融資を受けるときに担保として差し入れ可能なものは不動産だけではない

2021/02/26
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資金調達に融資を受けることを考えたとき、担保が必要となるものとそうでないローンがあります。

担保を必要とするローンは「有担保ローン」、不要なものは「無担保ローン」ですが、担保の存在は融資を受けるときの審査のハードルに大きく関係します。

融資を受けるときの担保の代表的なものとして挙げられるのは「不動産」ですが、他にも担保として差し入れることが可能な資産はあります。

そこで、融資を受けるときに差し入れる担保にはどのようなものがあるのか、それぞれのメリットや特徴などを解説していきます。

 

「人的担保」と「物的担保」の違い

融資を受けるときの担保には「人的担保」「物的担保」がありますが、それぞれの違いは次のとおりです。

 

人的担保とは

「保証人」「連帯保証人」「連帯債務」のことです。

融資を受けた債務者が返済できなくなったときには、連帯保証人などが代わりに返済をします。

 

保証人

融資を受けた債務者が返済できなくなったときに返済義務を負うこととなりますが、債権者である金融機関が返済請求してきた際、まず債務者に対し請求するよう主張する権利(催告の抗弁)を持っています。

また、債務者に返済可能とする財産や資力があるのに返済を拒否した場合には、その財産を強制執行するよう債権者に主張する(検索の抗弁)も可能です。

複数人の保証人がいるときには、返済義務として負担するのは人数分で割った金額だけであることも保証人の特徴といえます。

 

連帯保証人

連帯保証人の場合、保証人にはある「催告の抗弁」や「検索の抗弁」などの権利はなく、融資を受けた債務者が返済できないときには全額返済しなければならない義務を負います。

債務者と義務は同じであり、保証人よりも責任が重いことが特徴です。

 

連帯債務

複数人の債務者で同じ債務を引き受けることを「連帯債務」といいます。

人的担保の中では最も重い責任となり、たとえば夫婦で住宅ローンを借りるときなどが該当します。

債権者である銀行などは、連帯債務者に対し債務の返済をそれぞれに請求できることが特徴です。

 

物的担保とは

物的担保は、担保として差し入れる対象が「人」以外です。

債務者が他に融資を受けている金融機関などがあっても、担保として差し入れられた物や財産権から優先して回収できる権利を指しています。

金融機関の融資での物的担保では回収を優先して行うことができるように、たとえば不動産が担保の場合などは抵当権設定登記などを行うこととなります。

に絞って述べていきます。

 

抵当権設定登記とは

融資を受ける際の物的担保でもっとも馴染みが深いのが不動産です。

銀行などは担保として差し入れた不動産に対し「抵当権」を設定しますが、もし返済されなくなったときには不動産を差し押さえ競売にかけて売却し、その代金から債権を回収するために行います。

法務局で登記の手続きを行いますが、先に抵当権を設定した「抵当権者」が優先されます。

抵当権が設定されていても、不動産の所有者はそのまま使用は可能なので、仮に家を担保として差し入れる場合でも住み続けることが可能です。

そして抵当権設定済の不動産も相続の対象であり、相続税の課税対象となります。抵当権が設定されていても不動産の相続税評価額が下がることはなく、ローンが残っている場合には相続財産の全体から借金分を差し引くこととなります。

 

抵当権は抹消登記も必要

注意したいのは、受けた融資を完済した場合には、設定された抵当権を解除する必要があることです。

一般的に銀行などで不動産を担保に融資を受けたものの、完済すれば金融機関が提携している司法書士などにその手続きを依頼し、抵当権抹消の登記を進めてくれます。

ただ本来はお金を借りた債務者がこの手続きを行う必要があるため、銀行が抹消登記の手続きを進めてくれた場合でも、かかった登録免許税や司法書士に対する報酬などは請求される可能性があります。

抵当権を解除しておかなければ、後でまた融資を受けたいというときに手続きがスムーズに進まなくなってしまいます。売却などの際にもトラブルのもとですので、忘れずに手続きを行っておきましょう。

 

抵当権と根抵当権は同じではない

抵当権は1つのローン契約など特定の債権に有効であるのに対し、「根抵当権」は不特定の債権に有効という点が抵当権と根抵当権の違いです。

抵当権であれば、対象となっているローンを完済すれば、その権利は消滅するため抵当権抹消登記を行い解除できます。

しかし根抵当権の場合には、融資を受けるときの金額に上限を決めておき、その範囲内であれば繰り返し融資を受けることが可能です。

根抵当権が設定されると、ローン契約が完済できたとしても根抵当権は消滅しません。

たとえば不動産担保ローンなど複数回利用する可能性があるローンなどであれば、融資を受けるたびに抵当権設定登記を行うのは面倒なので、根抵当権を設定しておくという方法もあります。

手間を省くことにつながり、登録免許税や司法書士に対する報酬などコストを削減できる点でもメリットです。

根抵当権を抹消するときには、債務者と債権者の合意が必要です。運転資金の融資を受けるときなどは、銀行に追加融資をお願いすることもあるでしょう。

このような場合において、根抵当権を設定していればスムーズに手続きが進みます。

 

物的担保は不動産だけではない

人的担保と物的担保の違いをご説明しましたが、このうち物的担保でもっとも多く利用されているのは不動産です。

しかし担保として差し入れることが可能なのは不動産だけでなく、次のようなものが挙げられます。

 

有価証券

物的担保として差し入れる資産のうち、「有価証券」も不動産と並び、比較的多く利用されています。

財産権である証券を担保として差し入れますが、国債・社債などの債券株式の他、手形や小切手などが該当します。

有価証券を担保として差し入れて融資を受けるとき、種類によっては担保の評価が変動する点は注意してください。

国債でれば国の発行のため信用力も流動性が高いですし、株式でも上場株式のほうが流動性は高いとされ未上場株式より担保価値は高く見込めます。

 

売掛債権

「売掛債権」とは「売掛金」のことで、商品やサービスを販売したとき、顧客にその代金の支払いを請求する権利です。

販売後はその場で現金で代金を支払ってもらうのではなく、一定期間分をまとめて請求し、後日代金を受け取る掛け取引が一般的な商取引の流れです。

この代金を受け取るまでの間に発生するのが売掛金であり、売掛債権を保有することになります。

売掛債権も担保にして融資を受けることができますが、売掛先である顧客に対し、担保にすることを通知する必要がある点は注意してください。

 

ファクタリングなら通知しなくても資金調達が可能

売掛債権を使った資金調達の方法として「ファクタリング」がありますが、融資を受けるのではなく売掛金を売却し現金化するサービスです。

ファクタリングの利用者とファクタリング会社の2社で契約を結ぶ場合には、売掛先に対し通知を行わず現金化させることが可能なので、売掛債権を資金調達に使用することを知られたくないときには検討するとよいでしょう。

また、ファクタリングは売掛債権の売買契約を結ぶ方法のため、融資を受けて借金を増やさないこともメリットです。

 

その他担保として差し入れ可能な資産

他にも預金担保やゴルフ会員権担保、動産担保などがありますが、取り扱っている金融機関は限られているため事前の確認が必要です。

 

まとめ

銀行など金融機関から融資を受けるときには、自社の信用力のみで認めてもらえればよいですが、そうでない場合には担保を差し入れることを求められてしまいます。

担保には「人」を対象とするものと、人以外のものが対象であるものがありますが、何を対象にするかによって責任の重さや仮に返済できなくなったときのリスクなどが異なります。

事前にそれぞれの特徴を確認しておき、もっとも適した担保と判断できるものを選ぶようにしましょう。

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