製造業は今後も日本経済を支える産業といえますが、新型コロナウイルス感染拡大による影響や社会情勢の変動、AI技術開発などで取り巻く環境には大きな変化が起こっています。
製造業で企業が今後成長していくためには、社会や環境の変化に対応していくことが必要です。
そこで、製造業の今後と生き残り対策として何を行っていけばよいのかご説明していきます。
製造業の今後よりまずは現状を知る
製造業の今後や、企業が生き残るための対策を考えていくためにも、まずは現状を把握しておきましょう。
製造業界は今が大きな変化の時期
IT技術は現在猛烈なスピードで進化しているといえますが、製造業界でも同じく最新技術を導入することにより様々な効果が期待されています。
世界では第四次産業革命といわれる工場自動化などの波も訪れており、人工知能AIやモノのインターネットといえるIoTを使った自動化で作業の効率化や生産性向上に取り組んでいるようです。
IoTによって設備や機械などがインターネットを通し動くようになると、それまで人の手を必要としていた作業も自動的に機械が行うようになります。
もともとドイツで提唱されたことがきっかけでその考え方が広がっていき、現在では世界中の工場で自動化が推進されています。
低コストで安定した品質の製品が効率よく生産されるようになるでしょうが、日本は世界レベルで見ればまだまだ自動化の波に乗り遅れているといえるでしょう。
日本の製造業で抱えている課題とは
これまで日本の製造業は、バブルが崩壊したりリーマンショックによる影響を受けたり、様々な災害などに見舞われるなど困難に直面してきたといえます。
それでも培った技術や品質を活かすことのできる部素材を強みに、様々な困難を乗り越え経済の支えとなってきました。
しかし世界はすでに第四次産業革命が広がっているのに、モノづくり大国だったはずの日本が遅れを取っている状況です。
IT技術活用を導入することへ抵抗を感じていたりそもそもの資金力が不足していたり、そして人材不足の問題も解消できておらず熟練された技術が承継されず廃業してしまう企業も少なくありません。
このままでは第四次産業革命の波に乗り遅れるだけでなく、製造業そのものが日本からなくなってしまう可能性もあると考えられるでしょう。
中小の製造業が今後生き残るために必要なこと
製造業の中でも中小規模の工場の場合、資金力や人材などが不足していることで、事業継続が難しくなっているケースも少なくありません。
そこで、中小規模で製造業を営み、今後生き残るために次の対策を実践していきましょう。
最新技術を導入し業務を効率化する
中小規模の工場が今後も製造業界で生き残っていくためには、最新技術を導入し業務を効率化させることは欠かせません。
たとえば生産工程を自動化するFA機器を導入した工場である「スマートファクトリー」なら、稼働状況をネットワーク回線などで把握することが可能であり、FA機器を効率的に稼働させることができます。
それに加えAI技術を使ったロボットやIoTを導入すれば、省力化の実現も可能となります。
大変魅力の高いスマートファクトリーですが、管理を行うデジタル人材を確保・育成していくことは欠かせず、設備への一定の資金力も必要です。
一定条件を満たせば国や自治体などから補助金や助成金など受け、資金調達もできます。
しかし自治体ごとに条件や期限が異なることもあるため、最新の情報を常に入手し続けることが必要となるでしょう。
日本の製造業の現状
製造業の課題を知るためには、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、今後は日本の製造業を巡る状況がどのように変化するか捉えておくことが必要です。
それに加え、製造業が発展するためのデジタル化にどのように取り組むのか考えていくことが求められます。
まず日本の2020年1~3月期の実質GDP成長率を見ると、民間消費のマイナス寄与によって2四半期連続のマイナス成長となっています。
製造業の業績は新型コロナの影響だけでなく米中貿易摩擦や天候要因などもあり、売上高・営業利益の足下の水準、今後の見通しどちらも弱さが確認できます。
近年では設備投資の動向は回復傾向にありましたが、2019年以降は横ばいとなっており今後は国内外どちらも減少傾向と考えられます。
製造業は1990年代以降、グローバル・サプライチェーンを形成してきましたが、不確実性の高まりでグローバル・サプライチェーン寸断のリスクが浮上しています。
今後はサプライチェーンを再構築し、強靱化させていくことが必要だと考えられるでしょう。
新型コロナが製造業に及ぼした影響
新型コロナの感染拡大を防止するため、緊急事態宣言の発令や外出自粛、イベント中止などで民間消費のマイナスが製造業にも影響を与えています。
海外経済の減速の他、訪日外国人数の急減なども製造業にとっては影響が及ぶこととなりました。
たとえば日本の自動車部品の中国依存度は約3%であり、2010年比で見ると約2.3倍となっています。完成車生産に必要とされる約3万点の部品のうち、一部でも代替が効かなければ生産ラインに大きな影響が及ぶ状態です。
政府が行った新型コロナ対応の資金対策
新型コロナウイルス感染拡大により、経済産業省も段階的に予算対応を講じてはいます。
その中で資金繰り対策とされた制度には、
- ・セーフティネット保証4号・5号
- ・セーフティネット貸付(要件緩和)
- ・特別貸付
- ・特別利子補給制度
- ・セーフティネット保証及び危機関連保証
- ・危機対応業務
- ・マル経融資の拡充
- ・実質無利子融資を⺠間⾦融機関まで拡大
- ・既往債務借換にも対応
- ・実質無利⼦融資の継続・拡充
- ・資本性劣後ローンを供給
などが挙げられるでしょう。
今後、中小の企業が製造業を営み続けるためにも、資金を枯渇させないことは前提となります。
資金対策として活用できる制度は使っていき、危機的状況を回避させることが必要です。
今後求められる経営の多角化
中小規模の製造業を営む企業が生き残っていくためには、経営の多角化にも目を向けるべきです。
経営の多角化とは、本業だけでなく別で新たな事業を展開する経営戦略を指しています。
本業を続けながら、新たな事業から収益を得ることができれば、リスク分散により事業全体を安定させることが可能です。
経営の多角化には不安を感じる経営者もいるでしょう。まずは本業に大きく影響しない、新規に参入する上で比較的ハードルが低い事業を始めてみることをおすすめします。
たとえば駐車場やトランクルーム、オフィスやマンションを賃貸経営することなどが例として挙げられます。
マンションのフロアごとに区切った1区分だけを購入し賃貸経営すれば、区分所有権オフィスとして活用できます。
商業エリアの物件なら需要も高く、借主も法人を対象とすることで空き部屋が出るリスクも抑えることができ、収益を安定化させやすいでしょう。
まとめ
製造業を営む中小の企業は、新型コロナウイルス感染拡大による影響がいつまで続くのか、不安な状況のまま経営を続けていることでしょう。
日本だけでなく世界規模でコロナ禍による変化が起きているため、今後の経営も不安を感じることは無理ありません。
しかしいずれは新型コロナも収束するため、そのときまで生き残ることが何よりも大切です。
社会情勢や市場の流れに対応することはもちろん大切ですが、それ以前に資金が枯渇し倒産してしまうことを防ぐことが重要といえます。
国もコロナ対策の資金繰り支援制度を設けるなど対応しているため、うまく活用することをおすすめします。
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