債務超過になる原因とは?問題を解消するために必要なこと

2021/03/03
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債務超過とは、中小企業だけでなく大企業でもなりうる財務状態であり、その原因を把握しておく必要があります。

倒産寸前の危機的な状態であるとイメージする方が多いでしょうが、債務超過と赤字は何が違うのか、原因の解消方法など解説しますので経営状況改善に役立ててください。

 

債務超過とは?

債務超過となっている状態はけっしてよいとはいえず、まず借入金などの負債が増えすぎて返済が難しくなっている状態を指しています。

会社の保有する資産を処分した場合でも、その総額を負債総額が上回っており、債務超過の状態が続けば資産すべてを売却しても返済できず負債が残り会社存続は難しくなることが目に見えます。

 

債務超過の原因として考えられること

債務超過となる原因は、赤字経営や投資ミスで投資額が未回収のままといったことですが、債務超過になったらすぐに倒産するわけでもありません。

その理由は、負債の中には支払いまで1年以上など期間に猶予のある固定負債なども含まれている可能性もあるからといえます。

また、流動資産に余裕がある場合には直近の支払いは滞りませんし、開業したばかりで初期投資などがかさんでいるだけであり、一時的に負債総額が資産総額より大きくなっているなら問題ないからです。

実際、3割以上の中小企業債務超過の状態のまま会社経営を続けているので、すぐに倒産には至らないにしても早めに解消しなければ純資産は少しずつ減少してしまいます。

 

債務超過はどのようなデメリットがあるのか

債務超過になってもすぐ倒産しないのなら、そのままにしておいても特に問題ないのでは…と考えてしまうでしょうが、先に述べたとおり純資産はだんだんと減少してしまいます。

それに加え銀行などからは、管理がずさん経営危機にある会社と認識されてしまうこととなり、融資を受けたくても審査に通りにくくなるでしょう。

取引先とのつながりもなくなり、上場企業であれば債務超過が1年以上続くことで上場を廃止されてしまうため、すぐにでも原因を洗い出し改善させる必要があります。

 

赤字とは何が違うのか

債務超過と単に赤字である状態は意味が異なり、赤字は収益に対して費用が多い状態を指しています。

債務超過「負債>資産」であるのに対して、赤字「支出(負債の一部)>収入(資産の一部)収入」と考えるとわかりやすいでしょう。

債務超過と同じく、赤字を原因としてすぐに倒産してしまうわけではありません。

 

むしろ黒字倒産のほうが危険

赤字であることもよいこととはいえませんが、利益が出ている黒字なのに倒産してしまう黒字倒産には注意が必要です。

倒産とは、債務が支払不能状態に陥ることで事業継続ができなくなることですが、黒字倒産損益計算書で利益が出ているのに事業継続できなくなることです。

黒字倒産に陥る原因としては、

 

  • ・借入金の返済期限が短期である
  • ・本業の儲けより借入金の返済額の方が多い
  • ・売掛金の入金サイトが長期化している
  • ・買掛金の支払いサイトが短い
  • ・売掛金や受取手形ばかり保有し手元の現金が少ない

 

といったことが挙げられます。

決算書で黒字だからと安心せず、実態を分析し手元の資金の流れをつかんでおくことが必要です。

 

債務超過か確認する方法

債務超過か知りたい場合には、貸借対照表を確認しましょう。

貸借対照表の資産から負債を引いた数値を見たとき、

 

  • ・資産総額-負債総額=資産>負債…債務超過ではない
  • ・資産総額-負債総額=負債>資産…債務超過である

 

と判断できます。

ただ債務超過でない場合でも、すぐに現金化できない資産を多く保有しているなど、実は経営難に陥っていることもあるため安心はできません。

純資産の減少を確認し、負債を純資産から支払っていれば、実質的には「負債>資産」となるため債務超過であると判断します。

 

現状にあった数値で原因を追究

資産総額の中には、回収ができないもの価値が低下している資産も含まれていることが考えられます。

そこで今時点の資産総額を計算し、現状に合った数値で再度確認し原因を追究してみましょう。

貸借対照表の資産と負債、それぞれを次のように修正してみてください。

 

資産

  • ・売掛金・貸付金・未収入金などのうち、回収不能状態のものや長年回収できていないもは省く
  • ・棚卸資産のうち架空在庫や不良在庫は省く
  • ・仮払金・繰延資産のうち資産性がないものは省く
  • ・土地は時価で見る
  • ・建物は減価償却を適用した金額で見る
  • ・投資有価証券は時価で見る

など

 

負債

  • ・役員未払金や役員借入金などは純資産とみなし省く
  • ・退職給付引当金は積み立て不足額を負債に計上する
  • ・保証債務は保証人としての債務が発生しているならその金額分負債へ計上する

など

 

債務超過の原因の多くは経営管理がずさんであること

債務超過の原因としてあげられるのは、経営管理が適切にできていないことです。

定期的に資産から負債を差し引く計算を行って、債務超過に陥っていないか確認しましょう。

特に、

 

  • ・借入金を増やす、また増えた後での確認を行う
  • ・導入設備の稼働率について定期的に記録する
  • ・出入りが激しい流動資産の日々の動向は確認する
  • ・土地や有価証券などの資産は定期的に時価を算出する

 

といったことを行います。

詳細な分析をするのであれば、流動比率・当座比率・固定比率・自己資本比率などもチェックするべきです。

 

原因がわかったらあとは改善!そのために必要なこと

債務超過の原因がわかったら、あとはその問題を改善させることです。

もっとも効果的な解消方法は利益を上げて資産を増やすことですが、同時に無駄な出費も減らしていく努力も必要といえます。

売上原価や人件費を見直し、仕入先や取引先を選定しなおすなど相見積もりを徹底して行います。

 

資産の現金化も検討を

そして時価が簿価を上回っている遊休資産や不動産などがあるのなら、売却し現金化させることも検討しましょう。

回収まで長期化している売掛金も、ファクタリングを使って売却すれば、期日を待つことなく手元のお金を増やすことができます。

債務超過でもっとも困るのは、手元の現金が不足してしまい支払いができなくなることです。資金が枯渇すれば、黒字でも赤字でも会社は倒産しますので、その危機的状況を打破するためには資金調達が必要となります。

ファクタリングであれば、債務超過で新たに銀行融資を受けることができなくても、保有する売掛金を売却し現金化させて資金調達できます。

 

中長期的な改善には経営状態の見直しも必要

長年に渡り赤字受注をしていないか、マーケティング戦略の方法や人員や設備の生産性向上に向けた取り組みなど、あらためて見直ししてみましょう。

解消の姿勢と努力を見せれば、銀行など金融機関からの信頼も少しずつですが回復させることはできずはずです。

 

増資し純資産を増やす方法

増資により純資産を増やせば、会計上の債務超過は解消させやすくなります。

経営者が出資するのか、役員からの借入金を資本金に切り替えるのか、新株を発行するのかなど方法は色々です。

ただし根本的に赤字を解消させることができるわけではありませんし、株主構成や保有割合で経営権にも影響するため慎重な判断が必要といえます。

 

まとめ

債務超過を理由にすぐに倒産するわけではありませんが、信用力低下など様々なリスクがあるため、原因を早期に洗い出し改善させることが必要です。

経営管理を適切に行うようにし、健全な経営体制を整備していきましょう。

倒産危機に陥りやすいのは、債務超過でも赤字でもなく、資金ショートの状態です。

手元の現金が不足している状態であり、借入金の返済ができない・設備資金が足らない・税金の支払いが不可であるなど倒産に直結する状況を示します。

普段からの資金繰りが悪化しないように、手元の現金の入出金は把握しておくようにしてください。

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