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月商と融資の関係性|企業ごとの適切な借入金額とは?

融資2018/09/30

適切な借入金額については事前にしっかりと確認しておかなければなりません。

現状の借入金額に問題はあるのでしょうか?
借入希望額は適切なのでしょうか?

適切な借入金額をチェックする方法は幾つかあります。その一つなのが「月商」から金額を導き出す方法です。月商がはっきりと分かれば、企業毎の適切な借入金額を計算できるのです。

月商は融資に大きく関わってきます。融資を行う金融機関側も月商による借入金額の計算は実施しているのです。

まずは適切な借入金額を導き出す方法についてお伝えします。

月商から適切な融資額を判別する方法

借入金月商倍率というものを計算することになります。
以下の計算式にて計算します。

【(短期借入金+長期借入金+割引手形)÷平均月商】

導き出された数字によって、月商が適切であるのか、それとも適切ではないのか、という部分がはっきりと見えてくるわけです。

ただし一律の判断基準とはなっていません。業界によって基準となる数字が異なっているのです。

小売業や製造業に関しては、1.5以下であれば安全と判断されます。1.5超3.0以下であれば要注意と判断されます。3.0超以降になると企業として危険と判断されてしまうのです。

卸売業に関しては、0.8以下であれば安全とされます。0.8超1.5以下であれば要注意と判断されます。1.5超は危険とされてしまうのです。

あくまで目安なので多少の誤差に関してはあるでしょう。さらに設備投資が大きな業界になると、借入金額などが高く傾向にあるので多少数字が大きくなったとしても問題はありません。

では実際に計算をしてみましょう。

・短期借入金・・・2,000万円
・長期借入金・・・7,000万円
・割引手形・・・1,000万円
・平均月商・・・4,000万円

計算式は「(2,000万円+7,000万円+1,000万円)÷4,000万円」となります。
計算結果は「2.5」となりました。

小売業や製造業であると要注意と判断される数字です。卸売業になってしまうと危険視される数字なので、これ以上の借り入れは難しい、ということになってしまうわけです。ただし前述したように設備投資額によっては、この程度の倍率は仕方がない部分もあります。設備投資額が大きな業界であれば、それほど問題視されないので金融機関に判断してもらいましょう。

ではもう一つの例で計算してみます。

・短期借入金・・・1,000万円
・長期借入金・・・3,000万円
・割引手形・・・1,000万円
・平均月商・・・6,000万円

計算式は「(1,000万円+3,000万円+1,000万円)÷6,000万円」となります。
計算結果は約「0.83」となりました。

非常に低い倍率となっており、特に問題がない借入額、と判断できるわけです。新たな借り入れに関しても金額によっては十分に対応してもらえる可能性があります。企業の財務体質としては「健全」と評価をされるわけです。

・平均月商倍率から見えてくるもの

要は現状の売上高から返済ができる借り入れがおこなわれているのか、ということがわかるわけです。

数字が低ければ低いほど売上金から返済ができる、ということになります。返済に対してそれほど負担を感じないわけです。

しかし月商の5倍や6倍も借り入れしているとなると、返済は簡単ではありません。時間もかかってしまいます。返済の負担が重くなり、資金難に陥ってしまう可能性もあるわけです。

また平均月商倍率から適切な借入額を算出することも可能です。
前述した【(短期借入金+長期借入金+割引手形)÷平均月商】の計算式ですが、借入希望額を短期借入金の項目に希望している借入金額を足してください。そのうえで平均月商倍率を算出してみるのです。

では以下の例で計算してみましょう。

・短期借入金・・・1,000万円
・長期借入金・・・3,000万円
・借入希望額・・・1,000万円
・割引手形・・・1,000万円
・平均月商・・・4,000万円

計算式は「(1,000万円+3,000万円+1,000万円+1,000万円)÷4,000万円」となります。
計算結果は「1.5」となりました。

小売業や製造業であれば全く問題がありません。借り入れできる金額、と言えるのです。
一方で卸売業に関してはボーダーライン上となります。借り入れができないこともありませんが、可能性としてはあります。金融金側の判断次第、といったところでしょう。

このように自社に合わせて計算式を応用させていくことも出来るわけです。何度も計算してみて、適切な借入金額意であるかを確認してください。その上で金融機関に申し込みを行えば、審査に突破できる可能性は高まるはずです。

月初だけではない!資本構成からも適切な融資額を算出できる

月商だけではありません。資本構成からも適切な融資額を算出できるわけです(有利子負債依存度)。

総資産に対して借入金がどのくらいの比率であるかを確かめることにより、企業の経営の安定性を図れます。要は総資産に対して借入金額が少なければ、企業の経営が安定している、と判断できるわけです。

では計算式はどうなっているのでしょうか?

(有利子負債依存度)「有利子負債÷総資産×100%」

以上の計算式に当てはめるだけで、現状の借入金が適切であるかを判断できます。
計算した数字が30%以下であれば企業としては問題ありません。資産に比べて有利子の負債の額が少なくなっているので、十分に返済できる、と判断できるのです。
仮に借り入れ希望額を有利子負債の額に加えたとしても、30%以下であれば金融機関の審査に突破できる確率が高い、ということにもなります。

では実際に計算してみましょう。

・有利子負債の額・・・3,000万円
・総資産額・・・7,000万円

計算式は「3,000万円÷7,000万円×100%」となります。計算結果は約「43%」となりました。
総資産に比べて有利子負債の額が大きいことになるので、危険と判断される可能性があります。ただし危険と判断されるボーダーラインが50%なので、まだ余裕があるとも言えます。現状であれば、金融機関側からそれほど評価を下げられることもないでしょう。

では借入希望額をあわせて計算してみましょう。

・有利子負債の額・・・3,000万円
・総資産額・・・7,000万円
・借入希望額・・・2,000万円

計算式は「(3,000万円+2,000万円)÷7,000万円」となります。計算結果は約「71%」にもなってしまいました。かなり危険な状況とされる比率なので、審査に通る可能性は極めて低くなります。申し込みをするだけ無駄、ということまで考えられるわけです。

・倒産してしまった企業の融資負債依存度の平均とは?

2015年のデータによると、「65%」であったことが公表されています。
資産の65%の負債額があると企業は倒産に至る可能性が高い、ということになるわけです。

たとえ資産があったとしても有利子負債額が高額であれば対応はできません。よってなるべく有利子負債額は抑えなければならないのです。

月商に関係なく資金調達が出来る方法あり

・ファクタリングがおすすめ

月商に関係なく資金調達を行いたい、という方もいるのではありませんか?
確かに月商が低い企業であると大きな資金調達ができない、という可能性が高まってしまうわけです。

しかしなにも資金調達は融資だけではありません。融資以外の方法であれば月商についてもあまり関係ないわけです。

特におすすめなのがファクタリングです。売掛金を売却するタイプの資金調達となります。よってファクタリングをしたとしても負債が増えるわけではありません。返済が必要ないタイプの資金調達法となっているわけです。

そもそもファクタリングの審査対象のメインは自社ではありません。売掛先となるので、自社の経営状況が悪かったとしても利用できる可能性が高いわけです。

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