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個人事業主でもキャッシュフロー計算書を作成したほうがよい?

資金繰り2019/04/09

現在、キャッシュをどのくらい保有していて、どのように流れているかを示す書類にキャッシュフロー計算書がありますが、企業では収支の確認や、営業活動、投資、財務活動を示す財務諸表の1つとして使用されており、決算書を構成する書類の1つでもあります。

個人事業主の場合、申告は決算書ではなく確定申告書を作成して行うため、そもそもキャッシュフロー計算書に馴染みはないかもしれません。

中小・零細企業の場合にも、キャッシュフロー計算書を作成する義務はなく、作成が義務付けられているのは有価証券報告書の提出を義務としている上場企業などです。

しかし、中小・零細企業や個人事業主などもキャッシュフロー計算書を作成することで、企業の財務状態を明確化することができます。

そこで、中小・零細企業や個人事業主がキャッシュフロー計算書を作成する必要性についてご説明します。

 

キャッシュフロー計算書を作成したほうがよい理由

キャッシュフロー計算書を作成すれば正しい資金の流れを把握することができるので、現在の状況を知る以外にも、銀行融資における審査など資金調達の場面で重要な資料として用いることができます。

資金ショートしてしまうことを防ぐことはもちろん、正確な財務状況を示すことで円滑な資金調達に繋げることが可能になるはずです。

 

キャッシュフロー計算書が示すこと

キャッシュフロー計算書を作成した場合、

  • ・キャッシュを生み出す創出力
  • ・何によってキャッシュを生みだしているか
  • ・借入金で発生する支払利息の負担能力
  • ・外部の資金調達に対する依存度
  • ・資本を何に活用しているのかなどその方針

が確認できます。

キャッシュフロー計算書は別名、現金流量表ともいわれていり、企業の一会計期間においてのキャッシュインとキャッシュアウトを示す財務諸表です。

キャッシュインとキャッシュアウトを合計することにより、全体でのキャッシュの増減や残高などを確認することが可能です。

 

キャッシュインとは

キャッシュインとは、商品やサービスを販売・提供したことによる売上代金の回収、増資、受取利息、借入金による資金調達などで流入された現金や現金同等物のことです。

 

キャッシュアウトとは

キャッシュアウトは、材料や製品など商品を仕入れたことで発生する支払いや、借入金の返済、固定資産の購入、株主に対する配当金の支払いなどで、現金や現金同等物が減少することを示します。

 

現金同等物とは

現金同等物とは、簡単に換金でき、価値変動によるリスクが低い短期投資のことで、たとえば3か月以内が満期の定期預金や譲渡性預金、割引形式で発行する無担保の約束手形(コマーシャルペーパー)などが該当します。

 

決算書を構成する3種類のキャッシュフロー

個人事業主の方は決算書を作成することがないため、そもそも決算書はどのような構成になっているのか確認しておきましょう。

まず決算書は財務三表という三項目で構成されますが、決算日における企業の財務状況を示す貸借対照表、決算期においてどのくらい稼いだかを示す損益計算書、そして現金の流れを示すキャッシュフロー計算書で構成されます。

企業のお金の動きは、資金の調達から保有する、そして投資という流れで成り立つため、決算書から企業状況を確認する場合には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書という順で読んでいくことになります。

 

貸借対照表

一定時点で保有する資産の種類や、その資産の元となっているものは何なのか、どのように資金を調達したのかを確認することができます。

お金の使い道を把握できる書類であり、バランスシート(B/S)とも呼ばれていますが、資金調達の状況を把握することが可能です。

 

損益計算書

決算日までの1年間など、一会計期間で得た売上と利益、それらを得るために支払った費用などを把握することができる書類です。

利益というのは、売上総利益として計上した収益から、販売品の原価や人件費など諸費用分を差し引いて算出するので、どのくらい稼ぐことができたのかを把握することができる書類ともいえます。

 

キャッシュフロー計算書

一会計期間でのキャッシュの収支を報告するために作成される書類ですが、現金以外に現金に相当する資産も含まれます。

どのくらい現金や現金同等物が残っているのかを確認できる書類であり、元手と比べたときの増減や、その増減の理由などを明確にするためにも使用されています。そのためキャッシュフロー計算書からわかることは、企業の疲労度ともいえるでしょう。

 

キャッシュフロー計算書を構成する3つの項目

キャッシュフロー計算書で確認できるキャッシュの残高は、

「期中のキャッシュの増減額+期首のキャッシュ残高=期末のキャッシュ残高」

という計算式で確認できますが、キャッシュをどのように使ったのかをわかりやすくあらわすために、

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

という3つの項目で構成されています。

 

営業活動によるキャッシュフロー

  • ・ 税引前当期純利益
  • ・ 減価償却費
  • ・ 売上債権の増減
  • ・ 棚卸資産の増減
  • ・ 買掛債務の増減増加

 

投資活動によるキャッシュフロー

  • ・有形固定資産の増減(購入・売却)
  • ・有価証券の増減(購入・売却及び満期償還)
  • ・貸付金の増減(貸付・回収)

 

財務活動によるキャッシュフロー

  • ・借入金の増減(借入・返済)
  • ・社債の増減(発行・償還)
  • ・株式の増減(発行・取得)
  • ・配当金支払

 

このようにキャッシュフロー計算書は、3つの項目に分類されることで詳しく計算をすることができ、キャッシュがどのくらい増えたか(減ったか)、期首や期末の残高などを示すことが可能です。

大まかなキャッシュフローを知りたいなら、

「当期純利益−売上債権の増加額+減価償却費+支払債務の増加額」

という計算式で求めることは可能ですが、たとえば個人事業主が金融機関に対してキャッシュフローを正確に説明したくても、その状況を証明することはできません。

そのような場合において、キャッシュフロー計算書があれば現状に基づいた正しい数字を証明することができます。

 

キャッシュフロー計算書と資金繰り表に違いはあるのか

キャッシュフロー計算書が何のために作成されるのか理解していくと、資金繰り表を作成していれば問題ないのでは?と思った方もいるかもしれません。

資金繰り表ならわざわざキャッシュフロー計算書を作成しなくても、一定期間のキャッシュの流れを把握することができますし、実情に基づいた資金の残高などを確認することができます。

資金をショートさせないために、個人事業主の方も資金繰り表を資金管理に活用しているという方も少なくないでしょう。

もしキャッシュフロー計算書を作成せず、資金繰り表で資金管理を行うのなら、過去から現在の資金の状況以外に、将来的な資金の流れの予測も記載しておきましょう。

資金繰り表は資金が不足しないため、資金を調達する予定表の役割を担います。キャッシュフロー計算書と資金繰り表を別途作成しておくことが望ましいですが、管理が大変と言う場合でもどちらかの書類は作成するようにしておいてください。

 

まとめ

キャッシュフロー計算書の作成を義務付けられているのは株式を公開している企業のみですが、資金調達の場面にも活用できますし、何より現在のキャッシュの増減を把握することができます。

仮に利益が出ていたとしても、キャッシュを保有することにつながっているのかわかりません。個人事業主や、作成義務のない中小・零細企業でもキャッシュフロー計算書を作成して有効活用するようにしましょう。

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