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中小企業が実践できる資金調達の方法|それぞれの内容と特徴とは?

資金繰り2019/01/15

中小企業が資金調達することを考える場合、どのような手法を用いるか頭を悩ませることもあるでしょう。

資金調達の方法として、考えられるのは銀行融資など負債で資金をつくるのか、それとも資産や資本をもとに資金を生み出すのかです。

そこで、それぞれ具体的にどのような方法で資金を調達していくことになるのか確認していきましょう。

 

負債もとにして資金を調達する方法

銀行やノンバンクからの融資など、借金で資金を調達する方法です。融資先によって審査で重視される項目や設定される金利、利用条件などが異なりますのでそれぞれ確認しておきましょう。

 

日本政策金融公庫

100%国が株式を保有している、財務省管轄の特殊法人日本政策金融公庫です。民間の金融機関ではないので、営利ではなく、企業の活動を支援して日本経済が活性化されることを目的とします。

民間の金融機関より審査は比較的甘く、金利も低く設定されますが、細かい利用条件が決められている点には注意が必要です。

 

信用保証協会の保証付き融資

銀行から融資を受ける方法の1つで、公共機関である信用保証協会の保証を付けた上で借入れを行います。保証が付くことで銀行も貸倒リスクを回避できますので融資されやすくなりますし、比較的審査は甘めで金利も低い設定です。ただし、保証協会に対する保証料が発生します。

 

銀行からのプロパー融資

信用保証協会からの保証を付けた上で融資が行われるのなら、万一企業が倒産した場合でも信用保証協会から銀行に弁済されるので、銀行は貸倒リスクを回避することができます。

プロパー融資の場合、銀行自身が貸倒リスクを負った上での融資ですので、融資を行った企業が倒産すれば融資した銀行が全額貸倒損失を抱えることになります。

そのため、融資を希望する企業の利益や取引実績の有無、銀行に利息収入が大きく見込めるかなど勘案した上、慎重に審査が行われます。

億単位での融資も可能となる反面、審査を通過することが厳しくなるのがプロパー融資の特徴です。

 

ビジネスローン

銀行のプロパー融資では借入れが難しい中小企業も多いため、審査基準を緩くする代わりに金利を高めに設定した金融商品です。

ビジネスローンは銀行以外にも、消費者金融やカード会社などノンバンクでも販売されています。ノンバンクであれば銀行のビジネスローンより、さらに審査に通りやすくなり、即日融資も可能になるなどメリットは高くなりますが、その分金利も高くなります。

 

不動産担保ローン

不動産を担保にして資金を借入れる方法で、担保となる不動産には土地や建物、店舗、工場、駐車場など様々です。万一、返済不能状態に陥った場合、担保として差し入れている不動産は金融会社が差し押さえることになり売却され返済に充てられます。

金融機関としては貸倒リスクを軽減させることができますので、ビジネスローンのように何も担保に付けない無担保ローンより審査基準は緩やかです。

金利も無担保ローンより低い設定となり、最長35年など長期間借入れすることもできますし、すでに抵当権が設定されている不動産で、2番抵当になる場合の不動産でも担保として差し入れできるものメリットといえます。

 

売掛債権担保ローン

売掛債権を担保に差し入れることで資金を借入れする方法です。こちらも無担保ローンより審査が緩やかで金利も低めですし、担保分であれば高額な借入れも可能となるケースが多くなります。

ただし、不動産担保ローン同様に、返済不能状態に陥れば売掛債権は売却されることになってしまう点は理解が必要です。

 

資産から資金を生み出し調達する方法

 

資産にもいろいろありますが、不動産や設備、債権などを売却して現金化することが主な方法です。資産から資金を生みだすことを考えるのなら、まずは使用していない資産を売却することから検討しましょう。

中小企業でも様々なものに投資を行っているケースは多々あります。例えば、新事業を始めるために買ったソフトウェアや、使っていないオフィススペースや福利厚生を充実させるためのサービスなど、探していけば不要な資産がみつかる可能性もあります。

ポイントとして、会社が利益を生むために貢献できてない資産のうち、売却する価値があるものを探すことです。

他にも、資産から資金を生みだす方法はいろいろありますので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

 

抱えている在庫を処分する

また、商品を販売している企業であれば、売れ残りや古い型式のものなどが在庫として多く存在している場合もあります。在庫を保有していれば管理コストも発生するため、いっそ売却したほうがよいとも考えられるでしょう。

ただし、即現金化する場合においては、販売価格を低く設定しなければならなくなるなど、損失が出る可能性もあることは理解しておいてください。

 

有価証券を売却する

付き合いや余剰資金の運用のために、株式を保有している中小企業もあるかもしれません。資金に余裕があれば保有していてもよいでしょうが、資金調達する必要がある状況にある企業では、経営に役に立たない株式や債券は売って資金にしたほうがよいと考えられます。

株式や債券など、流動性が高い資産は現金化するまでの時間もかからないのもメリットです。

 

不動産を売却して資金を作る

事業が円滑で経営状態が良好なときに、自社ビル購入や不動産投資を行う中小企業もありますが、まとまった資金を必要とする場面においては、不動産を売ることも方法の1つとして考えましょう。

ただし、不動産は流動性が低い資産ですので、現金化するまで一定時間が必要になることはデメリットです。また、自社ビルを売却した場合には賃貸オフィスを契約して様々な手続きを行うなど手間がかかってしまったり、一時的に事業をストップさせなければならなくなる可能性もあるので、計画性を持って実行することが大切になります。

 

ファクタリングを利用する

売掛債権を売却して現金化する方法がファクタリングです。売掛金などの売掛債権は、入金までに1か月や2か月といった期間がかかります。売掛金の入金が行われるまでの間、仕入代金や税金、従業員に対する給料など経費の支払いが発生すると、資金が不足してしまうこともあるでしょう。

このような場合、入金予定の売掛金などを現金化し、資金繰りを改善させることを目的としている資金調達方法です。

売掛債権を売却するファクタリング会社に対して5~20%程度の手数料を支払うことが必要になりますが、即日現金化できる場合もある上に、借入れではないので利用企業の経営状況などは関係なく利用できます。

 

仮払金を回収する

経営者が会社からお金を借りている場合や、経費で処理できない支払いを仮払金で処理している場合、また、経営者のプライベートで使ったお金なのに法人カードで決済している場合などもあるかもしれませんが、この場合、経営者からその資金を回収することを検討しましょう。

中小企業で多くみられがちなのが、このような経営者に対する仮払金の発生です。しかし、仮払金はあくまでも仮に支払っているお金であり、返済してもらうことが必要ですので、いずれは清算する必要があることを理解し早めに対処することが必要といえます。

ただし、仮払金清算は経営者からの返済になるため、経営者本人が苦境に立たされている場合は実行できない場合も出てくるかもしれません。

 

資本をもとに資金を調達する方法

資本とは会社の「株」のことですが、株式会社で経営権が高いのは、持ち株比率の大きな株主になります。そのため、経営権との兼ね合いなども踏まえながら、検討していくことが必要な資金調達の方法といえます。

資本から資金を調達する方法にもいくつか種類がありますので、それぞれの方法を確認しておきましょう。

 

増資

返済義務のない資本金を増資することで、資金調達が可能となります。まずは株主に、増資によりどのようなメリットが享受できるのか理解を得ることが必要です。

株主が企業なら、業務提携や相乗効果によるメリットについて、個人投資家であれば企業上場や合併など資金の出口など説明し、理解を得ることで増資できる可能性が広がります。

ただし、第三者の資本を増やすということは、経営者の経営権が弱くなることは理解しておきましょう。

 

ベンチャーキャピタルによる出資

上場の可能性があるなど高い成長率が見込める未上場の企業に出資を行い、上場したときやM&Aなどで成長した後に株式や事業を売却し、利益をあげる投資専門会社をベンチャーキャピタルといいます。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるには、どのように上場を目指すのか、市場の成長性や競合での優位性などが重要です。成功すれば数億円単位で資金を調達できる上に、企業の成長スピードも加速できます。

ただし、ベンチャーキャピタルが経営方針に口を出してくることもあるでしょうし、経営者の経営権が薄くなる可能性があるので、その点は注意が必要です。

また、ベンチャーキャピタルは民間だけでなく、主要都市に設置されている「中小企業投資育成株式会社」など政府系のベンチャーキャピタルも存在します。政府系機関であり、中小企業を育成することを目的としているため、民間よりも出資を受けるまでの壁は低くなります。

経営に口を出されるケースも少ないことがメリットと感じる反面、経営に対するアドバイスも弱くなってしまうようです。

 

エンジェル投資家から出資を受ける

創業して間もない企業に対して投資を行う個人投資家のことです。次世代の起業家を応援するため、資金面だけでなく人脈を活かすビジネス部分でのバックアップも受けることができます。さらに、ベンチャーキャピタルより上場に対してプレッシャーを抱えなくてもよく、経営方針に口を出される可能性も低いでしょう。投資の見返りとして、株式や転換社債などをエンジェル投資家に渡すことが一般的です。

ただし、エンジェル投資家をみつけることが難しく、インターネットのマッチングサイトなどで探すことになります。また、いざみつかったとしても、気に入ってもらえるかはわかりません。

 

クラウドファンディング

エンジェル投資家は個人の富裕層の投資家ですが、クラウドファンディングは小口の個人投資家が共感したプロジェクトに対して出資を行います。

専用のインターネットサイトなどで、どのようなモノやサービスを作り提供していきたいのかなど、アイデアやプロジェクトなどの内容を起案し、参画した複数の個人投資家が投資を行う方法で多額の資金調達が可能となります。

ただし、プロジェクトが薄く、共感を得ることができなければ資金を集めることはできませんし、支援してくれた投資家に対して完成品を先行して購入できるなど何らかのリターンを設定することも必要となります。

 

従業員持株会

従業員の給料から一定額を資金として拠出してもらい、従業員持ち株会が株主になって会社に出資を行う仕組みです。

従業員にとっては毎月少ない資金で財産を築くことができることに繋がりますし、株主になれることでモチベーションも高まり、会社に貢献する姿勢や働く意欲は上昇するでしょう。経営方針に口を出してくることもありませんし、買収などの防衛策にもなります。

ただし、ある程度、会社に将来性が見込めなければ、給料から一定額が天引きされることで従業員のモチベーションが低下していく可能性もあります。

 

中小企業に対する補助金や助成金などもある

他にも、国や地方公共団体などが企業や事業そのものに資金を支給する補助金助成金などもあります。

返済する必要のない資金が支給されますので、中小企業の経営者なら補助金や助成金を利用できる対象にならないか考えたことも少なくないでしょう。

しかし、目的に沿わない企業には給付されない資金であり、予算も決められていることで審査を通過しなければ支給対象にはなりません

すぐに資金調達が必要という状況に立たされている場合にも適さないので、即日現金を得ることができる方法や、資金調達した後に資金繰りがスムーズになるかなどを踏まえた上で、どの資金調達方法を選ぶか決めることが大切です。

 

まとめ

このように、中小企業が資金調達するには、負債から資金をつくるのか、それとも資産や資本で新たに資金を生み出す方法があり、さらにいくつかの種類に分けられそれぞれ特徴やメリット・デメリットなども異なります。

利用できる資金調達方法は数多くありますので、急ぐあまり間違った方法を選択してしまうと、一時的な危機はしのげてもその後の事業継続に影響を及ぼす可能性も出てきます。

経営方針や会社の状況に応じて、自社に適していると思う資金調達方法を検討するようにしてください。

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