買掛金はどのように管理すればよいか?適切な方法とは

2021/06/16
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経理業務の中で、買掛金を適切に管理することは大切なことです。

企業が企業に対し商品やサービスを販売・提供するビジネス形態をBtoBといいますが、BtoBでは大量に掛け取引が発生し、買掛金と売掛金の管理が煩雑になりやすいといえます。

企業経営では、経理や財務においていろいろな業務が必要となりますが、適切に買掛金や売掛金を管理するためにどうすればよいのでしょう。

そこで今回は買掛金に焦点をあて、どのような方法で管理を行えばよいか解説します。

 

買掛金が発生する背景

掛取引とは、企業間の商取引において発生する支払いを、取引時点ではなく一定期間後で行うことです。

たとえば月末締め・翌月末払いなどのように、一定期間の取引分をまとめて請求します。

取引の都度、現金の受け渡しがなくなるため、事務コストの手間を削減でき管理の簡易化も図ることができます。

特に日々の取引量が多い場合、掛取引でなければ事務作業が煩雑化し、手間が増えるだけでなくミスも起きやすい状況を作ってしまうでしょう。

会計処理では、商品を仕入れたもののまだ支払いを済ませていない未払い分「買掛金」、反対に商品を販売したもののその代金を受け取っていない未収分「売掛金」という勘定科目を使います。

 

買掛金はどのように管理すればよいか

未回収の代金である売掛金の管理も重要ですが、仕入れ代金などの買掛金の支払いができなくなる状況はつくってはなりません。

そのため適切に買掛金を管理することが必要ですが、単に未払いの代金をいつ支払うべきか把握しておくだけでなく、仕入から支払いまで一連の流れを把握しておくことが必要です。

具体的には次のような流れで、買掛金を管理していきましょう。

 

1.一年間予算の策定

買掛金の管理をする前に、まずはどのくらい材料などの仕入れが必要となるか、その予定と販売予算をすり合わせ最終的な製品を計算しましょう。

そして、現在の在庫や余剰により、どのくらいの在庫を保有するか決めます。

 

2.発注承認・注文

購買の予算を決めたら、その内容に沿って年間の購買を行います。

品質はもちろんのこと、与信管理も行い安定して供給可能か、価格は見合っているかなど総合的に勘案し発注先を決定しましょう。

たとえば価格が安くても、取引の実績がない新規の取引先の場合、倒産リスクには十分注意しておく必要があります。

発注先を決めたら注文しますが、汎用品とそれ以外の在庫に分けておき、汎用品の在庫がどのくらいになれば発注するか決めておきましょう。

それ以外の在庫は、必要に応じて製造部門が購買部門に依頼をし、発注することになります。

 

3.注文品の受け入れ・検収

発注品が納期に届いたときには、受領書にサインして運送会社に渡し、手元に納品書を残します。

そして納品書に基づき検品を行い、確認後に納品をシステムなどに入力していきます。

規模の大きな会社なら、この時点で仕入と買掛金が計上されることになりますが、品番・品名・数量・単価・仕入先を正確に入力しておくこととよいでしょう。

 

買掛金管理表の作成を

システムを使わない場合でも、厳重に管理するなら買掛金管理表を作成しておくべきです。作成しておけば、支払い忘れなどミスを防ぐことができますが、毎月集計したものを四半期や年間でまとめていきましょう。

買掛金管理表など補助簿を作成しておくことで、事務作業も効率化でき確実性を向上させることにつながります。結果的に会社の信用度を高めることになると踏まえ、面倒でも実践していきましょう。

 

届いた製品にミスがあったときの処理も忘れずに

なお届いた製品にミスや破損があったときには、返品することになるため返品伝票を起票後、仕入と買掛金のマイナス仕訳を入力します。

 

4.請求書到着・代金支払い

企業間で決めた一定期間分の取引については、まとめて請求されます。

多くは1か月分の請求書が月初などに届くこととなりますが、注意したいのは請求書をそのままうのみにしないことです。

仮にまだ納品されていない製品や商品分まで請求書に記載があれば、本来なら納品後の後払いのはずが先払いになってしまいます。

必ず納品書や入力内容など、実際に納品された内容と照合し、合致することを確認してから支払いをするようにしてください。

また、すでに納品されている製品や商品の請求が仕入れ先から行われない場合には、担当部署から仕入れ先に問い合わせしましょう。原因が解明されず、2年以上経過した買掛金は会社の判断で取り崩すこともあります。

商取引の時効を参考にした処理といえますが、取り崩すときの会計処理では雑収入などを計上します。

 

なぜ請求書を発行することが必要なのか

そもそも請求書を発行しなければならないのか、その理由は支払い側にあります。

会社の義務は「会社法」により取り決められており、法人の税金は「法人税法」が関係することになります。

2つの法律は目的こそは異なるものの、どちらもが帳簿書類を保存しておくこと義務付けています。

原則、紙媒体で発行された書類を物理的に保存することが必要とされているため、請求書が発行されていなければ支払い側に経費計上が認められなくなってしまうのです。

税務調査などが入ったときに経費として計上できないと否認されてしまえば、最終的な利益にも大きな影響が及ぶことになるため、請求書は発行されることが必要といえます。

 

5.在庫管理

仕入れが発生すれば買掛金も計上されることとなり、それに沿って管理を行うことが必要です。

そして買掛金だけでなく、在庫も適切に管理を行いましょう。

システムで管理を行っていれば、実際の在庫の数量は一致するはずです。システムと実数の差異が発生しないように、定期的に棚卸を行い在庫の個数を確認しましょう。

棚卸を行うことで、システムに入力されている在庫と実際の在庫個数を照合し、差異が発生してればその原因を解明しシステムの在庫を正しい数へ戻すことができます。

原因が確認できない差異も、実際の在庫数量に合わせておかなければなりません。

 

買掛金の管理で重要な業務

 

買掛金の管理は、主に上記の4.の業務を行うことになります。

届いた請求書の控えと計上された買掛金が合っているか、買掛金台帳や仕入先元帳などもあわせて確認していきましょう。

そして期日内に請求の金額を支払いできているか、支払い済の買掛金は取り崩す会計処理も必要です。

仕入を計上するタイミングは、「受取基準」「検収基準」があるため、どの基準を採用するかによって会計上は異なりますが、いずれにしても買掛金は忘れず計上しておくことが重要といえるでしょう。

仕入先により誰が振込手数料を負担するのか、値引きや割戻しがあったときなどの処理が異なることもあるので、その点も事前に確認しておいてください。

 

売上原価や製造原価にも影響する部分

仕入を計上すると売上原価・製造原価を算出するときに影響し、仮にミスがあれば利益額にも影響を及ぼすことになります。

そして買掛金の支払いが遅れた場合には、仕入先の信頼を失うこととなり、その後の取引を断られてしまう可能性も出てきます。

事業活動が停止する事態になりかねないため、正しく期日内に支払いが行われるように資金の管理も行ってください。

 

まとめ

買掛金を適切に管理することは、仕入予算を立てることから代金の支払いまでの一連の流れを管理することともいえます。

特に実際に買掛金が発生し支払いを行うまでの業務が重要といえますが、支払い期日などの認識ミスが起きないように、買掛金管理表などを作成しておくことも大切です。

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