年末年始は中小企業がもっとも資金繰りに注意する時期!その理由とは

2019/06/27
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いくら景気は回復したとはいえ、中小企業にとっては倒産というワードはまだまだ身近な言葉であり、特に12月になると年末年始の資金繰りに苦戦する企業が多くなります。

中には年末倒産してしまう企業もありますが、なぜ年末年始は資金繰りに追われ、結果、倒産に至ってしまうのでしょう。

 

なぜ企業は倒産するのか

企業が倒産してしまう理由として真っ先に何が思い浮かぶでしょう。売上が思うように伸びず、商品は売れないまま多くの在庫を抱え、決算書は赤字という状態だからでしょうか。

倒産してしまう原因のほとんどは、実はお金が不足するからであり、資金繰りの手段を失うからです。

富裕層が経営のノウハウも持たず趣味で会社を立ち上げ、赤字を抱えていてもお金があれば倒産することはありません

反対に、売上はそれなりに伸び、利益が出ていてもお金がなければ倒産してしまいます。

 

黒字なのに資金がショートしてしまう理由

販売する商品を作るためには材料を仕入れる必要があります。将来的に商品が確実に売れるとわかっていても、その商品を作るためにかかった費用は商品を売ったお金が入るよりも先に支払うことになります。

 

資金の調達先を間違ってしまう

もし会社に十分な資金があり、仕入れ代金の支払いに充てることができれば問題ないでしょう。しかし資金がなければ商品を作れないので、どこかで資金を調達しなければなりません。

どこから資金を調達するのか、間違った選択をしてしまった場合や、資金が調達できなかった場合、支払いができずに資金はショートします。

 

資金繰りの状況を正確に把握できなくなる

仕入れや人件費、経費の支払いと、販売に対する代金の回収を伴う取引が同時並行で行われていると、資金繰りの状況を正しく把握することが難しくなってしまいがちです。

商品が売れ、売上が上がって利益が出ていることに安心してしまい、気がつけば手元の資金不足に陥ってショートし、最悪の場合倒産に至ってしまいます。

 

売上向上で仕入れが増え支払いができなくなる

たとえ成長中で業績が良好であっても、手元の資金がショートすれば倒産してしまうことを十分に認識しておく必要があります。成長段階では取引の数や取引金額が増えていくので、同時に売上金額も増えます。

そうなると仕入れを必要とする量や金額も大きくなるので、このタイミングで売掛金の回収が遅れてしまうと、たちまち資金繰りは悪化して倒産してしまうことがあるということです。

 

年末は資金がショートしやすいのはなぜか

資金繰りが悪化しやすいのは年末ですが、ニッパチという言葉からも2月と8月は全体の景気が悪くなりがちです。反対に年末年始は商品やサービスに対するニーズが高まり、モノも多く売れるでしょう。

それなのに年末に企業が倒産してしまうのは、一時的に取引量が膨れ上がってしまうからです。取引の量や金額が増えると、先に述べたとおりそれに対する支払いの金額も大きくなるので、資金がショートして倒産に至るという流れです。

さらに年末は、従業員に賞与を支給したり、法人税や消費税の予定納税も控えているなど、支払いが多くのしかかる時期です。

 

特に注意したい年末調整の還付金の存在

特に注意しておきたいのは従業員に対する年末調整の還付金です。本来なら源泉所得税は、給与支払日翌月10日に納めますが、年末調整の還付金を12月の給料に上乗せで支払う場合や、年内の最終出勤日に支払う場合、会社側からみれば一時的に立て替えを行うことになります。

立て替え分が解消されるのは翌年1月10日(特例適用会社20日)に源泉所得税を納付するときであり、還付分を差し引いた金額を納めることになります。

仮に立て替えた還付金額が1月に納める金額を超えるなら、2月以降の納付額から差し引く形です。

雇用している方の数が多い場合や、住宅ローン控除などを適用させる従業員が多い場合など、還付金だけで100万円以上必要というケースも出てきますので、資金計画に盛り込んでおかなければ資金がショートする可能性があります。

 

中小企業には喜ばしくない長期休暇

2019年のゴールデンウィークは10連休で、多くの観光地などが賑わいを見せ、レジャー産業や観光業、宿泊業、運輸業、飲食関係や小売業などに対する経済効果は十分だったという声が聞かれる一方で、陰で苦しむ中小企業もいました。

本来なら月末から翌月初めに支払われるはずの売上金が、10連休により大幅な入金遅れを生み、一時的に資金繰りを悪化させたからです。

入金が想定していたよりも少なく、未入金額が支払いを超過してしまい、資金繰りに苦しんだ企業も少なくありません。

中小企業は納入先に対する立場が弱く、入金は後なのに支払いは先といったそもそもの大変な状況を、10連休によってさらに悪化させてしまったのです。

この現象は年末年始でも同様に発生すると考えられますので、たとえ年末まで半年以上間があるとしても、十分に注視しておくべき部分といえます。

 

資金繰りを悪化させないために実践しておきたいこと

年末年始に資金繰りを悪化させないために、基本的な資金の管理は行っておくようにしましょう。最低でも3~6か月ごとに資金繰り表を作成し、いつどのタイミングでいくら支払いが発生するのか、売掛金が入金されるのはいつか、遅延している入金はないか把握しておくようにします。

資金繰り表を作成する段階で、代金の支払いが遅れそうな取引先や、取引金額が減る可能性のある取引先の有無も事前に確認してください。

元請け・下請けというピラミッド式の構造で取引を行っている企業は、取引先の倒産に巻き込まれる形で連鎖倒産するリスクも認識しておく必要があります。

取引先の与信管理もしっかり行い、万一に備えて中小企業を対象とした融資制度などを利用することも検討しておきましょう。

国は、経営環境が悪化している状況の中、雇用の維持や増加、経営改善や生産性向上に取り組んでいる事業者の資金繰りを支援するために、次のような日本政策金融公庫(および商工組合中央金庫)の融資制度を設けています。

 

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

経営環境の変化一時的に業況が悪化している状況でも、雇用維持や増加、経営改善計画を策定する事業者などに融資を行う制度が、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)です。

 

中小企業経営強化法関連融資

経営力向上計画の認定を受けた事業者に対し融資を行う制度が、中小企業経営強化法関連融資です。

 

もし年末年始に備えて融資を活用したいなら

年末は金融機関にとっても多忙な時期となるため、もし万一に備えて融資を受けたいと考えるなら、早めに準備したほうがよいといえます。

まずは資金繰り表を作成し、年末までに現預金がどのような残高推移となるか予測しつつ、資金を確保していくための準備をはじめましょう。

まだ大丈夫だろうと準備を怠り、年末直前に融資の申し込みを行っても、混雑していて審査がなかなか完了せず、融資が実行されるまで時間がかかれば必要なタイミングに間に合わなくなってしまいます。

さらに融資を受ける場合には、事業計画書の提出を求められることになるため、作成方法などがわからない場合には専門家に相談することも必要です。

 

まとめ

年末年始は月末の支払いに追われがちになるだけでなく、売掛金の入金が年内なのか新年を迎えてからなのかなどで、資金繰りに大きな影響を与える要因が多く発生します。

それまで順調だった資金繰りが計画通りに進まず、悪化してしまいがちな時期でもあるので、いつも以上に注意を払い資金がショートしてしまわないように事前準備をしておきましょう。

また、売掛金の入金が新年を迎えてからになりそうな場合など、前もってファクタリングで早期に現金化しておくと、資金繰りの悪化を防ぐことができます。

資金の調達方法は融資を受ける以外にもありますので、あわせて検討してみると安心です。

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