資金繰りが悪化しないために借入金は繰り上げ返済したほうが得策?

2019/04/10
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会社を経営する上で、資金繰りが悪化しないように手元の資金がどのくらいあるのか、毎月何に使っているのかなど気を付けているとう経営者もいるでしょう。

もし借入金などがある場合、できるだけ早く返済して無借金経営を目指したいと考えている経営者もいるかもしれません。

そのような中、もし手元にまとまった資金が入ったら、繰り上げ返済で借入金をゼロにすることを考えるでしょうか。

しかし、借入金の繰り上げ返済は、実は資金繰りが悪化させる原因になることもあります。そこで、資金繰りを悪化させることなく健全な会社経営を行うために心掛けておきたいことをご説明します。

 

会社経営で欠かせない資金繰りとは何のために必要

資金繰りとは、今後予定されている支払いと、売上代金が入金されるタイミングを見計らって、資金が不足することはないか、もし不測するのならいつ調達が必要かなどを予測し、資金ショートしてしまわないための管理を行うことです。

今後、事業拡大や設備投資などを予定しているのなら、中長期的な資金計画を策定し、資金の調達と返済の計画を立てることも必要になります。

事業拡大や設備投資などはまだ予定していない場合には、毎月の資金繰り計画を着実に立てていきます。

 

常に業績好調というわけではない

無借金経営を目標に掲げている場合、資金に余裕ができたときやまとまった資金が入ったとき、せっかく低金利で長期の返済期間での借入金なのに、早期に繰り上げ返済してしまう経営者もいるようです。

しかしよく考えてみてください。毎月入金が多くされるわけではなく、中には回収が見込めない月はないでしょうか。常に業績好調というわけなければ、万一、業績が悪化した時に手元の資金が不足してしまう可能性があります。

手元の資金が不足すれば予定されている支払いができなくなるので、何らかの方法で資金を調達することが必要となってきます。

 

繰り上げ返済した借入金より条件が悪い借り入れを利用することに…

急な資金を調達するための方法はいくつかありますが、たとえばビジネスローンなどで借り入れを行う場合、繰り上げ返済した長期借入金と比べると金利や毎月の負担額は重くなります。

無借金経営にこだわってしまったばかりに、そもそも負担を抑えることができたはずの長期借入金は早めに返済し、金利が高く返済負担の大きい借入金で借金が増えれば意味がありません。

 

設備投資など新たな資金が必要になるタイミングは出てくるもの

事業活動では新しく設備投資が必要となる場面もあるでしょうし、突発的に修繕が必要になるなど、新しく資金を必要とするタイミングが出てくるものです。

改めて銀行融資などで借り入れを行おうとすれば、申込書類作成には手間や時間がかかり、ハードルの高い審査を通過する必要があるなど、いろいろと面倒なことが出てきます。

必ずしも融資が実行されるわけでもありませんので、低金利な上に長期返済で借り入れできているのなら、早期で繰り上げ返済しないほうがよい場合もあるということです。

 

納税資金を利益でまかなうことができるか

損益計算書上で利益が生じていれば税金を納めることになるので、手元の資金が不足していれば納税資金をどのように調達するのか考えなければならないでしょう。

黒字経営なのに手元の資金不足で借り入れを行わなければならなくなれば、自転車操業のような経営になってしまいます。

利益を獲得し続け、自己資本の充実を目指してこそ会社は儲けているといえますので、決算書の利益だけで判断せず、長期借入金の返済と納税資金をまかなうことができる利益を確保できるかで儲けがでているか判断しましょう。

必要利益を獲得できる予算、その進捗管理、資金繰り管理は、いずれも健全な会社経営に欠かすことのできない業務といえます。

 

資金が不足するタイミングに遭遇したときは

資金繰りを行う中で、資金が不足するタイミングがでてきたときには資金調達を検討することが必要となります。

特に注意したいのは、決算から2か月以内に発生する納税のタイミング、さらに年2回、従業員に対する賞与を支払うタイミングです。それに加え、設備投資が必要となれば、別途資金を準備しなければならなくなります。

設備にかかる資金を調達するためには、金額も大きくなるため銀行など金融機関から借入金で賄うことが一般的ですが、利用する金融機関選びも重要となるでしょう。

 

具体的にどのような調達方法で資金を準備するか

中小企業の場合、銀行から融資を受けることは容易ではありませんので、日本政策金融公庫など、政府系の金融機関からの借り入れを検討することになると考えられます。

納税資金や賞与資金については、借り入れに依存しなくても保有する売掛債権を売却して現金化するファクタリングなどによる資金調達でまかなうこともできるでしょう。

もし長期借入金を繰り上げ返済したことにより手元の資金が不足している場合は、高い金利で返済期間の短い借り入れを利用すると繰り上げ返済した意味がなくなります。借金を増やさないためにも、売掛債権という資産を現金にシフトする資金調達の方法を検討したほうが合理的です。

 

借入金の返済が苦しくて無理!という場合には

資金繰りが苦しくなり、現状、借入金の返済を続けることは難しいと言う場合には、返済条件を変更して返済額を見直してもらえないか銀行に交渉しましょう。

返済額を減額してもらうリスケジュールは、経済的に合理的であると銀行に判断されれば実行されます。現状として資金繰りは苦しい状況にあるけれど、返済額を減額すれば将来的に全額返済してもらえるだろうと判断されれば応じてもらえるわけです。

複数の金融機関から借り入れを行っている場合、返済条件はそれぞれ異なっていることでしょう。短期や長期の違いだけでなく、担保の有無といった違いもあるかもしれません。

銀行は横並び意識が強いため、他行と同条件でなければ返済額を減額しようとしないはずですので、粘り強い交渉が必要になります。

 

追いつめられた状況でなければリスケジュールは認めてもらえない

そもそも金融機関にリスケジュールを交渉する会社は、営業キャッシュフローでさえもギリギリの状態であることが多く、借入金返済に資金を充てる余裕はないはずです。

そこまで追い詰められていなければ、金融機関からリスケジュールを認めてもらえないとも言い換えることができます。

これからの資金繰り予定表と損益計画書を作成し、借入金返済を待ってもらうことによって倒産を回避できることを示すことが求められますが、仕入れ代金や人件費の支払い、固定費など諸経費の支払いだけでめいっぱいというケースがほとんどでしょう。

 

リスケジュールとして認められる期間は短期

リスケジュールを認められるのは、半年、長くても1年などですので、この期間が過ぎる前にまたリスケジュールの交渉が必要となります。また、金利についても返済額を減額してもらったら上がるのは仕方がないと諦めず、現行水準に据え置いてもらえないか要望を出すことも必要でしょう。

リスケジュールをすれば、その間は新規で融資を受けることはできなくなりますので、返済額はできる限り減額してもらうように交渉が必要です。

 

まとめ

資金繰りが悪化しないように、業績が良好なときやまとまった資金が入ったときには、現在の借入金を繰り上げ返済しようと考えるかもしれません。

しかし低金利で長期返済期間という負担の少ない借入金を早期で返済しても、また資金を調達しなければならないタイミングが出てくれば条件のよくない借り入れを利用しなければならなくなる可能性があります。

無借金経営にこだわりすぎず、将来的に発生する支払いの負担などを予測し、本当に繰り上げ返済することが望ましいのかよく考えた上で決めるようにしましょう。

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