キャッシュフロー改善のためにやるべきこととやってはいけないこと

2019/02/05
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企業経営にとって、資金繰りはずっと続くテーマであり、いかにキャッシュフローを改善させるかで頭を抱えていることも少なくありません。

そもそもキャッシュフローとは、一定期間におけるお金(キャッシュ)の増減を示しますが、成長している企業の場合、特に資金が不足しがちです。

そこで、キャッシュフローを適切に管理し、改善させていくためにはどのような方法があるのか、安定した企業経営のために必要なことをご説明します。

 

成長している企業が資金不足に陥る理由

まず、成長段階にある企業が資金不足に頭を悩ませがちなのはなぜなのでしょう。売上が伸びて成長しているのなら、資金が不足する状況に陥るわけがないと考えてしまうかもしれません。

しかし、売上が伸びているということは、その事業に対する需要も高まっているということです。ニーズに応えるためには、新店舗を開設したり、工場増設、設備や流通拠点の整備といった、様々な投資が必要となり、そのための資金が必要になってきます。

拠点を増やせば人員も補わなければならず、仕入れも増えるなど必要な運転資金も多くなるという流れです。

さらに、売掛債権も増えることになるので、売掛代金が入金されるまでの間の資金繰りが重要となります。上手く資金繰りを行わなければ、業績が順調だから事業を拡大したのに、支払いが追いつかなくなってショートしてしまい、最悪、倒産に至るケースも少なくないのです。

 

景気が低迷したときはもっと悲惨な結果に…

事業を盛りたてていこうと設備投資のために銀行融資で資金を調達し、すでに担保を使い切っている状態で景気が低迷し、結果として売上が落ちて経営破たんするケースも多々あります。

原因は過剰な設備投資とそれに伴う多額の利息で収益力が低下し、新規で融資は受けられない状況なのに借入金返済負担が大きくなりすぎてしまい、キャッシュフローを悪化させて行き詰ってしまうことです。

企業が成長期を迎えているときは、財務体質を強化させることを念頭に入れ、自己資本に見合う資産を増やすこと、役に立たない資産を持たないこと、簡単に銀行からの借り入れに頼らないことが大切になります。

内部留保を厚くしていくことが望ましく、ときには増資で自己資本を増やすことや、社債発行などで間接金融ではなく直接金融への対策を立てていくことを検討しましょう。

 

安易に借り入れに走らず直接金融へのシフトを

資金調達を行う方法として、銀行などから借り入れを行う間接金融と、市場などで資金提供者から資金を得る直接金融に分けることができます。

これまで、企業の資金調達方法といえば、銀行など外から借り入れを行う間接金融が主流だったといえます。その理由は、景気がよいときには銀行に頼めばいくらでも資金を借りることができるなど、手っ取り早さがあったからです。

しかし、これからは間接金融ではなく、できる限り直接金融へとシフトさせていくことも検討しましょう。

 

銀行に頼ることができなくなった今、自分の身は自分で守る!

銀行も商売ですので、自分の身を守ることに精一杯になっており、取引先の企業のことを考えている余裕はありません。銀行を頼ることができなくなった以上は、直接資金を調達することを考えていくしかないといえます。

直接金融はこれまで大企業だけが実践できる資金調達の手法だと考えられていたようですが、今は中小企業なども増資や社債発行が可能となっていますし、いろいろな制度や市場なども創設されています。

 

収益を生まない資産はさっさと売却する!

利用するよりも、地価の値上がりを期待して所有しておくことを目的に購入した不動産などがあるなら売却することも検討しましょう。

仮に利用していたとしても、たいした収益を生み出さない不動産は所有していても意味がありません。保有していることで、固定資産税や管理・修繕などのコストを発生させるだけです。

他にも株式やゴルフ会員権など、価格が下落した状態で保有していることがありますが、今売ると損になると処分できずそのまま…という場合も売却を検討するべきです。

 

今売ったら損…と考えるのはさらに損に繋がる可能性大

いずれは値上がりするだろうと期待して待っていても、値上がりしないどころかさらに下落する可能性もあります。

遊休資産や低収益資産は早期売却を行い、キャッシュにかえることで資金繰りを改善させることができます。

遊休資産を売って損失が生じた場合には売却損で計上することができますので、納税資金の流出を抑えてキャッシュフロー改善に繋げることもできるはずです。

 

融通手形を使った資金調達は危険!

企業で手形を扱っている場合もあるでしょうが、通常、手形は商品などの売買代金を決済するために振り出されます。

しかし、銀行などから融資を受けられなくなった企業などでは、当座の資金繰りを行うことを目的として、キャッシュを作るために振り出される融通手形が利用されることがあります。

 

融通手形を使った資金調達の仕組み

たとえば、取引先に自社を受取人とする手形を振り出してもらい、取引先には振り出してもらった手形代金プラス利息分の額を手形期日までに支払う契約を締結します。

自社は取引先から受け取った手形を銀行で割り引いてもらい、資金を調達するという方法です。

 

銀行に知られれば取り合ってもらえなくなる

仮に自社だけでなく、取引先も資金繰りに困っていて資金を調達したいと考えている場合には、互いに同じ額と期日の手形を振り出し合い、それぞれ銀行で手形割引による資金を調達することもできるでしょう。

存在しない取引で資金を作ることができるため、簡単に資金が調達できると考えてしまいがちですが、商品を販売した代金と見せかけた手形割引を行うことになるので、銀行に知られればもう取りあってもらえることはなくなると考えておくべきです。

 

融通手形の振り出しを延々と繰り返すことになる

そもそも資金繰りに行き詰った状況で融通手形を使えば、その後、手形の決済資金がまた不足することになりさらに融通手形を振り出すことになってしまいます。

何度も同じことを繰り返し、手形を割り引いてもらうたびにかかる割引料がかさんで、いずれは資金が調達できなくなりショートしてしまうことになるでしょう。

自社と取引先で融通手形を振り出し合い、仮に取引先が不渡りになれば手形を割り引いた銀行からその不渡手形を買い戻さなければならなくなります。

それに加え、自社で振り出した手形分の決済を行うことも必要になるので、二重に負担しなければならなくなるリスクを十分に認識し、手を出すべきではない資金調達の手法であると理解しておくことが大切です。

 

手形ではなく売掛金の売却なら?

手形と同じ債権でも、売掛金ならどうでしょう。企業には多かれ少なかれ、売掛金を保有していることが一般的ですが、その売掛金を売却して期日より先に現金化することにより資金を調達するファクタリングという方法もあります。

保有している売掛金をファクタリング会社に売却し、最短であれば1日で現金を確保することができる資金調達の方法で、中小企業などで活用されることが増えています。

 

借り入れではない新たな資金調達の手法

ファクタリングは手形割引とは異なり、融資という扱いではなく、売掛金の売買契約を結ぶことになります。そのため、バランスシート上でもファクタリング会社に支払う手数料分を惹かれた売掛金がそのまま現金に変わるだけです。

支払いサイトが長期に渡る売掛金を多く保有していると、売掛代金が入金されるまでの運転資金が不足しがちになり、どうしてもキャッシュフローが悪化してしまいます。

その問題となっている支払いサイトを短期化することができるので、バランスシートのオフバランス化やキャッシュフロー改善が可能になるだけでなく、手形割引のように、取引先が倒産したことで手形の買い戻しが必要になることもないのがメリットです。

 

まとめ

資金の調達を行えば、キャッシュフローは一時的に改善されることになるものの、企業の財務体質そのものが改善されなければキャッシュフローはまたすぐに悪化してしまいます。

運転資金をやっとの思いで準備したのに、またすぐに資金を調達しなければならなくなり、追加で融資を利用するなど行えば、さらにキャッシュフローは悪化してしまうことになるでしょう。

負債を増やさず、余計なリスクを抱えずに効率的に資金を調達でき、キャッシュフローの改善にも繋げることができる資金調達を実践していくようにしましょう。

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