マイホームを購入する際に現金一括で決済する方もいるかもしれませんが、ほとんどの方は金融機関などで住宅ローンを申し込み、融資を受けて購入することとなるでしょう。
住宅ローンとは、本人、およびその家族や本人の家族が住むための家や、住宅に付随する土地を購入するため、または家の新築や増改築、すでに利用している住宅ローンの借り換えなどを目的とした資金調達のために金融機関から借り入れを行うことです。
一戸建てやマンションなど、住まいを購入するための資金を準備するために利用する借り入れが住宅ローンであり、銀行や専門のローン会社などの金融機関からの融資を受けることといえます。
住宅ローンはどの金融機関から借り入れを行うかによって、設定される金利や貸付条件など異なるため、しっかり比較した上で申し込みを行うことが大切です。
そこで、これから住宅ローンで住宅購入のために資金調達をしようと考えている方、すでに利用している住宅ローンの借り換えを検討している方のために、住宅ローンの選び方や低金利でおすすめの金融機関の住宅ローンなどを解説していきます。
目次
住宅ローン選びで失敗しないために必要なこと
せっかく利用した住宅ローンで失敗し、のちの返済負担に追われて家計が苦しくならないためにも、無理のないローン返済計画を立てておくことが必要です。
そのための物件選びと住宅ローンからの借り入れは「年収×5倍+頭金」の範囲におさめることが必要です。
年収の6倍や7倍の物件を購入してしまうと、毎月の返済負担が大きくなりすぎてしまいます。
その分、多く頭金を準備できれば問題ないでしょうが、十分に頭金を用意できない場合には借入金額が膨らむので注意してください。
また、年収に見合わない金額を借り入れようとしても、金融機関の審査でも通りにくくなります。
家賃並みの返済負担で家を購入することは可能?
マイホームを探している方は色々な広告などを見て選ぶことになるでしょうが、その中に「家賃と同じくらいの金額で家の購入が可能」といったことが書かれていることがあります。
しかし広告に掲載されている返済計画の一例などのシミュレーションを鵜呑みにすることはおすすめしません。
なぜならマンションなどを購入する場合には、毎月の返済金額だけでなく別途、管理費や修繕積立金も必要となりますし、毎年固定資産税もかかります。
一戸建て住宅の場合も同様にいずれ行う修繕費用を積み立てておかなければならないですし、同じように固定資産税も課税されます。そのため広告内容だけで判断せず、自分で実際に購入した後にどのような支払いが必要となり、返済金額はいくらまでなら負担が重くならないかシミュレーションして確認することが必要です。
住宅ローンでよく耳にする「フラット35」とは
住宅ローンといえば「フラット35」というイメージが強いほど、耳にすることが多い住宅ローンも存在します。
このフラット35とは、民間の金融機関が行った融資である住宅ローンを住宅金融支援機構が譲り受けることとなり、そのローンを裏付けに資金調達を行う手法によるローン商品の名称です。
フラット35を利用する上でのメリット・デメリット
住宅ローンそのものを提供し、貸し付けを行うのは金融機関なので、借り入れで設定される金利や手数料、申し込みの際に必要となる提出書類などは利用する金融機関に従うこととなります。
全期間固定金利型のローンであり、民間と公的機関の間にある貸し付けのような扱いとなるため、民間の金融機関から直接融資を受ける場合よりも審査が通りやすいことがメリットです。
また、返済終了までの借入金額と返済額が契約当初に確定するため、返済期間中に市場金利が上昇してしまった場合でも、当初確定したままの借入金利で返済を続けることができるといった特徴があります。
将来的な返済設計が立てやすいことがメリットではありますが、万一、市場金利が低下した場合でも金利が下がることはないという点は理解した上で契約することが必要です。
フラット35の金利情報
返済期間が15~20年の場合、金利の範囲は年1.060~1.820%で、もっと多い設定金利(最頻金利)は年1.060%です。
返済期間が21~35年の場合、金利の範囲は年1.110~1.870%で、最頻金利は年1.110%となっています。
フラット35の利用条件
フラット35は民間の金融機関で申し込みを行い、申込時の年齢が満70歳未満の方のうち、日本国籍の方や永住許可を受けている方、特別永住者の方であれば利用できます。
また、親と子の2代で返済を行う親子リレー返済を利用する場合は、満70歳以上の方でも申し込みが可能です。
ローンの利用対象となる住宅は、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合する住宅で、住宅の床面積が一定基準に適合する住宅であることが必要となります。
住宅の床面積は、一戸建てや連続建て、および重ね建ての住宅なら70㎡以上、マンションなどの共同住宅であれば30㎡以上とされています。
融資可能とする金額は、100万円以上8,000万円以下となっており、建設費または購入価額以内であることが必要です。なお、物件価格の9割を超えた資金調達は金利が高くなりますし、9割以下の場合と比べると返済の確実性などについてより慎重な審査が実施されることになります。
フラット35の年収条件
年収条件は設定されていないものの、たとえば年収400万円以下の方であれば物件価格の30%までが上限になり、年収400万円以上の方は35%が上限とした貸し付けが主流です。
返済期間は最長35年で1年単位での設定が可能ですが、80歳までに完済させることが必要となるため、利用開始年齢が高めの場合、返済期間が短期化してしまい毎月の返済額が大きくなると理解しておきましょう。
フラット35の返済方法
均等返済又は元金均等返済となっており、保証人や保証料は原則として不要です。
ただ、団体信用生命保険は任意加入となっており、火災保険への加入は義務づけられているため、保険料の支払いも返済計画に加えておく必要があります。
フラット35は技術基準をクリアした住宅であることが必要
フラット35を利用するたには、定められた技術基準をクリアしなければなりません。
そのためには物件検査が必要となりますが、この際発生する手数料は建設されるエリアや建物の種類(一戸建て住宅か共同住宅かなど)により異なります。
一戸あたりの平均的な手数料は、目安として新築一戸建て住宅が2~3万円台、中古一戸建て住宅で4~6万円台となっています。
フラット35からさらに金利を引き下げることも可能
フラット35の申し込みを行った住宅の中で、省エネルギー性や耐震性など、質の高い住宅取得の場合は一定期間に渡り借入金利を引き下げることができるフラット35Sという制度もあります。
フラット35Sでは、現在2020年3月31日までの申し込み受け付け分について、当初5~10年間に渡り、年0.25%金利が引き下げを可能としているようです。
他にも長期優良住宅取得の際に利用可能になる、最長50年の全期間固定金利住宅ローンであるフラット50もありますので、それぞれ要件に該当するか確認してみるとよいでしょう。
来店不要で対応エリアが全国の住宅ローン徹底比較!
住宅ローンといえばフラット35と思いがちですが、他にも各種金融機関で住宅ローンを利用することが可能となっています。
ただ、金融機関ごとに設定される金利や貸し付け条件などは異なっており、利用が一部地域に限定されている場合や、来店が必要である場合などもあります。
そこで、来店不要で全国対応となっている住宅ローンの中から、特に人気のあるものをご紹介します。
じぶん銀行の住宅ローン
「がん診断保障(50%)」の保障内容のまま、すべてのケガや病気をカバーできる「全疾病保障」を金利の上乗せをせずに付帯することができます。
このように2つの保障が付帯できるのはネット銀行では初ですので、万一に備えた状態で住宅ローンを利用したい方にはおすすめです。
- 金利:変動0.457% 固定(5年の場合)1.450%~
- 借入金額:500万円~2億円
- 団体信用生命保険料:不要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×2.2%
住信SBIネット銀行の住宅ローン
「ネット専用全疾病保障付住宅ローン」では、保険料を発生させず団体信用生命保険と全疾病保障が基本付帯されることが特徴です。また、女性限定で「全疾病保障」に「ガン診断給付金特約」が無料付帯されるなど、こちらも万一に備えた状態で住宅ローンの利用が可能であることがメリットです。
- 金利:変動0.447% 固定(7年の場合)1.080%~
- 借入金額:500万円~1億円
- 団体信用生命保険料:不要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×2.2%
三菱UFJ銀行の住宅ローン
がん、脳卒中、急性心筋梗塞、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変など、7大疾病が補償対象となる「7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉」であれば、住まいと家族を守りながら住宅ローンを利用することができます。
- 金利:変動0.525%
- 借入金額:30万円~1億円
- 団体信用生命保険料:不要
- 保証料:必要
- 保証会社手数料:3万3千円
- 事務手数料:不要
ソニー銀行の住宅ローン
住宅ローン利用後の状況に応じ、返済計画の見直しなどが気軽にできるよう繰上返済手数料は何度でもいつでも無料となっています。
変動セレクト住宅ローンでは、変動金利の大きな引き下げ幅が特徴で、融資を受けた後でも固定金利に変更することもできます。
AI(人工知能)を活用した仮審査で、最短60分で融資の可否を得ることができるのも魅力といえるでしょう。
- 金利:変動0.457% 固定(2年の場合)0.750%~
- 借入金額:500万円~1億円
- 団体信用生命保険料:不要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×2.2%
楽天銀行の住宅ローン
省エネルギー性や耐震性など優れた住宅を購入する場合にフラット35の借入金利を一定期間において引き下げ可能となる制度である「フラット35S(金利Aプラン)」。利用の際には予約制のSkype相談を行うことができ、土日含め22時まで利用可能です。
ローン返済の際に楽天銀行口座を指定することで、本来、通常借入額×1.43%分かかる融資事務手数料が1.10%になるといったメリットがあります。
- 金利:固定(全期間固定15年~20年の場合)0.610%~
- 借入金額:100万円~8,000万円
- 団体信用生命保険料:別途必要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×1.1%
ARUHI(アルヒ)の住宅ローン
自己資金を2割以上で設定することで利用可能となるフラット35(保証型)の商品「ARUHIスーパーフラット8S(金利Aプラン)」では、借入期間21年以上の場合には「ARUHIフラット35」よりも金利を下げた利用が可能となります。
- 金利:固定(全期間固定15年~35年の場合)0.480%~
- 借入金額:100万円~8,000万円
- 団体信用生命保険料:別途必要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×2.2%
ジャパンネット銀行の住宅ローン
保証料、返済口座への資金移動、収入印紙代、団体信用生命保険料0円、Web一部繰り上げ返済手数料などは無料で、余計な手数料がかからないことが魅力の住宅ローンです。何より手続きがすべてWEBで完結することが一番のメリットといえるでしょう。
- 金利:変動0.415% 固定(固定2年の場合)0.390%~
- 借入金額:500万円~2億円
- 団体信用生命保険料:不要
- 保証料:不要
- 保証会社手数料:不要
- 事務手数料:元金×2.2%
2019年の住宅ローン金利の傾向
2019年10月の住宅ローン金利の動向をみると、変動金利は横ばい、固定金利は横ばいから引き上げになっている動きがみられます。
長期金利は2018年12月から大きく下落し、2019年6月のマイナス1%を割り込んだ状態から復調していない状況です。そのため約3年ぶりとなる超低金利状態は今後も続くことが予想されるでしょう。
日銀も世界経済の下振れを意識したのか、金融緩和を維持することを決めているので、しばらく日本の長期国債金利が上がることはないと考えられます。
そこで、住宅ローンを新規で利用しようという方、または借り換えなど検討している方は、現在の低金利による利用可能となるタイミングを逃さないようにするとよいでしょう。
まとめ
憧れのマイホームを手に入れるためには住宅ローンを利用する方がほとんどです。ただ、融資を受ける金額が大きくなる分、わずかな金利の差で支払総額に大きく響くことになるため、できるかぎり安い金利が設定される住宅ローンを利用したいと考えてしまうものでしょう。
ただ、現在はかなり低金利ともいえる状況のため、比較的住宅ローンを新規で利用しやすいでしょうし、すでに利用しているローンの見直しなどを行ってもよい時期といえます。
住宅ローンを活用しながら大切な家を守る上でも、見直しを検討することは必要なことであり、場合によっては繰上返済なども行いながら支払総額を引き下げることができるようにしていくことも検討したほうがよいでしょう。
そのためにも、できるだけ手数料など余計な費用がかからず、金利も低く設定される金融機関での住宅ローンの利用が望ましいといえます。
ご紹介した住宅ローンは主にネット銀行の提供する住宅ローンで、対応範囲は全国エリアとなっており、インターネット上で申し込みが可能です。
ただ、直接窓口まで出向き申し込みを行う地方銀行や信用金庫でも住宅ローンは利用できるはずなので、地域の銀行などの住宅ローンとどちらがよりメリットがあるか比較しながらしっかり検討するとよいでしょう。
条件に最も合うと判断できる住宅ローンに申し込みを行い、返済負担が苦しくならないようにその後の返済計画もしっかり立てた上で利用するようにしてください。
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