売掛金とは?会計処理で消込みが必要となるその意味を解説!

2020/02/05
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会計処理において売掛金という勘定科目が用いられることがあります。売掛金は企業会計では当たり前に出てくる勘定科目ですが、商品販売やサービス提供を掛け取引で行ったときに発生します。

将来お金が入金される資産としての意味を持ちながら、増えすぎると好ましくないとされています。そもそも売掛金とは具体的にどのような意味を持つのか把握しておきましょう。

 

売掛金の意味とは?

日本の商取引は掛けによるものがほとんどであり、商品販売やサービス提供の代金はその場で受け取りません。

後日請求書を発行し、取引先との約束で決めた期日に代金を支払ってもらう後払い方式になっています。

ただ、商品販売やサービス提供を行った時点で、会計処理上は売上を計上します。その相手科目となるのが売掛金で、将来入金されることで現金に変わる勘定科目です。

通常の営業取引が行われ売上として計上されているけれど、その代金をまだ回収できていないときに用いるのが売掛金であるといえるでしょう。

 

売掛金の会計処理

掛け取引により売上が上がったら、売掛金の計上を行います。その後、取引を行った売掛先から入金の確認ができたら、計上した売掛金の消込み作業を行うこととなります。

反対に期日を過ぎても回収できなかった売掛金は、貸倒損失で損失処理を行うことになりますが、損失を発生させない売掛金管理が必要です。

具体的にどのような流れで売掛金計上から消込み作業までが行われるのか、それぞれの作業を行う意味も把握してきましょう。

 

①まずは売上の計上

売上が計上されると同時に、売掛金も計上されることになります。売掛金計上のタイミングは、売掛先に納品書を渡したとき、または請求書を渡したときのいずれかです。

どちらで計上するべきか事業の状況により異なりますが、いずれか決めたタイミングはその後も統一するようにしてください。

 

②売掛金が入金される

売掛金が売掛先から入金されたことが確認できたら、発生している売掛金の消込み作業を行います。

いつ売掛金が入金されるかは、売掛先との間で決めた契約内容によって異なるため、売掛先ごとにいつ売掛金が発生しいつ入金されるか把握しておくことが必要です。

そのために売掛金元帳などを使い、売掛先ごとにしっかり管理を行うようにしてください。

 

売掛金を消込む作業の意味

そもそも売掛金を消込むとはどのような意味がわからない方もいるでしょう。消込みとは、売掛先に請求している売掛金が実際に支払われたとき、入金された金額を確認しデータを消す作業を指しています。

重要なのは、請求していた金額と入金された金額が合致しているかであり、予定どおり売掛金が回収できているか確認することです。

 

売掛金が発生したときには、

 

借方:売掛金  貸方:売上

 

という仕訳処理で売掛金を計上しています。

 

消込未作業では、

 

借方:現預金  貸方:売掛金

 

という仕訳処理を行えば売掛金を消すことができます。

売掛金元帳でも対応する売掛金を探し、入金済のチェックを入れておくなど行います。

 

③入金された金額が請求書の金額と合っていない場合

発生している売掛金額を請求しているはずですが、入金された金額と合ってない場合にはどうすればよいでしょう。

この場合、なぜ金額が一致しないのかその原因を探さなければなりません。記帳(入力)ミスなのか、それとも売掛先が勘違いしているのか確認してください。

 

たとえば掛け取引により11,000円の売上があがったときには、

 

借方:売掛金11,000円  貸方:売上11,000円

 

という仕訳になります。

 

後日売掛先から入金があったものの、振込手数料分756円が差し引かれた10,244円だったとしましょう。

このときに売掛金のうち10,244円分のみ消込むと売掛金残高が合わなくなってしまいますので、売掛金は11,000円消込みます。

そのときの仕訳は、

 

借方:現金預金10,244円  貸方:売掛金11000円

   支払手数料 756円

 

となります。

 

消費税分が入金されていないのでは?

また、売掛先が消費税分を含めず入金されていることもあります。

 

たとえば上記の例で消費税分1,000円を含めない10,000円のみが入金されたとしましょう。

この場合、売掛金11,000円を消込むと売掛金残高が合わなくなりますので、

 

借方:現預金10,000円  貸方:売掛金10,000円

 

という仕訳処理を行います。

この時点で売掛金は1,000円残ることになりますので、消費税分は売掛先に不足分として請求するようにしてください。

 

なお、消費税の端数計算が四捨五入・切上げ・切捨てなどどの方法を用いるか、会社により対応が異なります。それにより、1~10円というごくわずかな金額の売掛金に誤差が発生している場合には、消費税端数であると判断し雑収入または雑損失で処理を行います。

金額がまったく合わないときには、一旦仮受金という勘定科目を用いて処理を行い、売掛先と発生している売掛金を合わせる作業が必要です。

 

④そもそも入金がされない場合

支払い期日を過ぎているのに売掛先から売掛金の入金がない場合には、なぜ入金がないのか確認します。うっかり忘れているだけなのか、財務状況が悪化していて支払いができないのか問うことが必要ですが、いずれにしてもいつ入金してもらえるのか確認しておきましょう。

財務状況が悪化していて支払いに充てる資金が不足しているなどの場合、繰り返し督促を行なわなければ支払いを後回しにされる可能性もあります。

口うるさい相手ほど先に支払おうという心理が働くため、いずれ払ってもらえるだろうと放置しないようにしてください。

 

回収することが大切!その意味とは?

売上が上がり業績は上々。利益も出ていて何も問題ないのでは?と考えるでしょうが、発生している売掛金を期日どおり回収できなければ意味がありません。

そもそも期日通り回収された場合でも、支払い予定の期日までが長めに設定されていれば、それまでに発生する支払いに充てるお金が不足してしまいがちです。

それに加え期日になっても入金がされないことが意味するのは、資金繰りを悪化させることを意味します。

売上が伸びれば利益も増えていきますが、いくら売上が上がっていても手元のお金が不足すると黒字倒産してしまう可能性もあります。

大きなビジネスチャンスが舞い込んできても、仕入れ代金や人材雇用にお金をかけることができず、せっかくのチャンスを失う可能性も出てくるでしょう。

売掛金が回収できないことで売掛先と共倒れにならないためにも、早めに回収することを心掛けてください。

 

適切に管理するためにしっておきたい回転率の意味

売掛金を管理する上で、回転期間や回転率という言葉が使われることもありますがこれらはどのような意味を持つのでしょう。

まず売掛金の回転期間とは、商品販売やサービス提供から代金を回収するまでにかかる期間です。

 

回転期間は次の算出式で求めることができます。

回転期間(日)=(売掛金+受取手形)÷(売上÷365)
回転期間(月)=(売掛金+受取手形)÷(売上÷12)

 

回転期間は短いほど売掛金をスムーズに回収できていることを意味します。

もう一方の売掛金の回転率とは、売掛金の回収が効率的に行われているのか知る上の指標となるものです。

 

回転率は、

回転率=売上÷売掛債権による売上

という計算式で求めることができます。

 

回転率は数が小さいほど、売掛金の回収に時間がかかっていることを意味します。

 

まとめ

売掛金は、通常の営業取引が行われ売上として計上されているものの、まだ回収できていない代金のことです。

保有期間が長すぎれば資金繰りを悪化させることになりますので、回転期間と回転率を定期的に確認し、資金の流れをスムーズにしておくようにしましょう。

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