをスムーズにするためにも、事前に必要書類を準備しておくことや、信用力を高くするための対策を行っておくとよいでしょう。

また、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたことで、売上が激減してしまった企業などの場合には日本政策金融公庫の融資がおすすめです。

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