融資を受ける場合に担保や保証人は何のために必要なのか

2019/08/16
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資金を調達する際、ローンやキャッシングを利用しようと考えることもあるでしょう。その場合、利用する金額が大きいと、担保や保証人を金融機関から求められることがあります。

では、なぜ借り入れを行う際に担保や保証人が必要となるのか、その仕組みや目的についてご説明します。

 

担保や保証人を金融機関から求められる理由

融資を受けようとする金額が大きい場合、貸し付けを行う金融機関側としてみれば、もし返済がされなくなったときのリスクを第一に考えます。

そこで、万一お金を借りた債務者が返済不能となった場合、担保として差し入れている資産を差し押さえたり、債務者の代わりに返済してもらう保証人が必要と考えるようです。

ただ、どのような資産でも担保として扱えるわけではなく、売却して返済に充てることができるような価値のあるものでなければ意味がありません。そのため、一般的に担保として扱われるのは不動産が多いですが、他にも株や有価証券などを担保にすることも可能です。

不動産担保が必要な場面において、肝心の物件を所有していない場合など、第三者に担保提供者(物上保証人)になってもらうという方法もあります。

 

保証人も実は担保に含まれる

担保として設定できるのは不動産などに物的担保以外に、債務者以外の人である人的担保もあります。この人的担保に該当するのが保証人です。

保証人になると、債務者が借りたお金を返済できなくなった場合、代わって返済しなければならない代位弁済の義務を負うことになります。

保証人も誰でもなれるわけではなく、万一の際に債務者に代わって返済することができる能力を有していることが求められますので、相応の収入や資産があることが必要です。

また、人的担保として保証人を立てることにより、債務者が保証人に迷惑をかけてはいけないという意識を高めることを目的としているともいえるでしょう。

 

無担保・保証人不要で利用できる借り入れもある

担保や保証人がなくても借り入れが可能となる場合もありますが、一般的に無担保で保証人不要で受けることができる融資は金額が少額であることがほとんどで、たとえば消費者金融などが個人向けに行う小口融資などがその例として挙げられます。

 

担保を差し入れる理由は金利を下げたいから

金融機関で担保を差し入れた上での借り入れを行う場合、金利を低く設定することが可能になります。

銀行やノンバンクなどから借り入れを行う際に設定される金利は、債権者となる金融機関のリスクの高さに左右されますので、担保を設定することにより貸し倒れリスクを軽減できるからです。

多額の資金を長期で借り入れる場合には、たった数パーセントでも金利が違えば負担は大きく変わりますので、なるべく金利が下げた状態で融資を受けたほうが得策ではあります。

ただ、万一返済ができなくなったときには、その担保を失うことになることを理解した上で差し入れることが必要ですし、差し押さえの対象とならないように返済計画をしっかりと立てた上での借り入れが重要です。

 

担保提供とはどのような仕組みなのか

金額の大きなローンを利用したい場合には、不動産を担保として差し入れることが条件になることが一般的です。しかし、担保として差し入れることができる不動産を所有していなければ、融資を受けられなくなってしまうでしょう。

ただ、担保提供という第三者から不動産などの担保を提供してもらうことで、ローンを利用することもできます。たとえば、多額の事業資金を必要とする場面において、頼れる親や親戚にお願いして不動産を担保として差し入れてもらうといったケースが該当します。

担保とする不動産を借りる形となりますが、自分が所有する不動産でなくても返済が滞れば容赦なく差し押さえの対象となってしまうので、そのリスクを十分に理解しておくことが必要となるでしょう。

 

担保提供者と保証人の違い

担保提供で不動産を差し入れてもらう場合と、保証人との違いがよくわからないという方もいるようです。

もし債務者が借りたお金を返すことができなくなった場合、担保提供者は担保として差し入れた不動産を手放せば、それ以上責任を追及されることはありません

しかし保証人になっていると、借金を肩代わりする形で返済する義務を負うことになります。さらにここで注意したいのが、保証人と連帯保証人は異なる点です。

 

保証人と連帯保証人の違いにも注意!

一般的に保証人と連帯保証人は同じであると認識されがちですが、多額のローンを利用する場面で求められるのは連帯保証人です。

保証人も連帯保証人も債務者の保証を行う立場は同じですが、保証する範囲や督促を受けるタイミングなどが異なりますので、それぞれの違いも把握しておく必要があります。

 

●催告の抗弁権の有無

催告の抗弁権とは、突然、金融機関や業者などが返済の請求をしてきたとき、債務者が自己破産していた場合や、すでに行方不明の状態というわけでないのなら、先に債務者に支払いの請求をしてもらうよう主張することができる権利を指しています。

保証人の場合、この催告の抗弁権が認められていますが、連帯保証人は認められていないという部分が異なります。

 

●検索の抗弁権の有無

返済を滞っている債務者が、たとえば売ればお金に換えることができる財産を所有しているなど、返済能力があるのにお金を返していない場合に、金融機関や業者から代わりに返済を求められたとします。

この場合、債務者には返済能力があるので、財産を差し押さえて返済してもらうように主張することができる権利が検索の抗弁権です。保証人の場合、検索の抗弁権が認められていますが、連帯保証人には認められていません

 

●分別の利益の有無

債務者に代わり返済を行う必要が出てきた場合において、保証人が複数人設定されているのなら、その人数で按分した金額のみをそれぞれの保証人が負担すれば済みます。

しかし、連帯保証人の場合は複数設定されていたとしても、保証人のように人数で按分して計算した分に対する責任ではなく、それぞれが債務の全額に対する返済義務を負うことになってしまいます。

 

債務者が債務整理を行うと連帯保証人はどうなる?

債務者が個人民事再生手続きを行った場合、5分の1程度まで債務が減額されることが多くみられます。

しかし、連帯保証人の責任はそのまま継続するため、債務者から減額した借金を返してもらうよりも、連帯保証人から借金の全額を返してもらったほうがよいと債権者が考えれば、代わりに返済を請求されることになるでしょう。

債務者が自己破産などの手続きを行った場合も同様に、債務者は借金の返済義務を免れることができるかもしれません。しかし連帯保証人の返済義務も同時に免除となるのではなく、代わりに残った債務の全額を返済することになるのです。

 

担保提供者と連帯保証人が同じ場合

融資を受けようとする金融機関によっては、担保提供により不動産担保ローンを利用する場合には、担保提供者と連帯保証人は同じでなければならないとすることもあるようです。

担保提供者が連帯保証人になると、債務者が返済不能状態に陥った段階で担保として差し入れた不動産を失い、不動産を競売にかけた金額では完済できなければ、残った債務を支払う義務まで背負うことになります。

 

不動産の設定する抵当権について

もう1つ注意しておきたいのが、不動産担保ローンを利用する場合に、不動産に設定する抵当権についてです。

不動産を金融機関が担保として差し入れてもらったことを証明するため、抵当権という権利をその不動産に対して登記により設定することになります。

ただ、この抵当権は債権者の順番により順位が決まることになっています。1つの不動産で複数の金融機関から融資を受ける場合など、いくつもの抵当権が設定されることもあるということです。

 

抵当権の順位

1つの不動産に対し、複数の債権者が存在する場合には、抵当権を先に設定した債権者が第1位となり、次が第2位、第3位と順位がつくことになります。

高い順位の債権者に対する返済が優先されることになるので、仮に2,000万の価値がある不動産に対して第1抵当権が1,600万円、第2抵当権500万円で、それぞれ抵当権が設定されていたとしましょう。

実際に抵当権が実行され、不動産は競売にかけられて2,000万円に換金された場合、まずは第1抵当権者に1,600万円が渡されることになり、第2抵当権者は残りの400万円しか受け取ることができなくなり、100万円の損失が出てしまいます。

 

●後順位の抵当権は金融機関のリスクが高まる

抵当権の順位が低い状態で融資を行うことは、金融機関にとってはリスクを抱えることになるのです。

不動産の価値が高く、第1抵当権の金額が少額であれば、万一、債務者が返済不能となって不動産が換金された場合でも、第2順位の抵当権者に返済資金が渡される可能性は高くなるでしょう。

しかし多くの場合、第1抵当権を設定する時点で不動産価値に相当する金額まで融資を受けていることが多く、第2抵当権で申し込んでも審査で断られることが多いといえます。

 

●第2抵当権でも融資を受けることは可能

銀行などでは不動産担保で融資を行う条件に、第1抵当権の設定が可能であるとしている場合がほとんどです。ただ、第2抵当権でもノンバンクなどであれば、不動産担保ローンなどを利用できる可能性は高くなるでしょう。

実際、抵当権の順位が低ければ万一の際に債権の回収ができなくなるリスクは高くなってしまいます。

そこで、第2抵当権以下で抵当権を設定した上で貸し付けを行う金融機関や業者では、すでに設定されている抵当権の金額や実際に抵当権が実行されたときの損害額などを加味した上で融資可能とする金額を決めることになるでしょう。

また、第2抵当権を設定する金融機関や業者では、年収に対する借入金の返済額の割合である返済比率とのバランスも審査します。返済比率は一般的に25~30%であることが望ましく、高い場合でも35%までとされているため、この返済比率が高くなれば借り入れは難しくなるでしょう。

 

●ただし金利は高めの設定に

仮に第2抵当権を設定して不動産担保ローンを利用することができたとしても、後順位で抵当権を設定しなければならない金融機関や業者は、債権を回収できなくなるリスクを補うために金利を高めに設定することになります

そのため、せっかく不動産を担保にして融資を受け、金利は低く設定できると思っていたのに、想像していたよりも金利は低くなかったと感じてしまうこともあるかもしれません。

金利が高くなる分、返済額は増えてしまいますので、その点も理解した上で利用を検討するようにしてください。

 

融資に頼らない資金調達の方法も検討してみては

銀行から融資を受けたくても、不動産を担保に差し入れることや保証人を付けることを条件とされ、そもそも不動産は所有しておらず担保提供も受けられず、保証人になってくれる人もいないという場合にはどうすればよいか悩んでしまうものです。

このような場合、売掛金を保有していれば売却することで現金化することが可能なファクタリングという資金の調達方法もあります。

ファクタリングは借り入れを行うのではなく、あくまでも売掛金の売買による資金調達のため、担保も保証人も必要ありませんし、審査においても利用者の財務状況などは重視されない傾向が強いのでハードルが低めです。

もし赤字で悩んでいたり、すでに債務超過の状態で融資を受けることが難しい場合などでも利用できる方法ですので、ファクタリングも資金の調達方法の1つとして検討してみることをおすすめします。

 

まとめ

金融機関から融資を受ける場合には、その金額が大きいと担保や保証人を求められることになるでしょう。

ただ、担保や保証人をつけて借り入れを行うということは、万一返済ができなくなったときに担保として差し入れた資産は失うこととなり、保証人となってくれた方には迷惑をかけてしまうことを十分理解しておく必要があります。

また、担保提供という形で借り入れを行う場合でも、自身が所有しているわけではない不動産を担保として差し入れることになるので、返済ができなくなれば担保提供者に大きな迷惑をかけてしまうことになります。

なお、不動産担保ローンを利用するときには、複数の抵当権を設定することはできても、順位が後ろになってしまう債権者にとっては、回収不能となるリスクを高めることになるので、審査の段階で断られてしまう可能性も出てきます。

仮に利用できたとしても、金利は高めに設定されることになりますので、その点も理解した上での利用を決断することが必要です。

いずれにしても多額の借り入れを行う場合には、慎重に検討するべきですし返済が滞ることのない計画をしっかり立てた上で利用するべきといえるでしょう。

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