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正しい借用書の書き方とは?金銭消費貸借契約書の作成で失敗しないために!

融資2019/09/04

お金の貸し借りがある場合には、ただ口約束を交わすだけでなく借用書の書き方を知っておき、事前に作成しておくことでトラブルを防ぐことに繋がります。

どれほど親しい間柄であっても、お金ややりとりがもとで人間関係にひずみが生じることも考えられますので、円滑な資金調達を進めるためにも正しい金銭消費貸借契約書の作成方法などを理解し、プライベートやビジネスの場面で役立たせるようにしてください。

 

借用書は何のために必要か

資金調達の場面においても借用書の作成を求められることがありますが、これは誰が誰に対し、いくら借りたのか、いつどのような方法で返済するのかなどを証明するために作成されます。

単に借用書とよぶこともあれば、金銭借用書、借用証書といった呼び方をする場合もあります。ただ、いずれもお金を借りたことを証明する書面であることに変わりはありません。

 

金銭消費貸借契約書とは

金銭消費貸借契約書は、主には銀行などの金融機関や消費者金融会社など貸金業者の貸主からお金を借りて資金調達する場合に交わす書類です。

貸主側が貸し付けを行うにあたり、後に返済を巡るトラブルに発展することを防ぐために作成されます。

そのため金銭消費貸借契約書には、融資される金額、資金の使途、設定される利率、返済期日など、様々な条件が記され、将来の弁済を約束する内容となっています。

 

借用書がなくても契約は成立する

実は借用書を作成せず、口約束だけでも契約は成立します。しかし口約束で契約できるとしても、お金を借りた側が借りた覚えはないと言い放ってしまえば、貸した側はお金を返してもらうことができなくなりますし、返す意思はあってもいつまでに返済しなければならないと当初約束していたはずなのに、忘れてしまう可能性もあります。

このようなトラブルを防ぐためにも、口頭で合意があった内容を借用書という証拠書面で残しておくことはとても大切です。

また、万一裁判などに発展した場合でも、お金の貸し借りがあった事実を証明できなければ不利な立場にたたされてしまいます。証拠となる書面として借用書を残しておくことで、万一裁判で争わなければならなくなった場合でも有効に活用できるでしょう。

 

借用書を作成するのは誰?

お金の貸し借りの場面で借用書を交わす際、誰がその書類を作成すればよいのでしょう。

基本的にはお金を貸した側が作成しなければ、借りた側に記載する内容を決めてもらう場合、貸した側が不利になる条項が記されてしまう可能性があります。

お金を貸す側と借りる側、どちらのリスクが高いのかを再度認識し、主導権は貸す側が握るようにしてください。

 

正しい借用書の書き方

借用書はビジネスの場面に限らず、個人がプライベートで交わすこともありますが、馴染みの多い借用書として挙げられるのがローン契約書です。

銀行などの金融機関や消費者金融などの貸金業者からお金を借りて資金調達する場合、お金を貸してくれた機関や業者との間で作成されるローン契約書が金銭消費貸借契約書です。

もし自分がお金を貸す立場となり、金銭消費貸借契約書を作成することになった場合には、次の要素をその内容として盛り込むようにしてください。

  1. 表題・タイトル(借用証または金銭消費貸借契約書など)
  2. 宛名
  3. 金額
  4. お金の貸し借りがあったという事実の明記
  5. 利息(合意があれば無利息でも可)
  6. 返済方法
  7. 返済期限
  8. 日付
  9. 借主の氏名・住所・捺印
  10. 連帯保証人の氏名・住所・捺印

 

借用書が作成できない場合

たとえば親しい間柄の相手とのお金の貸し借りにおいて、金銭消費貸借契約書など堅苦しい書面を交わす必要はないではないか!と相手が拒否したり、また、事情があり作成が難しいという場合には、メモ用紙などでもよいので、いつ、誰から誰に対し、いくらお金を貸し利息の扱いはどうするのか、いつまでに返済するのかなど記しておくようにしましょう。

相手の署名などがあれば借用書として認められますし、印紙など貼れず印紙税法に違反していたとしてもお金を貸した事実を記す借用書としては機能します。

ただ、印紙を貼り納税することは必要ですので、貸した状況が確認できる簡単な書面での借用書を作成する場合においても、印紙税法に違反しないよう規定された印紙を貼ることは忘れないように心がけてください。

 

借用書の法的な効力

口約束だけでは不安なので、お金の貸し借りがあったことを証明するために借用書や金銭消費貸借契約書を交わすことは大切です。これはお金を貸した側だけでなく、借りた側を守るためにも必要であるといえるでしょう。

ただ注意したいのは、借用書による拘束力の問題です。借用書や金銭消費貸借契約書は法的な強制力を持たない書面ですので、お金の貸し借りがあった事実を証明することしかできません。

そこで、より安心してお金の貸し借りを行うためには、借用書や金銭消費貸借契約書を公正証書として残すことをおすすめします。

 

公正証書とは?

公正証書は公証役場で公証人に作成してもらう証書ですが、法律上、完全な証拠力を保有することになるので、契約の不履行があった場合には内容に基づいた強制執行が可能となります。

特に金額が大きい場合には法的拘束力の強い公正証書を作成しておくことが必要ですし、強制執行認諾条項を内容に盛り込んでおくことにより、裁判所の判例を待たなくても強制執行が可能となります。

なお、公正証書は公証人に対する手数料、印紙代、正本・謄本費用など1万円弱費用がかかりますので、事前にどのくらいの費用が発生するか確認しておくと安心です。

 

念書と借用書は同じ書類なのか

お金の貸し借りを行う場合には借用書を作成しておくことが多いですが、中には念書を作成するように求められることもあります。

他にも覚書など呼び方がいろいろあり、それぞれ同じ書類なのか、それともまったく別のものなのか違いがわからないという場合もあるかもしれません。お金の貸し借りで用いられる書類と、それぞれの内容は次のとおりです。

 

念書

当事者の一方が他方の当事者に差し入れるものであるため、書面には差し出した当事者の署名・押印しかないことが特徴です。念書を差し入れる側が一方的に義務を負担する、または一定の事実を認めるといった内容になることが一般的です。

そのため、万一、トラブルが生じたときの証拠として利用されるためのものといえるでしょう。お金の貸し借りの場面では、お金を借りる側が貸す側に対し差し入れる借用書、誓約書や確約書なども念書に含まれます

 

覚書

正式な契約書を作成する前段階において、当事者同士が合意している事項を書面にする場合や、すでに存在する契約書に対する補足や変更を記すためのものです。

なお、書面そのものが契約の基本を定めていれば、たとえタイトルは「覚書」であっても契約書として扱われます。

 

契約書

相対立する2人以上の意思表示が合致していることを示す書類なので、当事者の一方の申し込み、そして他方の承諾で成立する法律行為を書面にしたものです。

法律行為とは一定の法律要件を満たすことによる権利や義務を発生させようとする意思に基づく行為のことを指しています。

お金の貸し借りにおいては、貸す側と借りる側、互いの意思が合致していることを事実として証明する目的で金銭消費貸借契約書が作成されます。

 

まとめ

お金の貸し借りはシビアな問題ですので、たとえどれほど親しい間柄であっても資金調達の場面で未然にトラブルを防ぐためにも、借用書など作成し事実を証拠として残しておくようにしましょう。

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