中小企業の社長が抱える悩みの多くは、どうすれば売上を向上させることができるのか、そして資金繰りの改善方法や銀行融資を成功させる方法などです。
これらの問題はすべてお金の流れを把握できていないことにより発生する悩みともいえますが、解決させたいのならまずはお金の流れを明確化させることが必要となります。
目次
会社経営におけるお金の流れは人の血液と同じ存在
お金の流れを把握するために用いられることが多いのは資金繰り表です。資金繰り表では3か月先の資金予想を立てた上で、実際の収支を記載することが求められます。
会社のお金の流れを明確するということは、人間の体でたとえるなら血液の流れを良好に保つことと同じです。人は血液が流れなくなり停止すれば生命を絶たれますが、会社経営にとってお金は血液と同じ存在といえます。
しっかりと血液が流れるためには、その途中で血流を邪魔するものは取り除き、しっかりとした心臓と血管壁を保つことが必要です。
会社経営においても同様に、お金を流すためにはその妨げになる要因は取り除いて、血液を送りこむ心臓のようにお金を作る部分がしっかりしていなければ事業は継続できません。
売上を向上させることにこだわりすぎないこと
経営者でどのように売上を伸ばせばよいか悩んでいる中小企業には、先輩経営者や税理士などのアドバイスや指導にも耳を傾け、どうすればよいか模索を続けている方もいるようです。
しかし、アドバイスどおり事業を行っても改善されているとは思えず、どうすれば悩みが解消できるのか頭を抱えるケースも少なくありません。
まず、売上を拡大しなければ会社は存続できないという考えは捨てるべきといえます。なぜなら会社の存続に影響を与えるのは売上ではなく利益であるからです。
仮に1億円売上が増えたとしても、利益がまったく増えていなければ何の意味もありません。そもそも売上を増やすための原資となるものこそが利益です。利益がなければ売上は増えることはありませんので、利益を拡大させることに集中すると行動の選択肢は無限に拡大されます。
売上を上げようと思えば、営業担当者の教育や指導から徹底して見直すことになります。しかし利益を拡大することを始める場合には、人員を効率化させ、コスト削減や粗利改善、不採算商品やサービス・事業の終売や撤退などを検討するなど、利益拡大の対策が効果を上げていくでしょう。
利益が増えればゆとりが生まれるので、売上拡大を阻む悩みも解消させることに繋がるはずです。
余計なコストは削減したい!でもどうすれば抑えることができるのか
生産性を高めるためにはかかる費用を削減することも大切ですが、特に経営資源が乏しいとされる中小企業にとっては特に重要な部分といえます。
コストを削減することは、会社の生産性を高めることだけでなく、事業の収益性も高めます。ただ、コストを削減したくても何から手を付けてよいかわからないという場合もあれば、費用を抑えたことで売上低下や顧客離れなどが起きることに不安を感じるという場合もあるようです。
即効性のあるコスト削減の手法を身につけることも簡単なことではありませんが、無駄な費用は抑えるべきです。
そこで、発生しているコストの実態を詳細に分析することから始めてみましょう。そもそも何に費用がかかっているのか、コストの構造自体が把握できていなければ削減しようがないからです。
コストはどのように分析するのか
削減の余地がある費用かを徹底的に分析していくことで、抑えることができる部分が見つかる可能性があります。
例えば、
- ・事業活動にかかっているコストの種類
- ・発生しているコストは事業活動に貢献するものか
- ・発生しているコストの増減の状況
- ・増加しているコストがある場合、その理由
などがあげられます。
コストそのものの分析作業を怠り、単に削減しようとしてしまうと、抑えてはいけないコストまで削減させてしまう可能性があります。
事業活動に貢献できているコストは削減するべきではありませんが、意味のないコストは抑えるべきです。この見極めが正しくなければ、コスト削減を実行したことが会社経営に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼすことになってしまいます。
資金繰りの悩みはどのように解決させればよいか
資金繰りに悩む中小企業の多くは、運転資金をどのように調達すればよいかで頭を抱えていることが多いようです。
事業活動にはいろいろな資金が必要となりますが、日頃の事業活動で必要とする運転資金だけでなく、会社が成長するためには設備投資の資金なども必要です。
もし事業活動が順調で、収益も潤沢なら自社の余裕資金でその費用を賄うこともできるでしょう。しかし、財力に余裕のないことが多い中小企業では、一度に多額の資金を自社で準備することは容易ではなく、何らかの方法で資金を調達しなければならないことがほとんどです。
資金繰りの悩みを解決させるポイントは代金の回収
資金繰りが悪化している原因は、売上の代金が未回収なのに仕入れ代金などの支払いが多く発生するからです。
早く売上代金を回収できれば、支払いに行き詰ることはなくなるでしょう。当然、回収する代金のもととなる売上向上も重要ですが、売上が上がっても代金が回収できなければ支払いもできず、結果として倒産してしまいます。
未回収の売掛金などが残ったままになっていないか、請求し忘れている売上代金は存在しないか、改めて確認してみましょう。
資金繰りの妨げとなるのは売掛債権
資金繰りが悪化する要因として考えられるのは、売掛金や受取手形など、売掛債権の現金化が遅れていることです。
帳簿では黒字なのにちっともお金が増えていると感じられず、いつも資金繰りに悩みを抱える事態に陥るという場合、売掛債権の回収期間が長期化していないか確認してみてください。
もし売掛債権の回収期間が短縮され、予定よりも1か月や2か月先に代金が入金されたとしたどうでしょう。現金の回収を急ぐだけでも資金繰りは改善させることができるので、現金収支を最優先させることも必要なことといえます。
お金の流れがスムーズになれば本業に専念できる
会社経営においてお金の流れ重視することは、資金繰りの改善だけでなく投資を効率化させたり利益水準を改善させることにも繋がります。
資金繰りが改善すれば、会社の利益も増やすことに集中することもできるので、本業に安心して専念できるはずです。
利益が拡大されれば銀行など外部からの設備投資のための資金も容易に調達できるようになるでしょう。そこから新たな利益が生まれれば、事業もどんどん拡大させていけるようになるかもしれません。
まとめ
日本の中小企業の経営者のほとんどは、毎月の資金繰りの悩みを抱えており、どうすればスムーズにお金が流れるようになるのか日々考えているようです。
売上が増えないことが資金繰りを悪化させているのだと思いがちですが、少し着目点をずらして考えてみましょう。
事業を継続する上で売上を向上させることはもちろん大切ですが、何よりもその売上代金が早期に現金化されることが大切です。
利益は上がっているのに、手元の資金が尽きれば会社は倒産してしまいます。反対に赤字経営でも、手元の資金が尽きなければ会社は倒産しません。
事業を継続する上で大切なのは、売上だけでなくその先の利益をあげることなので、そのために行うべきことをまず考えてみるようにしましょう。
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