ベンチャー企業の多くが資金繰りに頭を悩ませています。もちろん、多くの方が一定の自己資金をためてから起業しています。しかし全てが計画通りにいくとは限りません。
売上が予想を下回ることもあるでしょう。
出費がイメージよりも大きくなってしまうこともあるのです。
ベンチャー企業にとっての資金繰りの悪化は、ある意味では想定内です。資金力がないので資金難に陥るのは仕方ありません。問題はどのようにしてそのような窮地を脱出するのか、という部分です。
こちらではベンチャー企業向けの資金繰りを解決させる資金調達方法を紹介します。
企業の資金調達というと銀行やノンバンクからの「融資」をイメージする方が多いと思います。しかし銀行やノンバンクとベンチャーは相性が悪いのです。
ベンチャー向けの資金調達ということで「銀行とノンバンクの融資」以外の方法をお伝えします。
目次
ベンチャーにおすすめできる資金調達法その1|出資
・ベンチャーキャピタルからの出資
・エンジェル投資家(個人投資家)からの出資
出資とは資金提供を受ける代わりに株式を発行し手渡すことを指しています。要は自社が発行した株式を購入してもらうのです。
出資がベンチャー企業におすすめの理由として、「返済がない」というものがあります。一般的な融資の場合は、借り入れを行った翌月から基本的に返済が開始されます。要は一定の返済能力がなければ利用できない、ということになるのです。
しかしベンチャー企業には体力がありません。すぐに返済が始まってしまえば、会社の経営をかえって厳しくしてしまうことも考えられるわけです。融資を受けたことによってかえって資金繰りが悪化するわけです。
出資に関しては、資金提供を受けた時点ですでに見返りを出資者に提供しています。株式を渡しているわけです。よって返済の必要はありません。資金を確保したまま経営を行っていける、といったメリットが出資にはあるわけです。
ちなみに出資に関してはベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から実施されることが多くなっています。自社のサービスや商品に魅力を感じた彼らから資金提供を受けることになるのです。
・出資の注意点とは?
持株比率には注意を払ってください。
経営者の持株比率が低くなり、出資派の持株比率が高まってしまうと経営に大きな影響を与えてしまうのです。あまりに多くの株式を渡してしまうと、経営権を奪われてしまうかもしれません。持株比率には気をつけつつ出資による資金調達を実施しましょう。
将来的に上場を目指さなければならない、といった特徴も出資にはあるわけです。出資者の目的は、取得した株式の価値の上昇です。将来的に数倍や10倍などの価格になることを期待して資金提供しています。
上場に関しては経費もかかります。ベンチャー企業としては負担にもなりかねません。
ベンチャーにおすすめできる資金調達法その2|ファクタリング
・売掛金を持っていれば創業当初でも利用可能
ベンチャー企業が銀行やノンバンクから融資を受けられない理由が「信用がない」というところです。ベンチャー企業は小規模経営であり、しかも業歴が短い、といった特徴があります。返済能力がないと判断されて貸し出しが受けられないのです。
一方のファクタリングは自社の返済能力は全く関係ありません。
ファクタリングとは売掛金の売却となっています。そもそも売掛金は誰が支払うものでしょうか?売掛金は売掛先が支払うものであり自社が支払うものではありません。よって自社の信用は関係ないのです。
売掛先の信用が審査では大きなテーマとなるので、ベンチャー企業であったとしても資金調達法として利用できる確率が高いわけです。
・ファクタリングの有効活用方法
入金までに時間がかかるものを利用するのが効率的です。
ベンチャー企業の資金繰りが悪化する原因として、売掛金の入金までの期間があります。入金までは売上の発生から1ヶ月から2ヶ月程度もかかってしまうのです。その間に資金繰りが悪化することになります。
入金が先に設定されている売掛金を前倒しで入金させれば、それだけ資金繰りが改善することになります。
・ファクタリングの注意点とは?
取引方法によっては、取引先からの信用を失ってしまう、ということがあります。
3社間取引を選択すると、ファクタリング利用時に売掛先に通知がされてしまうのです。
「ファクタリングを利用するということは経営状態が悪いのではないか?」
といったように勘ぐられてしまい、今後の取引量を減らされてしまうかもしれません。
売掛先にファクタリングの利用を知られたくないのであれば、2社間取引を選択しましょう。2社間取引であれば、自社とファクタリング業者のみのやり取りで対応できます。そのかわり3社間取引よりも手数料率が高い、といったデメリットがあるのでその点は理解した上で利用しなければなりません。
ベンチャーにおすすめできる資金調達法その3|助成金や補助金
・国や地方自治体からの資金調達方法もおすすめ
銀行やノンバンクとは大きく異なっているのが国や地方自治体からの助成金や補助金です。
国や地方自治体の助成金や補助金の大きな特徴は、ベンチャー企業を対象とした資金提供の制度がある、という部分です。中小企業等に特に手厚い対応をしてくれることが多く、さらに創業間もない企業に対する専門の制度まで用意してあるのです。
ベンチャー企業が銀行やノンバンクから融資してもらいにくい理由には、企業としての規模の小ささと業歴の短さがあります。しかし国や地方自治体の助成金や補助金については、かえってそのマイナス面が利用できる条件となってくるわけです。
助成金や補助金に関しては出資ではなくので、経営権や株式を維持できる、といったメリットがあります。株式を発行して国や地方自治体に渡す必要もありません。さらに返済の必要もありません。ベンチャーの資金調達方法としては言うことなしなのです。
・助成金や補助金の注意点とは?
申し込みに対する手間がかかります。さらに時間もかかります。
厳しい審査があるので、必ずしも助成金や補助金を利用できるわけではありません。審査落ちになってしまう確率も十分にあるのです。
特に労働環境の整備が遅れていると審査落ちの対象となっています。社会保険に加入するなど、労働環境を整えた上で申請しましょう。
さらに補助金や助成金に応募できる時期も決まっています。すぐに募集を締め切ってしまう可能性もあるので、定期的にチェックしておかなければなりません。
ベンチャーにおすすめできる資金調達法その4|日本政策金融公庫の制度融資
・ベンチャー企業向けの制度融資あり
日本政策金融公庫は国が100%出資している金融機関です。
その日本政策金融公庫は銀行からは融資されにくい企業に対して積極的に融資を実施しているのです。
例えばスタートアップ企業の場合には、新創業融資なるものがあります。創業間もない時期は銀行やノンバンクから敬遠されがちです。日本政策金融公庫はそのような業歴の短い企業も見捨てません。
融資スピードが比較的早いところも魅力の一つとなっています。最短2週間で融資が実行されます。1ヶ月や2ヶ月かかっては間に合わない、といったベンチャー企業でも有効活用できるわけです。
・日本政策金融公庫の制度融資の注意点とは?
自己資金が一定額は必要であるところです。自己資金が用意できない方や少額しか用意できない方は希望額の調達が難しいでしょう。
調達可能額は最高で3,000万円(運転資金)や7,200万円(設備投資資金)までとなっています。しかし1件あたりの平均調達額は300万円程度です。高額の資金調達は難しい、といったデメリットも覚えておく必要があるでしょう。
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