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資金繰りが苦しい状態から抜け出すためにできる対策とは?

資金繰り2021/07/05

「資金繰り悪化でいつもお金が足らず苦しい」
「売上は順調に伸びているはずなのに資金繰りがうまくいかず苦しいが足りない」

など、中小企業の経営者などが抱えがちな悩みです。

企業経営では、販路を拡大させることや競合他社との競争に打ち勝つための新商品の開発、人材確保など様々な問題が付きまとうものといえます。

しかし苦しい資金繰りの問題が解決できていなれば、本業に集中することも難しくなってしまいます。

そこで、企業経営においてなぜ資金繰りが重要なのか、苦しいと感じるときにはどうすればよいか解説していきます。

 

資金繰りが苦しい状態が続くといずれ倒産する可能性大

会社経営において、資金繰りを間違い苦しい状態から脱出できなければ、いずれは倒産するリスクを高めます。

資金繰りとは、資金の増減を管理しつつ常に手元のお金がなくならないように調整することです。事業資金のやりくりを続け、お金が順調に流出入を繰り返していけるようにしていかなければなりません。

資金繰りがある程度順調であれば、たとえ利益がマイナスで赤字だとしても会社は倒産しません。

しかし資金繰りが苦しい状態が続くと、いずれ資金はショートし仮に黒字だとしても倒産してしまうことになるでしょう。

 

資金繰りが苦しい状態からの資金ショート

資金繰り管理がうまくできていないと、手元のお金は不足してしまう状態となります。

たびたび入金より出金が多くなるタイミングを迎えることとなり、結果的に手元のお金が足らない資金ショートという状態になってしまいます。

それにより、

 

  • ・仕入れた材料や商品の代金を取引先に支払うことができなくなる
  • ・借入金の返済ができなくなる
  • ・税金を滞納するようになる
  • ・従業員の給与が払えなくなる

 

といった様々な支払いに行き詰りいずれ倒産してしまいます。

 

なぜ資金繰りが苦しい状態に追い込まれるのか

そもそもなぜ、いつも手元の資金が不足するといった資金繰りが苦しい状態になってしまうのでしょう。

その原因として、主に次のようなことが関係していると考えられます。

 

取引先と条件が悪く資金が慢性的に不足する状態

商品を売ってその代金を回収するまでの期間が長く設定されている場合や、反対に仕入れた材料の代金を支払うまでの期間が短いときには、資金繰りが苦しい状態になりやすくなります。

売掛金の回収期間と買掛金の支払いまでの期間ギャップが開きすぎると、その期間中に足らない資金を何らかの方法で補うことが必要です。

 

人件費の負担が大きすぎる状態

会社経営において、発生する経費のうち大きな割合を占めるのが人件費です。

もちろん優秀な人材を獲得し、働き続けてもらうためにも人件費の負担は仕方がありません。

ただ、業界平均を大きく上回る人件費を負担していれば、結果的に手元の資金不足をまねき資金繰りを苦しい状態へと追い込むこととなります。

特に中小企業は資金面での体力が十分でないことが多いため、あまりに人件費をかけすぎると本末転倒となりかねないことは留意しておくべきです。

 

在庫を多く抱えすぎている

販売機会を逃さないため、ある程度在庫を保有しておくことは必要です。

しかし原材料や半製品などの在庫を過大に抱えすぎていると、商品として陳腐化販売価値を低下させることにつながります。

結果として売れ残りを作ることになりかねませんし、管理費などのコストだけが発生してしまいます。

 

過大な投資や不要な資金投入

設備投資に費用をかけすぎているときや、事業とは関係のない株式や不動産への投資も資金繰りを苦しい状態を招きます。

無駄な設備に資金を費やすことや、付き合いなどで株式や不動産を購入するといったことは行わず、処分や売却といったことも検討していくことが必要です。

設備や不動産などは所有していれば無駄な管理費や税金などの負担を増やすことになりますし、株式なども暴落により大損する可能性があります。

 

資金繰りが苦しいときに行う対策

実際に資金繰りが苦しいと感じるとき、どのような対策で改善させていけばよいのか、企業内でできることと対外的にできることに分けて考えていきましょう。

 

企業内でできる資金対策

資金繰りが苦しい状態から脱出するため、企業内でできる資金対策には次のようなことが挙げられます。

 

取引条件を見直す

売掛金の回収までの期間が長く、反対に買掛金の支払いまでの期間が短いと、資金繰りは苦しい状態になりやすいといえます。

それぞれ取引先に交渉し、売掛金はできるだけ早く入金してもらうと同時に、買掛金の支払いを延ばしてもらうなど取引条件を見直すことが必要です。

しかし取引条件の変更は取引先も巻き込むことになるため、交渉したことにより資金繰り悪化を見抜かれてしまい、その後の取引に影響を及ぼす可能性がないとは言い切れません。

その場合、保有する売掛金を入金予定の期日よりも早く現金化できるファクタリングなどを活用し、手元の資金を増やすといった方法を活用することをおすすめします。

 

資金繰り表による管理徹底

資金繰り表とは、実際のお金の入出金をまとめたものであり、過去・現在だけにとどまらず予測も含めて記載していきます。

それにより、いつ・どのタイミングでお金が足らなくなるのか確認することが可能となり、資金繰りを改善させていくことにつながります。

資金繰りが苦しい状態が続いているのに、いつもどんぶり勘定で支払いを済ませていては何も解決できません。

必ず資金繰り表を作成し、現状だけでなく将来的な資金の流出入も確認しながら、管理を徹底して行うようにしましょう。

 

対外的な資金対策

企業内だけでできる対策ではなく、対外的に行う対策として次のようなことが挙げられます。

 

金融機関にリスケジュールを相談する

資金繰りが苦しい状況が続く場合において、手元のお金が足らなければまず何らかの方法で資金を調達することを考えなければなりません。

そのとき、中小企業の経営者なら真っ先に普段から取引のある銀行を頼ることを考えることでしょう。

しかしその前に、すでに借りているお金の返済が厳しいのなら、返済期間を数年間延ばしてもらうことや一定期間は金利のみ支払って元金は据え置いてもらうなどリスケジュールを相談するべきといえます。

実際、銀行などにリスケジュールの相談をしても、簡単に応じてもらえるとも限りません。

しかし金融機関側も、資金繰りが苦しい状態なのにリスケジュールにも応じなかったことで、仮に倒産されてしまえば貸したお金は回収できなくなると考えるはずです。

最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響で資金繰りが苦しい中小企業も増えていることから、金融庁も顧客からのリスケジュールの申し出には応じるようそれぞれの金融機関に呼び掛けています。

そのためあきらめずに相談してみるとよいですが、その際には今後の経営改善に向けた計画書作成・提出することが必要となります。

 

不足する資金を調達する

借入金の返済はリスケジュールにより見直すことができても、やはり不足する資金は何らかの方法で調達するしかありません。

この際にも多くの中小企業の経営者が、銀行から融資を受けて調達する方法をイメージするでしょう。

しかし資金繰りが苦しいとき、すぐに資金を調達する方法として実践できるのは、

 

  • ・手形割引(受取手形の現金化)
  • ・ファクタリング(売掛金の現金化)
  • ・事業者カードローン(銀行など金融機関の当座貸越)
  • ・ビジネスローン(消費者金融など貸金業者からの借入れ)

 

などです。

 

役員報酬の支払いを繰り延べる

直近で資金調達が必要であるのに、調達できなかったときに実践できる対策として考えられるのは、経営者自らの役員報酬は支払わず運転資金に充てることです。

しかし期中において自由に役員報酬を変更できず、会社法の規則に則り変えることが必要となることは注意しておきましょう。

役員報酬の支払いを行ったときにし、社会保険料だけは負担した後で、役員借入金として会社にお金を残すという方法も考えられます。

 

役員やその親族からの借入金

役員や親族から、会社がお金を借りるという方法も検討できます。

ただし金銭貸借などの書類を残しておく必要があり、もし書類が準備できていなければ贈与と見なされ、贈与税の課税対象となることもあれば会社の営業外利益と見なされて税負担が大きくなる可能性がありますので注意してください。

 

すぐに手元のお金を増やせる資金調達の方法とは

上記の資金調達方法の中で、先に銀行にリスケジュールで借入金の返済を見直している場合、活用できる方法はファクタリングだけといえるでしょう。

商取引上、決済の手段に手形を受け取っているのなら、その手形を現金化する手形割引も使えると考えられます。

ただファクタリングは売掛金の売買であるのに対し、手形割引の場合、表向きは手形の売却による資金化ですが融資として扱われます。

そのため先にリスケジュールをしていれば、銀行や手形割引専門業者の審査に通らなくなる可能性があるため、結果的に資金調達の方法として可能となるのはファクタリングだけとなるでしょう。

なお、リスケジュールしない状態で資金を調達するのであれば、ファクタリング以外の方法も検討できます。

 

ファクタリング以外の資金調達

個人向けカードローンと同じく、事業者カードローンは利用限度額内であれば繰り返し借入れが可能となることが特徴です。

緊急的に必要となった資金の準備に利用できますが、頻繁に利用しているとあっという間に枠を使い切ってしまい、金利ばかりを負担することになってしまいます。

ビジネスローンや法人向けカードローンも同様に、緊急性が高い資金準備には向いているものの、やはり金利負担が大きく結果として資金繰りを悪化させてしまう可能性が大きいといえます。

ただ、審査にかかる時間も銀行融資と比べれば圧倒的に早く、早ければ申込み当日に即日融資も可能となるのは大きなメリットです。

あくまでも一時的な利用に留めておくのであれば、うまく活用できる方法といえます。

 

ファクタリングによる資金調達

ファクタリングは先にも述べたとおり、保有する売掛金をファクタリング会社に売却することで、資金を確保できるサービスのことです。

お金を借りる方法ではないため、借金を増やしたくない経営者や、銀行にリスケジュールを依頼している場合でも利用できることがメリットといえます。

また、こちら資金を調達するまでのスピードがはやく、即日現金化を可能とするファクタリング会社も増えています。

利息はかかりませんが手数料が発生するため、仮に資金繰り改善の方法として活用するのなら、いつまで利用を継続させるのか計画を立てた上で利用することが望ましいでしょう。

 

その他考えられる対策

資金繰りが苦しいときには、すぐにでも手元のお金を増やしたいと考えるものですが、利息や手数料の負担はできるだけ抑えたいと考えてしまいます。

この場合、

 

  • ・民間銀行からの融資
  • ・日本政策金融公庫からの融資
  • ・国や自治体からの補助金および助成金

 

などの方法を検討することになります。

民間銀行や政府系金融機関である日本政策金融公庫からの融資であれば、金利が低く設定されるため安心して利用できるでしょう。

また、国や自治体からの補助金や助成金なら、返済不要の資金を調達できます。

ただしこれらの資金調達方法は、いずれも事業計画書を策定し、複数の書類を準備して審査を受けることとなります。

申し込みをすればすぐに資金を調達できるわけではなく、数週間や月単位で時間がかかる方法なので、ビジネスローンやファクタリングのように即日手元の資金を増やすことができるわけではありません。

また、銀行からの融資は審査が厳しく、特に中小企業の場合にはスムーズな融資につながらないこともめずらしくないと留意しておくべきです。

 

まとめ

資金繰りが苦しいときに、様々な対策を実践していくことが必要ですが、なぜ苦しくなっているのか原因を追究した上での改善が必要です。

中小企業などの場合、資金体力が十分でないため、苦しい資金繰りに悩まされることはめずらしいことではありません。

しかし資金繰りが苦しい状態から抜け出すことができなければ、いずれ倒産という最悪の事態を招きます。

どの方法で解決していけばよいのかしっかりと見極め、できることから早急に対応していくことが必要といえるでしょう。

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