売掛金が回収できない場合に行えばよい方法とは?

2020/02/14
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一般的に企業間などでは掛取引が行われることが多く、売上分で発生している売掛金の入金や仕入れ分の買掛金の支払いのタイミングのズレ、資金繰りが悪化することもあります。

特に未回収の売掛金を保有したままの状態では、買掛金の支払いに充てる資金不足に陥ってしまう可能性もあるので早めの回収に努めることが必要です。

そこで、売掛金という債権が未回収となるトラブルを防ぐためにはどうすればよいのか、その方法を解説していきます。

 

売掛金はどのような場合に発生する?

売掛金は、商品やサービスを販売・提供したときに、売上分をその場で領収せず後日代金を受け取る掛取引で発生します。

取引先に対し売上代金を請求する債権売掛金ですが、取引先との契約上、当月末締め翌月末払いである場合もあれば翌々月末払いのときもあります。建設業などであれば、建築物が完成するまで半年や1年かかることもあるため、代金の回収はもっと先になることもあるでしょう。

商品やサービスを販売・提供した売上分である売掛金は翌々月末に受け取る契約なのに、仕入れ分の買掛金は翌月現金で準備しなければならないというケースなどでは、売上代金を回収するまでの間資金不足に陥りやすくなってしまうのです。

売上代金を回収できるまで一定の時間が空いてしまう上に、万一取引先から売掛金の支払いが遅れればさらに現金不足となり資金繰りは悪化してしまいます。

そのため、発生した売掛金は期日に適切に回収することが必要となります。

 

売上が上がっていれば問題ないのでは?と考えるのは危険!

掛取引での売掛金が発生していても、商品やサービスなど販売・提供された分は会計処理上、売上として計上されることになります。

売上が伸び十分利益が出ていれば、黒字経営を維持できているから安心なのでは?と感じてしまうことでしょう。しかし売上が伸びればその分、仕入れ量も増えていきますので支払いも増えることになってしまいます。

販売した商品代金である売掛金はまだ入金されていない状態で、仕入れ代金である買掛金の支払いは先に発生してしまいますので、手元の現金が足らなくなる可能性もあります。

そのため掛取引において発生した売掛金を適切に回収しなければ、利益ばかりが増え手元の資金は不足し、最悪の場合黒字倒産してしまうリスクも抱えます。

その上、利益が増えれば税負担も大きくなるので、経費だけでなく税金の支払いが増加することになるでしょう。

 

もし売掛金の未回収が発生したら?

取引先からの売掛金が支払われない場合、支払ってもらうためにはどうすればよいのでしょう。

売掛金は未回収のまま放置しないことが前提となります。そこでまずは取引先になぜ期日に売掛金が支払われていないのか確認しましょう。

単に支払い期日を間違っている場合もありますし、発送したはずの請求書が郵便事故などで届いていないこともあります。また、計上した売上や売掛金にミスが発生していることも考えられますので、事前に自社の記帳に誤りがないかチェックも必要です。

ただし売掛金の支払いが行われてない理由が取引先の財務や資金繰り悪化の場合、いつなら売掛金を支払ってもらえるのか確認しておくようにしましょう。

約束した期日に売掛金が支払われているか確認し、入金されていない場合には催告を続けることで、未回収の売掛金を請求する権利が時効で消滅することを防ぐことにもつながります。

 

催告だけで完全に時効の進行を中断させることはできない

売掛金が時効で消滅させることを防ぐためには、時効の進行を中断させることが必要です。この場合、取引先に対し売掛金を支払ってもらうよう催告を行うことが大切ですが、普通郵便ではなく送った内容や送付日などを証明できる内容証明郵便を使うようにしてください。普通郵便ではないことで、取引先に対する心理的なプレッシャーを与えることにもつながります。

 

内容証明を送っても取引先から反応がない!どうすればよい?

取引先に未回収の売掛金を支払ってもらうよう、内容証明郵便を送ったものの何の反応もなかったとします。この場合、内容証明郵便を送れば6か月は時効の進行を止めることができても、訴訟など手続きを行わなければ完全に時効の進行を防ぐことはできません。

ただ、訴訟手続きに踏み込む前に、まずは次のことを検討してみましょう。

 

取引先と交渉

取引先と話し合いを行って売掛金を支払ってもらうよう交渉してみましょう。

今後も取引を継続させる場合には、訴訟に踏み切ってしまうとその後の関係が悪化してしまいます。

最初から強い口調で話し合いを行わず、取引先の事情なども踏まえた上で譲歩できる部分は受け入れながら、他の債権者の動きやすでに渡している商品の保管状況などを確認しつつ交渉を行うことが大切です。

 

交渉してダメなら出荷停止など検討を

取引先の状況を把握した上で、今以上に損害が拡大してしまうことを防ぐためにも取引内容の見直しが必要です。

新たに出荷するとさらに未回収の売掛金を増やすことになりますので、支払いが適切に行われるまで一旦停止し、支払いが行われた後でも現金決済にしたり取引量を抑えたりといった対応が必要と考えられます。

 

取引先に買掛金がある場合は相殺の検討を

取引先に対し支払わなければならない買掛金がある場合には、売掛金と相殺できないか交渉してみることをおすすめします。

 

納品した商品を回収する

取引先との契約に即時解除条項が盛り込まれている場合、倒産など経営が破綻したときには契約を即時解除できます。

この即時解除条項が盛り込まれている契約を結んでいるのなら、すでに納品し引き渡した商品を回収可能です。

条項が盛り込まれていない場合や、そもそも契約書が交わされていない場合には、取引先から承諾を得て同意書作成後に商品の回収が必要になります。

 

代理受領

取引先も自社同様に、まだ回収できていない売掛金を保有している可能性があります。手元にお金はないけれど、未回収の売掛金なら保有しているという場合には、その債権を譲渡してもらうことも検討しましょう。

ただ、取引先とその売掛先との間の契約において、債権譲渡禁止特約が付されていると債権は譲渡してもらえません。

 

法的手段でなければ売掛金の回収が難しいと考えられる場合

内容証明郵便を送り、取引先と交渉などを行ってもやはり売掛金の回収は難しいという場合、法的な手続きを行うことになるでしょう。

この場合、売掛金回収に使える法的手段にもいろいろな種類がありますので、それぞれの内容を把握した上で選択するようにしてください。

 

保証人

売掛金の支払いにおいて、取引先の代表者などを人的担保に確保することを検討しましょう。

 

公正証書

公証役場で公正証書を作成してもらっておけば、約束した期日に売掛金が支払われない場合、裁判所の判決を必要とせず強制執行が可能となります。

 

支払督促

裁判所から取引先に対し売掛金の支払いを命じる督促状を送ってもらえる制度です。

 

民事調停

調停委員などが当事者同士の主張を調整し、売掛金支払いについて和解できるよう図ってくれる非公開の手続きです。

 

少額訴訟

売掛金が60万円以下の場合、簡易裁判所で1度の期日で審理を終え判決となる裁判手続きです。

 

まとめ

売掛金を回収できないまま放置することは、資金繰りをさらに悪化させることになります。期日に取引先から売掛金が入金されていない場合、催促を行うことを怠らず、それでも回収できない場合には必要な手続きを行うようにしてください。
いくら売上が伸び黒字でも、手元の資金が枯渇してしまえば倒産してしまう可能性があると十分認識しておきましょう。

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