資金が不足している状況において、先方からの支払いの催促などは何とかクリアできても、つい税金などは後回しにしてしまっているケースは少なくありません。
しかし、税金はいつまでも支払わずに放置していると、財産を差し押さえられるなど事業が継続できない状況に陥ってしまいます。
そこで、税金を滞納してから差し押さえになるまで、どのような経緯をたどるのか、もし税金が納付できない場合はどのように対処すればよいのかご説明します。
目次
税金以外でも差し押さえの対象になる支払いに注意
税金を滞納したままにしておくと、最終的に保有する財産を差し押さえられることになり、公売や取り立てによって強制的に金銭に換えることとなり、滞納した納税資金に充てられることになります。
そのため、個人・法人に関係なく、課税された税金は必ず支払う必要があると理解しておくべきです。期限内に税金を納めなかった場合、その税金を滞納したこととなるため、ペナルティが発生します。
なお、税金以外の国民健康保険料や国民年金も税金と同様の扱いとなり、滞納すれば差し押さえの対象です。
確定申告を行っていないことによる税金の滞納の扱い
たとえば定められた確定申告の期限に間に合わなかった場合や、うっかり申告を忘れていたという場合もあるかもしれません。
このような期限後申告においては、もともと納付すべきだった税金に上乗せして無申告加算税が課税されます。
ただし、期限後申告を法定申告期限から2週間以内に自主的に行っている場合や、期限後申告にかかる税金を法定納期限までに全額納付する場合、期限後申告を行った日の前日から起算して5年間までに無申告加算税や重加算税が課税された事実がない場合などは、無申告加算税はかかりません。
確定申告を税務署で行うことにより、所得税、消費税、個人事業税、個人住民税が課税されることになります。
法人であれば、法人税、地方法人税、消費税、法人事業税等、法人都道府県民税、法人市町村民税の申告を行うことにより、税金が確定されます。
税金を分割して支払う方法
もし長年申告を行っておらず、複数年分の申告を行う場合においては、納付する必要のある税金が多額になるとも考えられます。
基本的に税金は現金一括払いすることが必要ですので、申告と同時に税金も一括納付することになります。
しかし、とても一括では支払うことができないという場合、つい滞納してしまうこともあるようです。
この滞納している期間が長くなると、まずは納税者に電話、または督促状により連絡が入り、それでも納税しなければ差し押さえという手続きが行われます。
しかし、滞納している税金を管轄している税務署や自治体などに連絡し、直接出向いて、納税できない事実を伝え、今後の納税計画について相談することで分割納付が認められることもあります。
最も好ましくないのは、何の連絡もせずにただ滞納したまま放置していることです。支払う意思がないとみなされ、財産を差し押さえる手続きに移行されることになるためまずは連絡して相談してみましょう。
差し押さえ手続きはどのように行われるのか
法律的には、納期限から一定期間が過ぎればいつでも差し押さえ手続きに移行できます。
しかし、納税者側の事情などを考え、すぐに差し押さえの手続きを行うのではなく、何度か連絡を促すような文書の送付がなされるはずです。
連絡・相談を行い、決めた約束通りに分割でも納付を続けていればよいですが、資金不足なので分割納付もむつかしくなったときが問題となります。
さらなる催告を無視し、長期間納付が滞っている場合などは、やはり差し押さえの対象となるでしょう。
差し押さえの対象となる財産
差し押さえの対象となる財産は、一般的に手続きが容易な預貯金からで、まだ不足分がある場合には自動車などの動産、不動産などの固定資産、売掛金や保証金など資産性のある債権を差し押さえます。
どれも差し押さえの対象になるのは困るでしょうが、最も注意しておきたいのは売掛金の差し押さえです。
売掛金の差し押さえを行う場合、取引先に連絡が入ることは避けられません。
税金を滞納している事実を取引先に知られてしまうので、その後の取引に影響を及ぼす可能性も出てきます。
税金滞納で差し押さえになることを回避するために
基本的には各官公庁に直接出向いて、今後どのように納税するのか相談しましょう。
毎月、一定額の支払いができればよいですが、資金繰りの関係性で支払いが困難なタイミングもあるかもしれません。
そのような場合、どのような支払いスパンで計画を立てていけばよいのか相談し、決めた返済期日は守るようにしてください。
なお、税金には様々な種類がありますが、種類によって対応してくれる窓口は次のように異なります。
- ・税務署で対応する税金…法人税、消費税、地方法人税、源泉所得税などの国税
- ・都道府県税事務所…法人都道府県民税、法人事業税等、個人事業税などの都道府県税
- ・各市区町村…法人市町村民税、個人市民税の市町村民税
税金を滞納した時にかかるペナルティ
税金を滞納すると、次のような延滞税などの罰金が課税されます。
国税
- ・延滞税
- ・利子税
- ・過少申告加算税
- ・無申告加算税
- ・不納付加算税
- ・重加算税
地方税
- ・延滞金
- ・過少申告加算金
- ・不申告加算金
- ・重加算金
特に注意しておきたいペナルティ
これらの延滞税などのうち、特に注意しておきたいペナルティ(附帯税)についてご説明します。
●無申告加算税
先にのべた申告を行っていないことによりかかる無申告加算税は、所得税や法人税、消費税などの国税に対して課税される税金です。
自主申告の場合は本来かかる税金(本税)の5%、税務調査の後で申告を行う場合は本税の15~20%課税されます。
●不納付加算税
給料などから徴収される源泉所得税に対するペナルティが不納付加算税で、税務署から調査を受けて請求される前であれば本税の5%、調査・請求後なら本税の10%課税されます。
●延滞税・延滞金
所得税、源泉所得税、法人税、消費税などの国税に対してかかるペナルティが延滞税です。
対して延滞金は、法人道府県民税、法人市町村民税、法人事業税等、個人住民税、個人事業税などの地方税に対するペナルティとして課税されます。
本税に対する割合で期間に応じて課税されるため、利息のような意味合いで課される税金といえるでしょう。
延滞税などが課税される期間は、本来の申告しなければならなかった期限から納付する日までの間です。
延滞する期間が長くなればなるほど、かかるペナルティも大きくなるので、早めに申告を行うことが大切です。
●重加算税
単に申告を行わなかったという理由だけで発生する税金ではなく、意図的に所得を隠していた場合や隠ぺいしていた場合に対象となるのが重加算税です。
対象となるのは、所得税、法人税、消費税などの国税で、一般的なケースでは本税の35%の割合で課税されるためそれでもかなり負担がかかりますが、無申告者でれば無申告重加算となり40%の重加算税が課税されます。
納税資金に困ったらファクタリングを検討してみては?
納税資金を準備しようと融資の申し込みをしても、税金滞納が理由で審査に通らず、税金の支払い資金を準備できないという場合もあるでしょう。
このような場合、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、現金化するファクタリングにより納税資金を準備することを検討してみてはいかがでしょう。
ファクタリングであれば、審査はファクタリングを利用する会社に対してではなく、売掛先に対しての信用力を重視します。
そのため、資金難に陥っている場合や、税金を滞納している場合でも利用できる可能性が高くなります。
税金を滞納して差し押さえのリスクを今以上に高めてしまわないためにも、検討してみることをおすすめします。
まとめ
税金を滞納していても、延滞している税金にはペナルティとして延滞税などが課税されることになりますし、放置していれば財産を差し押さえられてしまいます。そうなる前に早めに管轄の窓口に連絡し、分割納付などできないか相談してみましょう。
いずれにしても納付が完了するまでは延滞税が課税されることになります。無駄な税金が発生してしまうことになりますので、ファクタリングなどを有効に利用し、早めに税金の納税を済ませることも検討してみるとよいでしょう。
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