借入金を返せないときには返済猶予など銀行に相談可能?

2021/07/19
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新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上が激減し収入も十分でなく、借入金の返済が厳しい状態のときには返済猶予の相談を銀行にしてみましょう。

資金繰りやローン返済などで困っているときこそ、条件変更や返済猶予など取引先銀行に相談するべきです。

そこで、返済猶予の他、具体的にどのようなことを銀行に相談できるのかご説明します。

 

借入金の返済が厳しいときは返済猶予の相談が可能

金融庁は銀行など金融機関に対して、事業者の業況当面の資金繰りなどについて、事業者訪問や緊急相談窓口を設置するなどきめ細かく実態を把握しフォローアップすることとしています。

資金面や既往債務についても、事業者の状況を丁寧に把握しつつ、元本・金利を含めた返済猶予など条件変更迅速かつ柔軟に対応することとしているようです。

新規融資についても、金融機関ごとの緊急融資制度を積極的に実施し、政策金融機関・信用保証協会などのセーフティネット貸付やセーフティネット保証を活用するなど適切に対応することとしているので相談できます。

具体的に銀行に相談できる支援策として、

  • ・新規融資の依頼
  • ・既往債務の返済猶予
  • ・政府系金融機関の活用

などが挙げられます。

 

まずは支払いの優先順位を確認

銀行に借入金の返済猶予を相談する前に、現在会社の抱えている支払いの優先順位を確認しておきましょう。

会社の支払いとして挙げられるのは、

  • 従業員に対する給料
  • 取引先に対する買掛金
  • 家賃や水道光熱費の他諸経費
  • 税金・社会保険料
  • 借入金の返済

などです。

コロナ禍で売上が十分でなく、手元の資金が不足しがちで資金繰りに行き詰まっているのなら、どの支払いを優先させるべきか理解しておくべきといえます。

資金繰りに行き詰まったときに銀行に返済猶予など相談し、返済を待ってもらうことができた後は次の順で支払いを行いましょう。

  1. 給料
  2. 買掛金
  3. 諸経費
  4. 税金・社会保険料
  5. 借入金返済

 

銀行に返済猶予してもらうことは可能か

資金繰りに行き詰まり毎月の借入金返済が厳しくなったときには、銀行にリスケジュールを依頼し毎月の元金返済の減額元利金返済を猶予してもらうことも検討が必要です。

本来、銀行からお金を借りるときには銀行取引約定書・金銭消費貸借契約書など提出しており、毎月決められた返済金額を契約書通りに返していく必要があります。

しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてしまい、業績悪化や販売先の倒産など、お金を借りた当初は想定していない事態が起きて返済が困難になってしまった企業も少なくありません。

約定通りの返済は不可能だと判断されるときには、お金を借りた銀行に対しリスケジュールを交渉することで、毎月の返済金額の減額や返済猶予などに応じてもらえることもあります。

リスケジュールにより、資金繰りが楽になれば経営改善に集中できるようになります。

ただしリスケジュール中は、新たに銀行などから融資を受けて資金調達することはできなくなることは留意しておいてください。

 

銀行に返済猶予の相談はいつ行うべきか

銀行に対し毎月の返済金額の見直しや返済猶予を相談しても、リスケジュールにより経営改善が可能だと銀行に認めてもらえなければ応じてもらえません。

そのため手元の資金が枯渇してしまうよりも前にリスケジュールを交渉するようにしましょう。

まず、3か月以内に資金が不足することが予測されるときがリスケジュールの相談のタイミングといえます。

さらに銀行から折り返し融資を断られてしまい、資金繰りが行き詰ると判断できるときにはリスケジュールを交渉したほうが良いと考えられます。

 

リスケジュールを成功させるために必要な準備とは

銀行がリスケジュールに応じてくれれば毎月の返済金額は抑えることが可能となるでしょうし、返済猶予してもらえれば手元の資金を残すことが可能となります。

しかし新たな借入れはできなくなるため、資金調達の方法を銀行からの融資に頼っていた場合は特に、運転資金が不足しないように準備を行っておきましょう。

事前に資金をある程度確保しておけば会社再建に向けた対策も打ちやすくなるはずです。

リスケジュールの交渉が始まるとその月から返済は一旦止まるため、交渉が成立するまでの間に資金を確保しておくべきといえます。

なお、お金を借りて資金を調達できなくても、保有する売掛金を現金化させるファクタリングならリスケジュール中でも利用可能です。

ファクタリングはお金を借りる方法ではないため、リスケジュール中だけでなく税金を滞納しているときや赤字決算という場合でも利用できます。

これまで手元の資金を確保する方法を銀行融資だけに頼っていた企業は特に、その他の資金調達方法がないことも少なくありませんので、ファクタリングの活用も検討するとよいでしょう。

 

借入条件ごとにリスケジュール交渉は異なる

銀行に対するリスケジュール交渉は、借入条件によってその流れや交渉のポイントなど違ってきます。

たとえば信用保証協会の保証付融資の場合、信用保証協会が貸出金の100%または80%保証しています。

これに対しプロパー融資は資金を貸した銀行が100%リスクを負うため、保証付融資かプロパー融資かによってリスケジュールの流れやポイントは大きく違ってくるには当然といえます。

信用保証協会の保証付融資のリスケジュールを交渉した場合、相談された銀行は提出された依頼書や計画書など資料を確認し、信用保証協会にリスケジュール可否の判断をゆだねることになります。

信用保証協会がリスケジュールを承認すれば交渉成立となるため、比較的交渉はスムーズに進むと考えられるでしょう。

対するプロパー融資の場合には、利率引上げや保証人・担保を追加でを要求してくることも考えられます。

 

リスケジュールで必要となる書類

銀行に対し、返済猶予などリスケジュールを交渉するときには次の書類が必要ですので、事前に準備しておくようにしましょう。

 

取引内容を整理しまとめた一覧表

銀行にリスケジュールを交渉するときには、金融機関との取引内容も整理しておくことが必要です。

複数の金融機関と取引があるときには、どの銀行からいくら資金を借りているのか、毎月の返済額など融資取引の状況を把握した上で交渉するべきといえます。

そこで、取引のある金融機関ごとの取引内容一覧にまとめましょう。

毎月の元金返済や支払利息の金額、借入条件や保証人・担保の有無など整理し記載した金融機関別取引明細書を準備してください。

 

将来予測を含めた資金繰り表

毎月の返済金額を減額してもらう、または返済猶予してもらうなど、いずれにしてもどのくらいまで減額いつまで返済を待てば無理のない資金繰りとなるのか把握しておく必要があります。

自社の予測資金繰り表を作成し、資金がスムーズに流れるようになるためにどうすればよいのか検討しましょう。

予測される売上入金と、支払う必要のある仕入代金や諸経費など、将来的な予測を含めた資金繰り表が必要です。

 

経営回復のタイミングを示す5か年損益予定表

予測資金繰り表でリスケジュールが必要であることと、資金繰り改善のために有効であることを銀行に伝えることができれば交渉に応じてもらえるはずです。

ただ、リスケジュールの必要性は認めもらえたとしても、いつ経営が回復するのか伝えることができなければ納得してもらえません。

そこで、今後5年間で推移する損益をあらわす5か年損益予定表を作成し提出しましょう。

どのタイミングで赤字から黒字へと転換し、返済原資を生むことができるのか示す上で必要です。

 

必要となる経営改善計画書の作成ポイント

銀行にリスケジュールを申請すると、経営改善計画書を提示するように求められます。

経営改善計画書作成マニュアルなど準備している銀行の場合には、このマニュアルに沿って作成するように要求されることもあります。

経営改善計画を策定する理由は、

  • ・変化する経営環境に対応しながら利益増加や生産性向上を図るため
  • ・資金繰りが悪化しているため早急に経営改善が必要であるため

などです。

利益増加や生産性向上に向けた経営改善計画経営計画といい、5年後や10 年後を見据え策定します。

資金繰り改善や経営改善を目的とした経営改善計画は、決算で債務超過となり借入金返済が困難となった場合や、新規での融資が難しいと判断されるときに策定されます。

どちらも経営環境の変化に対応する部分は共通していますが、利益増加や生産性向上を目的とした経営改善計画は前向きな内容で長期計画となりますが、資金繰り・経営改善を目指す経営改善計画はあくまでも緊急事態への対応で短期計画となります。

経営改善計画書を策定するときには、

  • ・計画の必要性と自社の現状を認識
  • ・事業内容・財務・収益の3つ分野から重要部分をまとめる
  • ・経営環境の変化を予測
  • ・具体的な行動計画の策定
  • ・キャッシュフローの確認
  • ・経営管理を徹底

などをポイントとして押さえておくようにしてください。

 

経営改善計画書は作成だけでなく実行が重要

自社の現状を分析し、何を改善させなければならないか課題を洗い出すことができれば、その内容を経営改善計画書に盛り込んでいきます。

経営改善計画書に決まった書式があるわけではないため、実現可能な計画であることだけでなく経営者の思いも伝えることができる内容とするべきです。

記載する具体的な項目として、

  • ・経営改善に向けた決意
  • ・目標を達成するための行動計画
  • ・経営の問題点
  • ・財務改善計画
  • ・経営目標
  • ・借入返済計画

などです。

実際、銀行にリスケジュールを交渉することだけを目的に経営改善計画を策定する経営者も少なくないでしょう。

しかしせっかく策定した経営改善計画が単に返済条件を変更してもらうためのものでは意味がないため、立てた計画を実行していくことが必要です。

銀行もリスケジュールに応じるのは、正常な融資先に戻ってくれることを期待しているからです。

経営改善にしっかりと取り組み、収益性を実現できるように資金繰り・経営を改善させていきましょう。

 

リスケジュール交渉後が大切

銀行とのリスケジュールの交渉は数か月かけて行われることとなりますが、時間をかけてやっと銀行から承諾してもらえた途端、すべての仕事が終わった感覚になってしまう経営者もいます。

安心しきってしまい、せっかく立てた経営改善計画も実行されず、赤字も改善できずに資金繰りも良くならないといったこともめずらしくありません。

リスケジュール期間は元金の返済を減額し、資金繰りに余裕を与えてもらって経営を改善させる猶予期間です。

経営改善計画内容を実行し赤字から黒字へと転化させる経営を行うためにも、

  • ・策定した計画内容を役員・職員に周知徹底する
  • ・進捗管理を徹底する
  • ・実行するべき内容と責任の所在を明確化しておく
  • ・目標と実績がかい離したときの修正を機動的に行う

といったことをポイントとして押さえておくようにしましょう。

 

リスケジュールの相談はメインの取引銀行から

メインバンクやサブバンクなど、複数の銀行からお金を借りているときには、まずはメインの取引銀行にリスケジュールを相談してください。

融資残高の多い順に相談することとなりますが、サブバンクは基本的にメインバンクの動向を気にするため、メインバンクがリスケジュールに応じてくれなければサブバンクも難色を示すことになるでしょう。

そのためまずはメインバンクを説得し、早期に動いてもらうように交渉した後で、サブバンクにも状況を報告しながら全体の交渉を進めていくほうがよいといえます。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上激減などで収入が途絶えてしまい、銀行からの借入金返済が困難になっている企業もあることでしょう。

しかし返済が厳しい状態のときには、取引銀行などに返済猶予など相談できますので、リスケジュールを依頼するようにしてください。

リスケジュールに応じてもらえれば、毎月の返済金額を抑えることや、返済猶予などが可能となり資金繰りが楽になります。

ただしリスケジュール期間中は新規で融資を受けることはできなくなりますので、手元の資金を枯渇させないためにも、リスケ中でも利用可能なファクタリングなどを活用しながら資金調達すると安心です。

返済ができない状態で資金調達を銀行だけに頼っていては、いずれ手元の資金が枯渇し会社が倒産してしまう可能性もあるため、早めに銀行やファクタリング会社に相談することをオススメします。

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