年商1億円の中小企業でもなぜ赤字?知っておきたい勘違い経営の特徴

2020/01/30
Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter

日本のすべての企業のうち、99.7%は中小企業が占めています。この中小企業の平均年商は1億5千万円程度という実態調査もあるほど、年商1億円の会社を作ろうと思えば可能にできるとも考えられます。

しかし中小企業にとって年商2億円を突破することは成長段階の中の大きな関門といわれています。この壁を越えることができれば年商5億円や10億円と成長できても、年商2億円の手前で足踏みしてしまうケースが多いのが現状です。

そしてたった数年で年商1億円の大台に乗せることができたのに、そこから利益を生むことができず赤字経営が続くという中小企業も存在しています。

そこで、年商1億円の中小企業でもなぜ赤字経営になってしまうのか、成長段階で止まってしまう理由を解説していきます。

 

なぜ年商が上がっている中小企業なのに赤字経営?

起業したばかりの頃は、年商1億円を達成できれば経営者の年収も1千万円を超えるだろうと考えがちです。高級外車に乗り、マイホームを購入したり値札を見ないで買い物したり、ゆとりのある暮らしができると考えるものでしょう。

目標を立てて経営を続けた結果、わずか数年程度で年商1億円の会社をつくることができたものの、会社の売上は上がっているのに内情は火の車。従業員の離職率も高いといったケースもあるようです。

どうして売上は年商1億円なのに赤字になってしまったのか、その理由として挙げられるのか売上に執着しすぎた経営だったことです。

とにかく売上を向上させることばかりに集中してしまい、会社の利益はほとんどなくても銀行から融資を受けて資金調達し、返済するという形で経営を続ければ売上だけが伸びていきます。

売上が絶好調もいえる状況なので仕入れ量も多く、外からみれば順風満帆で羽振りもよいという印象で、儲かっている会社だと感じられることでしょう。

しかしその実態は、表の売上だけが向上しているお金を残すことのできない企業。そのまま経営を続けていれば、いずれ手元のお金は枯渇し倒産してしまいます。

 

年商1億円なのに赤字になる中小企業の特徴

年商1億円で赤字が続いている中小企業は、そもそも赤字であることにそれほどリスクを感じていないこともあります。

そこで、1億円という年商でありながら赤字になる中小企業とはどのような企業経営を行っているのか、その特徴をご説明します。もし今年商は上がっているのに赤字になってしまうなら、次に挙げる項目に該当しないか確認してください。

 

売上げを上げることが先!

先に述べた通り、会社経営においてとにかく売上を向上させることばかりに気を取られているのは危険です。

確かに売上を上げ年商1億円など目指すことは、中小企業がモチベーションを維持する上でも大切です。しかし売上向上のためにたたき売り状態となり、値引きや値下げを続けただ売れればよいという考えは本当に正しいでしょうか。

セール品やお買い得品を用意し、広告・宣伝活動を行えば商品は売れるので売上自体は上がります。しかし商品が売れれば売れるほど、売上だけが上がり利益が出ないという状況になってしまいます。

売上げを上げることに集中してしまうのではなく、どれだけ利益を残すことができるのか考えなければなりません。

 

労働力が不足すれば人を雇用

セール品やお買い得品を準備し、集客と販売数が増えることで売上も順調に伸びていくと、仕事の量も増えるので人の力が不足しがちです。労働力が不足した状態で仕事は回せないと、なるべく多く人を雇用しようと考えてしまっていませんか。

多忙になることに比例して人を雇用していけば、従業員の数が増えるので会社の規模も大きくなっていきます。当然、売上も上がり企業の年商も大きくなっていくでしょう。

中小企業が事業を拡大させる上で必要な流れだと思ってしまいがちですが、利益が出ていない状態で人を雇用すれば経費負担が企業経営を圧迫します。

利益が出ていない状況なら当然、手元にお金は残りません。しかし料日には雇用した人数分の人件費がかかってしまいます。繁忙期なら問題なくても、閑散期には経費のほとんどを人件費が占めるようになり、入金予定もない中で給料を支払わなければならなくなってしまうでしょう。

企業規模が大きくなれば従業員もやりがいを感じてもらえるので、さらに事業拡大が狙える!と考えていたのに、支払いが厳しい従業員の給料のために働くようになってしまいます。そうなると従業員のモチベーションも低下し、提供するサービスの質も低下していき、上昇していた売上もこれまでと違い伸び悩むようになるでしょう。

企業は人員を雇用すると人件費がかかりますので、給料を支払うだけの利益を生み出すことができているかをまず考えるべきです。

 

コスト削減の方法が間違っている

手元にお金が残らなくなり、支払いばかりが増えていくと、できるだけコストを削減しようと考えてしまうものです。

資力の弱い中小企業の場合は得に無駄な経費は削減するべきですが、その方法が間違っているとさらに利益を生むことのできない企業経営となってしまいます。

電球をLEDに変えてこまめに消すことや、コピー用紙の無駄を防ぐために裏紙利用をすること、消耗品はなるべく安く販売されているところから購入するなど様々なコスト削減の方法が考えられます。

しかし小さいことを重ねて実践するよりも、一気に対策を打ったほうが手元にお金が残りやすくなるのでは…?と考え、原価を下げてしまう経営者もいるようです。

原価を下げるには、仕入れのランクを下げることが必要です。仕入れのランクを下げても販売価格は維持すれば、利益を残せるのではないかと考えるからでしょう。

しかし販売した商品の質は低下しているのに、金額はそのまま据え置きであることに顧客が気づかないわけはありません。クレームなどにつながるようになり、販売数は激減、さらに人件費の負担でどんどん資金繰りは苦しくなります。

商品の品質を低下させたことで人材の質も低くなり、給料も上がらない状態では現場のモチベーションも向上するわけもなく、離職率を高めるといったことにつながってしまう可能性もあります。

 

資金調達の方法は銀行融資一本に依存

中小企業が資金調達しようと考えたとき、まず銀行融資を思い浮かべる経営者がほとんどといえます。年商が上がっている企業なら、銀行も決算書の数値を見て、これなら融資審査も通せると判断されることも期待できるからです。

しかし売上は伸びている企業でも手元のお金は不足しているため、融資を受けて資金調達できてもすぐに資金繰りに行き詰まるようになり、また銀行に融資の相談をすることになります。

お金がなくなれば銀行に頼り、融資を受けて目先の支払いを済ませるようになると、借金が増えて返済負担に追われてしまうでしょう。そうなれば企業の年商を上げる以前の問題で、借金返済ばかりに気を取られてしまい本業に専念できなくなってしまいます。

資金調達の方法は銀行融資だけではありません。融資に依存しすぎることは危険であると認識しておくべきです。

 

まとめ

年商を向上させることは企業経営において大切なことです。しかしただ売上があがっても、利益を生まない経営では手元にお金を残すことはできません。

実際、年商は億単位でありながら利益がほとんど出ていない中小企業などはめずらしいことではなく、売上だけで企業価値をはかることはできないと理解しておくべきなのです。

また、利益が出ていたとしても手元のお金が不足し枯渇すれば企業は倒産します。仮に企業の年商は上がっているのに経営は赤字という場合でも、手元にお金さえあれば事業は続けることが可能です。

さらに企業経営において運転資金が不足したとき、どのような方法で資金調達するのかも重要な項目であるといえるでしょう。

これらを踏まえた上で、中小企業が事業を続ける上で何が必要なあらためて見直し、現在の企業経営の在り方はこのままでよいのか考えてみることをおすすめします。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter