売掛金とはそもそも何のこと?例をあげてわかりやすく解説!

2020/01/29
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売掛金とは、販売した商品や提供したサービスの代金を受け取ることができる権利です。売掛金が発生するときとは、たとえば掛けによる商取引で取引が行われたときといえます。

そこで売掛金とはそもそも何なのか、具体的に想像しにくい方のために例を挙げてご説明していきます。

 

例に挙げるならツケでの飲食するとき

例えば飲食店や理美容店などで、サービスを提供してもらった後にはその場でその代金を支払うことが一般的です。

しかしスナックなどの飲み屋さんの常連の方などは、店を経営しているマスターやママさんともすっかりおなじみの関係となっており、手元に持ち合わせがなくてもツケ払いが可能なこともあります。

なお、「ツケ」という言葉は、「次回払うからそれまで帳簿に記帳しておいて(つけておいて)」という意味です。ツケ払いにした売上代金は、後日店を訪れたときに支払ってもらうのか、それとも請求書を送った後で振り込んでもらうのかはそれぞれです。

いずれにしてもお店側の立場としては、帳簿上で売上は発生しているけれどまだ回収できていない状態となりますが、この未回収の売上代金こそが売掛金です。

 

ツケ払い=掛け取引は互いの信頼関係により成り立つ

ツケ払いとは掛け取引であり、相手を信用しているからこそ支払いを先送りにできるため信用取引ともいわれています。

誰にでも支払ってもらう代金をツケ払いで対応してしまった場合、次回来店することなく代金を受け取ることができないままになる可能性が大きくなります。たとえ代金分の請求書を送っても、売上の支払いはされない可能性も出てくるでしょう。

先の例で飲み屋の経営者がツケ払いを可能としたのも、長く店に通ってくれている常連さんだからであり、売上分を後日払いにしても信頼できる相手だと認めているからです。

個人の例でいえばこのようなケースが売掛金を発生させる具体的な取引例といえますが、企業間の商取引においても同様です。

取引先との信頼関係が成り立っているからこそ掛け取引が成立し、請求書発送後に期日になれば売上代金を支払ってもらえると信じているから成り立ちます。

 

なぜ掛け取引が用いられるのか

売掛金は未回収の売上代金であるため、商品販売やサービス提供と引き換えにその代金を受け取る現金決済のほうが安心・安全なのでは?と感じる方もいることでしょう。

なにもわざわざ売掛金を発生させ債権を保有することとなる掛け取引にしなくても…と思ってしまうところですが、例えば企業間でのすべての商取引を現金決済にした場合、金銭管理や事務手続きが煩雑になってしまいます。

その都度お金のやり取りが発生すると、金銭管理においてミスが発生しやすくなりますし、帳簿に記帳しなければならない量も増えるので面倒だからです。

 

掛け取引を行うメリットとは

一定期間の売上代金をまとめて請求し、後日現金で回収することにより代金の精算手続きを効率化させることができます。

しかし売掛金を債権として保有することで手続きを簡素化させるメリットがある反面、もし売掛先が倒産してしまうとその債権は回収できなくなるリスクもあります。

例えば大口の取引があるときなど、売掛債権を回収できなくなることで手元の現金が不足し、事業の継続が難しくなる可能性も出てきてしまうでしょう。

このような状況を回避するためにも、取引先の経営状況などに常に注意するようにし、与信管理を徹底して行うことを心掛けてください。

もし取引先の経営状況に危ぶまれることがあれば、取引量の削減取引形態の見直しなどを行い、回収不能となる債権を増やさないようにしましょう。

 

売掛金と買掛金は何が違う?

売掛金とは未回収の代金ですが、その反対にまだ現金で支払っていない仕入れ代金などを買掛金といいます。

買掛金は後日取引先から請求書が送付され、期日に現金で支払わなければならない仕入れ代金などを指しています。

売掛金と買掛金はどちらも貸借対照表の勘定科目であり、回収できるお金である売掛金は資産として計上され、支払い義務のある買掛金は負債に記載されます。

例えば飲食業や理美容業の場合、現金決済によりその場で代金を受け取ることになります。しかし経営上、必要な材料代などは掛け取引により仕入れることがほとんどです。

このような例の場合、貸借対照表上は売掛金より買掛金の方が多くなりがちのため、資金繰りを悪化させないために売上代金の早期回収を心掛ける必要があります。

特に買掛金のほうが多いと支払いに充てる資金が不足してしまう傾向が高くなりますので、売掛金と買掛金のバランスやどのくらい残高が残っているか注意しておくようにしてください。

 

売掛金の時効とは

事業を続ける上で必要なのは手元の現金を枯渇させないことです。後で代金を受け取ることができる権利である売掛金は、できるだけ早めに回収し現金化させることを心掛けましょう。

しかも債権である売掛金は回収しないまま放置していると消滅時効を迎え、代金を請求できる債権特有の権利を失うことになってしまいます。

現在債権の時効は原則10年とされていますが、商取引での債権は5年、さらに業種や請求の内容により細かく設定される短期消滅時効により年数が短縮される可能性があります。

ただし改正民法により2020年4月1日からは、権利を行使できることを知ったときから5年間、または権利を行使できるときから10年間のいずれかはやいタイミングで消滅時効を迎えると統一されました。

なお、時効により債権が消滅してしまいそうな場合でも、内容証明郵便を使って督促すれば6か月は時効の進行を止めることができます。

法的に債権の時効期間が進むことを止めたければ、請求・差押え、仮差押えまたは仮処分・承認のいずれかの方法で可能となります。

 

売掛帳による管理で徹底を!

特定の取引先との掛け取引に対し、発生した売掛金など売掛債権の把握をしていたとしても意味がありません。たとえばその売掛金がいつ入金されるのか、期日通りに入金されているか、未回収の売掛金は債権のまま残っていないか常に確認することが必要です。

このような売掛金の情報を管理する上で適しているのが売掛帳で、得意先元帳と呼ばれることもある帳簿です。

取引先ごとに債権の発生や代金の回収・残高を記載していくことで、入金遅れが発生している売掛金を把握できます。

うっかり管理ミスで未回収の売掛金を放置してしまい、気が付いたら回収できないまま取引先が倒産してしまったということのないように、売掛帳の表で管理を徹底して行いましょう。

 

まとめ

売掛金は掛け取引により発生する未回収の代金のことです。例えば消費者に直接モノを販売する業種やサービスを提供する業種などは、売上の発生と同時にその代金を現金で受け取ることになります。

しかし企業間の商取引においては、現金によりその場で決済されることはほとんどなく、掛け取引が一般的です。

掛け取引により、売上として計上された代金は一時的に売掛金として保有することになりますが、将来現金として入金されるからと安心してしまわないことが大切といえます。

売掛金を多く保有している状況で、例えば取引先が倒産してしまったら、その代金はもう回収できなくなってしまいます。未回収の売掛金を残さないように管理を徹底し、経営や財務状況が危ぶまれる取引先とは取引内容を見直すといった与信管理も同時に行うようにしましょう。

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