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売上高のデータ分析や収益性分析の重要性とそれぞれの指標を解説

資金繰り2021/07/16

会社経営においては、売上高などから収益性を分析することは欠かせません。

売上高などのデータから現状を把握し、会社が今どのくらい稼ぐ力を保有しているか収益性を分析することで、改善しなければならない点を把握できます。

そこで、具体的に売上高などからどのように分析していけばよいのか、その方法についてご説明します。

 

売上高などのデータ分析でわかること

売上高などのデータを分析することによって、まずは自社の現状を把握できます。

どのような商品が現在売れているのか、反対に人気がなくなっている商品など、売れ行きや売れ筋などの変化を把握し商品開発や構成の見直しに役立てることができるでしょう。

さらに、顧客の購買履歴やパターンなど分析するアソシエーション分析を行うと、顧客単価を向上させるヒントを見つけることにもつながります。

売上データだけ確認できない部分があっても他のデータを組み合わせ多角的に分析すれば、ターゲット層をより明確にすることや売れた理由と売れなかった理由を判明させることができ、利益率向上につなげることができます。

 

稼ぐ力を知りたいなら収益性分析

経営分析の指標の1つとなるのが収益性分析であり、自社の収益や利益をあげる力について確認できます。

収益性が高ければ稼ぐ力が強いことを意味するため、財務面での信頼も高まり資金調達しやすくなります。

収益性は収益と費用について、段階的に表示している損益計算書でもおおよそ確認できます。

売上高からさまざまな費用を差し引いていくことで、5つの利益を段階ごとにあらわしています。

表示される利益がどのように発生し、何にいくら費用がかかったのか知ることが可能です。

注目したいのは本業で利益を生むことができているか確認できる営業利益と、最終的な利益であり株主の資本となる当期純利益といえます。

さらに次のような指標を使い、より詳細に収益性を分析することができます。

 

5つの経営分析指標で収益性分析

収益性分析に用いる指標は5つ、

 

  • 売上高総利益率
  • 売上高営業利益率
  • 売上高経常利益率
  • 売上高当期純利益率
  • 総資産利益率(ROA)

 

です。

それぞれ詳しくご説明します。

 

売上高総利益率

売上高総利益率は、本業で稼ぐ力である売上高営業利益率の源泉を確認するために用いられる指標であり、粗利率ともいわれます。

会社経営は利益を生みだすことを目的とするため、利益管理における要となる指標といえるでしょう。

売上高総利益率=売上総利益/売上高×100

という計算式で算出できます。

売上に占める売上総利益構成比が大きければ売上総利益率も上がり、商品の付加価値や販売管理費を賄う収益源も大きくなると考えられます。

結果、売上高総利益率が大きくなければ、営業利益も大きくなりません。

売上総利益率は業種により標準水準は異なりますが、

  • 卸売業 18%
  • 小売業 32%
  • 建設業 21%
  • 製造業 24%

がおおよその目安といえます。

 

売上高営業利益率

売上高営業利益は営業活動により稼いだ利益をあらわしますので、売上高営業利益率を確認すれば営業活動での稼ぐ力を把握できます。

売上高から売上原価と販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益の、売上高に対する割合が売上高営業利益率です。

売上高営業利益率は、

売上高営業利益率=営業利益/売上高×100

で計算できます。

売上高に占める主たる業務から得ることができる収益と収益に対応する営業費用をもとに計算するため、本業でどのぐらい効率的に儲けたか知ることが可能です。

そのため高ければ高いほど本業の業績が良いことを意味し、利益が思うように伸びず悩んでいるときには、利益拡大のために何をするべきかというヒントを探ることができます。

 

売上高経常利益率

会社の総合的に稼ぐ力をあらわす指標が売上高経常利益率です。

売上高に対する経常利益の割合であり、企業の収益性を計る尺度とも言い換えることができます。

売上高経常利益率は、

売上高経常利益率=経常利益/売上高×100

で計算できます。

比率が高ければ、資産の売却損益などを除く通常の経営活動での収益力が高いことを意味します。

ただし原価や人件費の水準は業種ごとに異なるため、売上高経常利益率も業種により違いが出てきます。

たとえば小売業では価格競争激化で薄利多売になると比率も上がりにくくなりますが、専門・技術サービスなどで同業他社との差別化に成功すれば高く保つことができるでしょう。

 

売上高当期純利益率

会社のすべての活動の結果として得ることのできる利益が当期純利益ですが、その当期純利益を売上高で割った割合が売上高当期純利益率です。

最終的な売上高と利益の比率が、純資産増加にどの程度結びついているかを意味する指標ともいえます。

売上高当期純利益率は、

売上高当期純利益率=当期純利益/売上高×100

で計算できます。

売上高に占める、仕入債務や借入金返済などの支払い後に残った利益の割合ですが、土地売却などで売却益が出たときなども増加します。

 

総資産利益率(ROA)

会社の総資産を使いどのくらい利益を上げたかをあらわす指標が総資産利益率(ROA)です。

資本に対する効率性と収益性を確認するときにも用いられます。

比率が高ければ資本に対し利益を効率良く上げることができているといえますので、会社の評価を高めたいなら総資産利益率(ROA)を向上させることが望ましいといえます。

総資産利益率(ROA)は、

総資産利益率(ROA)=当期純利益/総資産×100

で計算できます。

 

総資産利益率(ROA)を向上させるには

一般的に5%を超えていれば優良企業だといわれますが、比率を上げるには売上高における利益率を上げて収益性を高めることが必要です。

また、総資産を減少させ効率性を高めることでも総資産利益率(ROA)は向上します。

たとえば長年に渡り使用していない土地や建物など固定資産を売却することや、取引先の売掛金(売掛債権)を譲渡し現金化するなどで総資産を減少させれば、総資産利益率(ROA)を上げることが可能です。

 

株主資本利益率(ROE)との違い

総資産利益率(ROA)は自己資本利益率(ROE)と比較されることが多々ありますが、

自己資本利益率(ROE)は、株主が拠出した資本がどのくらい効率よく使われているかあらわす指標なので、株主資本利益率ともいわれています。

自己資本利益率(ROE)は、

自己資本利益率(ROE)=当期純利益/株主資本(純資産-新株予約権-少数株主持分)×100

で計算でき、株主から見た収益性の指標です。

株に投資したときに利益をどのくらい効率よく獲得できるかを示すため、投資家が重要視する指標といえるでしょう。

ROEは10%を上回ると優良企業とされますが、15%以上になればかなり優良といえるものの、日本企業の平均は5%程度です。

 

他にも参考にしたい指標

他にも売上高から見ることのできる指標は次のようにいくつかありますのでご紹介しておきます。

 

売上高販管費率

売上高に対する固定費・変動費など販管費の割合を示す指標が売上高販管費率です。

売上高販管費率=販管費/売上高×100

で計算でき、比率が低ければ効率的な経営ができているといえます。

 

純資産回転率

事業に投資した純資産がどのくらい有効活用できているか示す指標が純資産回転率(総資本回転率)です。

総資産回転率=売上高/総資産

で計算でき、比率が高いほど総資産が売上に貢献できているといえます。

 

まとめ

売上高を分析することの他、財務や収益性分析なども会社経営にとって欠かすことのできない作業です。

その際、参考となる指標はいくつかあるため、健全な経営ができているか定期的に確認するようにしましょう。

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