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増資による資金繰りの改善とは|そのメリットとデメリット

資金繰り2018/02/28

資金繰りを改善させる方法はいくつかあります。何も融資やローンだけが会社の資金繰りを改善させるわけではありません。

資金繰りを改善させる方法として、今回注目するのは「増資」です。増資による資金繰りの改善については、考えもしない経営者が多いのです。実際に増資することで資金繰りが改善し、の経営が軌道に乗るケースもあります。

しかし増資にはデメリットが有ることも確か。

こちらではそもそも増資とはどういったものなのか。さらに増資のメリットとデメリットについても徹底解説します。

 

増資とは何だ?

・資本金を増やすために株式を発行する

増資とは字のごとくですが、資本金を増加させることを指しています。資本金を増加させることができれば、会社として多くの資金がある状態になるのです。

資本金が高額であれば大きな会社、資本金が少額であれば小さな会社といった印象もあるのではありませんか。資本金は大きいと、それだけ資金力がある企業ということになるわけです。

ただし増資の方法は一つだけではありません。2つある、ということも理解しておかなければならないのです。

①無償増資
②有償増資

【①無償増資とは】

出資者はお金を出しません。
会社には様々な資産があるはずです。例えば資本準備金などが該当するわけですが、それらを資本に振り替えることで株式を発行します。

【②有償増資とは】

新たに株式を発行します。
出資者がその株式を購入する形で増資する方法のことを指しています。こちらの有償増資のほうが一般的です。

※ここからは一般的な増資方法である「有償増資」についてお伝えしていきます。

・融資と増資にはどのような相違点があるのか?

融資は返済をしなければなりません。他者がお金を貸してくれるので、返済の義務が発生してしまうのです。会社としては毎月の返済金が負担になるリスクを背負うことになります。

増資に関しては株式を発行することで(有償増資の場合)資金を得ています。しかし増資してくれた対価としてすでに株式を発行しているので、会社として返済する義務は発生しません。増資は融資とは異なり「返済する必要がない資金繰りの改善方法」なのです。

・増資はどのようにして実施されるのか?

①株主割当増資
②公募増資
③第三者割当増資

以上の3つの種類があります。いずれかの方法で出資者を募集することになるのです。

【①株主割当増資】

株主全員に新しく発行した株式を割り当てる方法になります。

議決権割合が変化しない、といったメリットがあります。経営権を握られにくいタイプの増資なのです。

【②公募増資】

一般の投資家から出資者を募るタイプの増資方法です。
大規模な増資を行いたい時に採用される方法であり、中小企業で採用されるケースはほとんどありません。株式の未公開会社では一般的に行われないタイプの増資方法なのです。

【③第三者割当増資】

会社の関係者から増資相手を募集する方法となっています。たとえば取引先であるとか役員であるとか従業員が対象者となります。
大手というよりは中小企業がよく採用している増資方法の一つです。小規模の資金調達に適している方法、といっても間違いではありません。

 

増資のデメリット4つ!

・持株比率が下がる原因になる

会社の経営権は極めて重要です。経営権を持っているからこそ、会社の方向性も自身で決められるわけですが、増資をすることによって持ち株の比率を下げる結果となってしまいかねません。特に大規模な増資を実施する場合には、持株比率が50%を切ってしまう恐れもあるのです。

持株比率が50%を切ってしまえば、株主総会の普通決議であれば単独で阻止されることもあります。自由な経営がしにくくなる、といったデメリットには備えておかなければなりません。

ちなみに特定の株主の持株比率が50%超になると、株主総会の普通決議であれば単独で成立させられます。その株主の意向に沿ったままの経営しかできなくなってしまうわけです。

・今後配当金を支払わなければならない可能性あり

増資をするためには株式を発行します。今後も株式を保有してもらうために一定の配当金を支払うケースもあるわけです。

配当金については経営者側が決定できるわけですが、株主としても一定の見返りは欲しいと感じています。その気持ちにある程度は応えていかなければなりません。

会社の経営に株式の配当金が影を落とすようなことも考えられるわけです。

※もちろん株式の配当金をなしにすることも可能です。

・一定のコストが発生する

金額としては数万円から20万円前後が掛かるとされています。
まずは税金が発生します。登録免許税が発生するのですが、資本金の1,000分の7(最低で30,000円)がかかります。その上で司法書士や行政書士、そして税理士への報酬の支払いも発生するわけです。

コストに関しては増資する額に大きな影響を受けることになります(登録免許税)。大きな額の増資を検討している場合には、前もってコストの発生額を計算しておきましょう。

・株価の決定が難しい

増資は新株を発行することになるのはここまで述べてきたとおりです。
そこで気になるのが株価の決定方法です。株価の決定方法ですが、上場会社であれば難しいわけではありません。株式の時価が基準となるので、ある程度スムーズに決定できるわけです。特に計算する必要はありません。

一方で未上場である場合には、そもそも適切な株式の価格というものがわかりません。だからといって勝手に決めてはいけないのです。裏付けのある株価にしなければなりません。

簡単な方法としては【純資産÷現在の株式数】といったものがあります。しかしこの方法では、株価がかなり低く算定されてしまう可能性があります。希望する額の増資をするためには、大量の株式を発行しなければならないことに。

もう一つの方法としては、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法があります。会社が将来獲得するだろう資金を現在価値で割って株価を導き出すのです。

ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法については、会社の一定の思惑が介入するのを避けられません。そこで第三者に株価の決定を依頼するケースが最近では増えているのです。その費用には数十万円掛かるので、費用的なデメリットもあります。

 

増資のメリット3つ!

・返済不要の資金調達である

資金調達の多くは返済が必要ですが、増資に関しては一切返済が必要ありません。返済が必要ないので、経営に大きな負担をかけない資金調達方法なのです。

融資を受けた場合には月々の返済も考えていかなければなりません。返済は会社の経営を圧迫する原因にもなります。増資で対応できるのであれば、月々の返済を考える必要はありません。

・信用を高めることにつながる

資本金の額ですが、低額だと「信用に問題あり」と金融機関から判断されてしまう可能性もあります。取引先企業からも警戒されてしますのです。

資本金額が高ければそれだけ規模の大きな会社という判断をされ、企業的な体力もあると思われるわけです。今後の取引をスムーズにするために増資をする、というケースも少なくありません。

・融資を受けやすい会社体質になる

銀行から融資を受けるのは資本金が少ない小さな企業ほど難しいです。自己資本が少ないということになり、体力がない企業だと判断されてしまうからです。

一方で増資によって自己資本が増えると、会社の財務体質が改善されることになります。より強い会社になったと判断されるわけです。金融機関からも高く評価されることになり、銀行融資などを受けやすくなります。

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