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ビジネスローンの審査に通らないブラック扱いとなる条件とは?

資金繰り2019/12/11

信用情報に問題があるのでビジネスローンの審査に通らないというケースもあるようですが、信用情報のどこで問題があると判断されブラック扱いとなるのか、その基準や条件とは何なのかわからなければ改善のしようもありません。

そこで、ビジネスローンで資金調達したいと考える経営者のために、ビジネスローンの審査でブラック扱いとなる条件について解説していきます。

 

ブラックリストとはどのような状況?

融資を受けて資金調達ができない状態をブラックリストに載ると表現することがありますが、そもそもブラックリストという信用力の低い個人や事業者などがずらりと記載された一覧表は存在しません

ビジネスローンの審査でブラック扱いとなる事業者とは、過去の融資やローンの返済履歴に問題がある場合や、破産や不渡りなどの事故履歴がある場合などであり、これらの情報は信用情報機関や帝国データバンクといった民間の調査機関に照会を行い確認します。

信用調査機関などの調査機関の情報に登録されている内容の中で、資金の貸し付けを行うに満たない信用力であると判断される場合、審査は通過できなくなるという流れです。

ただ、銀行の審査には通過できなくても、ノンバンクの審査なら可決というケースもあるため、銀行審査で否決されたからブラック扱いになっているともいいきれません。

そこで、ビジネスローンの審査でブラック扱いとなるケースとはどのような状態なのか把握しておきましょう。

 

信用情報機関に登録されている内容とは?

銀行系の金融機関が加盟するKSC(全国銀行個人信用情報センター)、消費者金融などがメインとなるJICC(日本信用情報機構)、クレジットカード会社や信販系などが主であるCICです。

これらはCRIN(Credit Information Network)という情報交流ネットワークにより共有されているので、銀行でもCICなどに登録された情報の確認が可能となっています。

 

CICで登録される情報

貸金業法指定の信用情報機関であるCICで登録されている情報を確認した場合、その内容と情報が保有される期間は次のとおりです。

 

申込情報

クレジット会社などが審査の際に確認した氏名や契約内容などの情報が、照会日より6か月保有されることとなります。

 

クレジット情報

氏名や契約内容、毎月の支払状況、債務の残高などの情報が、契約期間中、および契約終了から5年は保有されます。

 

利用記録

ローンなどの利用期間中、クレジット会社などが審査に信用情報を確認した目的などが照会日より6か月は保有されます。

 

本人申告情報

本人から本人確認書類の紛失・盗難などがあったという申告が行われた場合、その内容が登録日から5年保有されます。

 

貸金業協会依頼情報

本人が日本貸金業協会の貸付自粛制度の利用依頼を行ってから、その内容が5年保有されます。

 

CICの信用情報がブラックになるケース

CICから取得できる情報は主に、

  • ・クレジット情報(クレジットカードを利用した際の契約内容や支払い状況など)
  • ・申込情報(クレジットカードやローンの申し込みを行った日時など)
  • ・利用記録(現在利用しているクレジットカード会社や信販会社が、CICに情報を照会した日時)

という3種類です。

 

CICでブラック扱いとなるケースとは、クレジット情報の「お支払の状況」欄の、「返済状況」に「異動」の文字がある場合です。

この「異動」が示す意味とは、返済日から61日以上、もしくは3か月以上、延滞が発生している場合などをあらわします。また、利用者に代わって保証会社が返済を行ったり、破産手続きが決定された場合にも「異動」の文字が記載されます。

 

さらに「入金状況」では、利用中のクレジットの24か月に渡る入金履歴を示すものですが、ここに「P」や「A」の文字が表示されているとブラック扱いとなります。

「P」や「A」以外にも表示される文字はいくつかありますので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

  • ・$ 請求通り、もしくは請求額以上、入金されている場合
  • ・P 請求額の一部が入金されている場合
  • ・R 利用者以外から入金されている場合
  • ・A 利用者の事情により期日に入金がされなかった場合
  • ・B 利用者の事情とは関係のない理由で入金がされなかった場合
  • ・C 入金されておらずその原因もわからない場合
  • ・- 請求も支払いもなかった場合
  • ・空欄 クレジット会社からの情報更新がなかった場合

 

JICCで登録される情報

消費者金融などをメインとする、貸金業法に基づく指定信用情報機関です。そのJICCが登録する情報は主に次のような内容です。

 

申込情報

クレジット会社などが審査を行う上で確認した氏名や電話番号、契約内容などを示す情報で、照会してから6か月は登録されます。

 

クレジット情報

氏名や契約内容、毎月の支払状況、借り入れの残高など、契約期間中はもちろんのこと、契約が終了してからも5年間は登録されます。

 

利用記録

クレジットやローンを利用している期間中、審査のためにクレジット会社などが照会を行った目的などが照会日より6か月は登録されます。

 

本人申告情報

運転免許証など本人確認書類を紛失したり、盗難に遭ったことの申告が利用者からあった場合に、その内容が5年間は登録されます。

 

貸金業協会依頼情報

利用者から日本貸金業協会の貸付自粛制度を利用し登録を依頼した内容が記録されます。

 

JICCの信用情報がブラックになるケース

JICCに登録される情報は、

  • ・ファイルD(貸金業者からの借入やキャッシングの契約)
  • ・ファイルM(クレジットや金融機関での契約)
  • ・照会記録(消費者金融やクレジット会社が情報の照会を行った記録)

という3種類です。

 

JICCでブラック扱いとなるのは、このうちファイルDの「異参サ内容・異参サ発生日」欄に「延滞」や「異動」といった文字が表示されているケースです。

返済日から61日以上、もしくは3か月以上返済を延滞している場合には、延滞期間中に渡り「延滞」という文字が登録され続けることとなり、延滞が解消されてからも「延滞解消」という文字が解消してから1年は登録され続けます。

また、債務整理や破産申立、民事再生、債権回収、債務整理といった情報も、発生してから5年は登録され続けることとなるので、その期間中は新規で借り入れはできなくなると理解しておきましょう。

 

ファイルMでも、「支払遅延の有無情報」欄に、ファイルDと同じく「異動」や「延滞」といった文字が掲載されます。

他にも返済条件の変更などを行った場合には発生してから5年登録されますし、債権の譲渡があった場合には発生してから1年登録され続けます。

 

照会記録は「照会記録情報」欄の「照会目的」に、「契約照会」などの文字が掲載されます。

契約照会とは、新規での契約や融資増額などの申し込みがあった際、返済能力を調査することを目的として金融業者が照会したことをあらわします。

そして途上・債権管理照会とは、契約中の返済能力を調査することを目的として金融業者などが照会を行ったケースであり、定期的な確認や延滞などがあったときなどに行われます。

 

KSCの信用情報がブラックになるケース

銀行系がメインとなるKSCで登録されている情報は次のとおりです。

 

取引情報

クレジットカードやローンなどの契約内容、さらにその返済状況や延滞情報などの履歴が、契約期間中登録され続けます。また、契約が終了してからも 5年は登録されたままとなります。

 

不渡情報

小切手の不渡りを発生させた情報などですが、2度目の不渡りは6か月、2度不渡りとなり、銀行取引が停止となった場合には5年間その情報が登録され続けることとなります。

 

官報記録

民事再生手続の情報のことで、官報などで一般に公開された破産が対象となり、10年に渡り登録され続けます。

 

本人申告情報

運転免許証など、本人確認書類を紛失したり盗難されたという情報が5年に渡り登録されます。

 

利用記録

銀行系の金融業者など加盟会員による照会の記録が1年登録されます。

 

KSCの信用情報がブラックになるケース

KSCで登録されている情報は、

  • ・取引情報
  • ・不渡情報
  • ・官報記録
  • ・本人申告情報
  • ・利用記録

などです。

このうち、「残債額・入金区分履歴」の欄には毎月の支払い状況が表示されますが、各更新月の下部に金額と「○」や「×」といった記号が表示されます。

それぞれの記号が示す意味は、

  • ・○ 請求金額、もしくはその金額以上の入金があった場合
  • ・△ 請求金額の一部が入金された場合
  • ・× 請求金額の入金がされていない場合
  • ・P 事情により請求金額の入金がなかった場合(購入した商品に問題があったなど)
  • ・- 請求がなかった、もしくは請求はなかったけれど入金があった場合

となっており、このうち「△」や「×」の記号が記載されているとブラックとして扱われてしまいます。

 

決算書の内容でブラック扱いになることもある

決算書の経常利益と減価償却費を合わせた数値がマイナスを示す場合、ビジネスローンの審査に通る可能性は低くなると考えておきましょう。

仮に経常利益が赤字だとしても、現金が流出せずに経費として計上できる減価償却費があり、合わせてプラスが表示されるのならお金が入ってくることを示しますので、ビジネスローンでの審査に通る可能性も考えられます。

しかしマイナスを示す場合とは、お金が入ってこない状態を示すため、もしビジネスローンから借り入れを行っても、その返済に充てる資金が不足していることから融資は行われないと考えるべきです。

 

税金が未納状態でもブラック扱いに

もし税金などを納めていない状況であったり、滞納が続いている場合にはビジネスローンの審査に通るとは考えにくくなります。

税金を納めることができないということは、資金繰りが悪化している状況であることを示すため、融資を行おうと考える金融会社のほうが少なくなると考えられるからです。

ただ、税金を滞納していても、すべて納めることができる見込みや見通しがあるのなら、その限りではない場合もあるかもしれません。

 

複数社に申し込みを行ったことによるブラック扱い

半年以内に4社以上の金融機関に融資やビジネスローンの申し込みを行った場合には、申し込みブラックという扱いになります。

複数社に同時期に借り入れの申し込みを行うということは、かなり資金繰りが悪化し危機的な状態であると判断されるからです。

信用情報機関には、誰がその信用情報を照会したのかその履歴が掲載されます。融資やビジネスローンの申し込みを行えば、それぞれの金融機関は信用情報機関に申し込み者の情報を照会することとなるので、他の金融会社で審査に通らないから別の金融機関に申し込みを行ったと判断され審査に通りにくくなります。

 

ビジネスローンの審査に通らない場合に利用できる資金調達の方法

ビジネスローンで資金調達したいけれど、ブラック扱いで借り入れは期待できないという場合、できるだけ審査が甘い金融業者などを探すことになるかもしれません。

銀行で断られたら大手ノンバンク、大手ノンバンクでもダメなら地元の金融業者など、審査のハードルが低い金融業者に次々と申し込みを行いたくなるものですが、この方法では申し込みブラックという扱いになることが目に見えています。

 

ビジネスローン以外の借り入れを検討するなら

そもそもビジネスローンは無担保・保証人なしという形ですので、金融会社が抱えるリスクが高くなる分、利用者の返済能力を重視した審査が行われます。

そこで、担保を差し入れた上で融資を受ける有担保ローンを検討できます。有担保ローンには、不動産担保ローンや動産担保ローン、売掛債権担保ローンなどがその種類として挙げられますが、もし返済ができなくなった場合には、差し入れた担保を失うことは納得の上で資金調達に活用することが必要です。

 

融資を受ける以外の方法を検討してみることも方法の1つ

ビジネスローンも有担保ローンも、お金を借りて資金を調達する方法です。お金を借り手資金を調達することで資金不足は回避できたとしても、その後の返済計画をしっかり立てておかなければまたすぐに資金繰りが悪化してしまいます。

それなら融資を受ける以外で資金調達したほうがよいのでは…と考えるのなら、ファクタリングを検討してみてはいかがでしょう。

ファクタリングとは、事業者が保有する売掛金をファクターと呼ばれる専門業者に売却して現金化させる方法です。

売掛金は将来入金される予定の債権ですが、入金予定日までの期間が長く設定されていると資金繰りは悪化しやすくなります。

そこで売掛金を売却し、期日よりも先にその代金を受け取ることで資金繰りを改善させることが可能となるわけです。

 

融資を受けるわけではないから審査のハードルも低い!

そもそも将来受け取る予定の代金を前倒しで受け取る資金調達の方法なので、融資を受けるわけではないことが大きなメリットです。

ファクタリングを利用する際にも審査は行われますが、融資ではないことで利用者の信用力より、売掛金の取引先の信用力が重視されます。

ブラック扱いでビジネスローンから借り入れができないという場合でも、信用力の高い取引先の売掛金を保有していれば、利用できる可能性がありますので検討してみましょう。

 

まとめ

ビジネスローンでの審査がブラック扱いになるケースとは、信用情報機関の登録内容に問題がある場合、決算書の経常利益と減価償却費の合計がマイナスである場合、税金を滞納している場合、複数の金融業者に同時期に申し込みを行っている場合です。

このような場合にはビジネスローンの審査に通る可能性は低いと考えられますので、他の資金調達方法を検討することが必要となるでしょう。

その際、ビジネスローンではなく有担保ローンを検討するか、融資を受けて資金調達する方法ではないファクタリングを利用するか、といったことが考えられます。

いずれにしても一時的な資金調達に留まらず、資金繰りを改善させることができる方法を選択するようにしてください。

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