資金を調達することを考えるとき、融資を頼りに調達しようとすれば、即日借り入れができるのか、融資の限度額はいくらまで可能なのかなど、気になる点はいくつかあるでしょう。
しかし、限度額の設定が高い借り入れで、即日融資してもらうことはまず難しいと考えられます。そこで、融資限度額を高く希望する場合と、即日融資を希望する場合にわけて、それぞれいくらまでなら借り入れができるのか考えてみましょう。
目次
融資限度額はなるべく多い方がよい!という場合は銀行融資
融資限度額は高めの方がよいと考える場合、申し込みを行うのは公的融資を除けば銀行になるでしょう。
銀行は結局、いくらまで融資してくれるのか気になるところでしょうが、融資限度額とは、すべての銀行からの借入総額でいくらまでなのか、それとも1社に対していくらまでなら融資を行うのかという両面から考える必要があります。
すべての銀行からの借入総額はいくらまでなら大丈夫か
1社が銀行から借り入れを行う場合、すべての銀行から総額いくらまでの融資を受けることが可能となるのでしょう。貸借対照表上の負債の部に表示される借入金の金額は、いくらまでなら増やせるのかということです。
貸金業者から個人が借り入れを行う場合には、年収の3分の1を超える借り入れはできたいという総量規制による制限が設けられていますのでわかりやすいですが、銀行は貸金業者ではありません。
ましてや事業資金の借り入れのため、ノンバンクからの融資を受ける場合でも、総量規制の制限は受けないこととなります。
銀行はどのように借入金の規模を確認するのか
銀行は、月商と比較しながらその企業における借入金の規模を確認します。
借入金の金額の多さではなく、月商と比較したときの借入金の水準を確認するため、
- 月商の0~4か月までの借入金であれば低い水準
- 月商の4~8か月までの借入金であれば普通の水準
- 月商の8か月を超える借入金であれば多い水準
というように判断します。借入金が多いほど、銀行は企業を警戒する傾向が高くなるでしょう。
借入金が増えており、金額が多額であっても、売上が成長していることを理由とした運転資金や設備資金によるものであればよいですが、売上は変化していないのに借入金だけが増えているという場合は危険です。
粉飾決算と疑われるケースに注意
また、売上に変化はないけれど損益計算書では利益がでているのに、借入金だけが膨らんでいる場合は、粉飾決算ではないかと疑われる可能性があります。損益計算書が赤字であると銀行融資を受けられないため、利益操作で黒字に変えることはできたとしても、借入金を隠すことはできないことが理由です。
1つの銀行は1社に対し総額いくらまで融資を行うか
1つの銀行が1社に対して、どのくらいまで融資を実行するのかということは、1社に対するリスクをどこまで取ることができるかということになります。
しかし、銀行では「枠」という考え方は行っておらず、融資の申し込みのあった企業の財務状態から、一定金額以上の融資は行わないように制限します。
財務状況や差し入れる担保などの状況で異なるとはいうものの、1社のみに無制限に融資を行うとは考えられませんので、もし銀行からの借入金を増やしたいなら、取引銀行を増やしていくことが必要となるでしょう。
即日融資を希望するならノンバンクのビジネスローン
ビジネスローンは、銀行とノンバンク、どちらでも利用できますが、即日融資を希望するなら銀行ではなくノンバンクを選ぶ必要があります。
ビジネスローンの融資限度額は、公的融資や銀行融資と比較した場合、少額になります。そのため、融資限度額をなるべく多めにして借り入れを行いたいという場合ではなく、即日資金が必要という場合など、融資までのスピードを重視するときに有効な借入方法と理解しておきましょう。
ノンバンクのビジネスローンなら最短で即日融資
最短即日で融資を可能としているノンバンクのビジネスローンの場合でも、担保や保証人は必要としないまま借り入れが可能です。
ただし、融資が可能となる額は300~1,000万円、借入期間は5~10年であることが一般的です。実質年率も6.000%~18.000%であるなど、公的融資や銀行融資と比較するとかなり高めである点は否めません。
金利が高いため、長期の借り入れとして活用するべきではなく、一時的な運転資金として利用し、後日、返済に充てる資金が手元に入ったらすぐに返すことができるという場合などで利用するようにしましょう。
ビジネスローンを利用すると銀行融資を受けにくくなるのか
ビジネスローンを利用できるのは、メガバンク、地方銀行、ノンバンクなどですが、どこのビジネスローンから借り入れを行うかによって、その後、銀行融資が受けにくくなるかは異なります。
予想はつくかもしれませんが、メガバンクや地方銀行のビジネスローンであれば、やや銀行からの融資は受けにくくなるのに対し、ノンバンクのビジネスローンを利用するとかなり銀行融資は受けにくくなると考えられます。
もし資金を融資で調達しようとかんがえたとき、多くの経営者は金利をなるべく低く抑えたいと考えるでしょうし、利用することによって信用力が高まる融資で借り入れをしたいと思うはずです。
融資を受けることができる難易度なども考慮して考えると、
- 日本政策金融公庫
- 自治体の制度融資
- 銀行の保証協会の保証付融資
- メガバンクの融資
- 地方銀行の融資
- 信用金庫の融資
- ノンバンクの融資
という順番になるでしょう。
もし、決算書にノンバンクからの借り入れの記載があれば、「他の融資制度は利用できず、かなり資金繰りが悪化している状態ではないのか?」「金利10%を超える利息を支払う体力は残っていないのだろう」などと、銀行の融資担当者に判断されやすくなってしまい、結果、融資の審査は通らなくなる可能性が出てきてしまうのです。
ノンバンクのビジネスローン以外で即日現金を調達する方法
資金繰りが悪化しているのは確かな事実だけれど、将来的には銀行融資も利用したい、けれど即日資金を調達しなければならない状態に迫られているという場合、ノンバンクからのビジネスローンを利用しなければどうにもならなくなります。
しかし、将来的なことを考えれば、銀行からの融資が受けにくくなるのは避けたいという場合、何で資金を調達すればよいのでしょう。
借り入れではない資金調達の方法を選ぶ
即日資金を調達する方法は、ノンバンクのビジネスローンだけに限りません。
融資ではなく、売掛金さえ保有していれば資金調達に繋げることができるファクタリングを検討してみましょう。
ファクタリングとは、売掛債権を譲渡することで、売掛金の支払いが行われる期日よりも先に、現金を入手する方法です。取引方法によっては、即日、売掛債権を現金化することも可能なため、急いで資金を調達する必要がある場合でも対応できます。
売掛債権を売るのはファクタリング会社という専門の業者で、手数料を支払って売却することになるため、本来受け取ることができたはずの売掛金は減少してしまいます。また、資金として調達できるのは、あくまでも売掛金の金額までが上限となる点は理解が必要です。
ただし、融資ではないことから貸借対照表の負債の部の借入金を増やすことなく、資金を調達できます。負債を増やさず資金繰りを改善させることができれば、その後の銀行融資にも有利に働くことが予想されます。
まとめ
いずれは事業を拡大することを予定していて、銀行から大きな金額の融資を受けたいと考える場合もあるでしょう。
その場合、銀行からいくらまでなら融資が受けられるのか気になるところですが、1つの銀行から融資を受けることができる金額は一定額までですので、借入金を増やすなら複数の銀行との取引が必要です。
また、即日融資を希望するならノンバンクのビジネスローンがおすすめですが、その後の銀行融資に影響する場合があります。
即日で資金を調達する必要がある場合には、融資ではないファクタリングという方法もあるので、売掛債権を流動化する方法を有効に使ってキャッシュフローを改善させることも考えてみましょう。
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