資金繰りを改善させることは簡単ではありません。多くの企業が資金繰りを改善しようと様々な対処をしているのです。しかしうまくいかない企業も少なくありません。
資金繰りを改善させる、ということですが単に資金調達をすればよいのではありません。もっと効率化しなければならないのです。資金調達をするにも、会社にとって適切であるかを確認してから行わなければ意味のないことになってしまいかねません。
こちらでは資金繰りの効率化を売掛金や設備投資からお伝えします。
実は売掛金や設備投資が原因で資金繰りが悪化する企業が多いのです。売掛金と設備投資について問題なく対応できるようになれば、資金繰りは自然と良くなっていくでしょう。
資金繰りと売掛金|掛け取引による入金と出金のズレを解消する
・仕入債務支払いサイト
・売上債権回収サイト
上記の2つのズレによって資金繰りが悪化します。
先に仕入債務支払いサイトが来てしまう場合には、入金前に対処しなければならないに事になってしまいます。売上金がまだ入っていないのに支払うことになってしまえば、少ない資金の中でやりくりをしていかなければなりません。資金繰りが悪化しやすいわけです。
一方で逆であれば資金繰りは改善するはずです。
仕入債務支払いサイトがあとに来て売上債権回収サイトが先にくれば良いのです。
先に入金が来ていれば、入金を支払いに回せます。資金がある状態で支払いができるので、資金繰りが悪くなることはありません。
よって資金繰りを効率化させたいのであれば、仕入債務支払いサイトと売上債権支払いサイトのズレを解消させましょう。
ズレが解消することで窮していた支払いにも対応できるようになるはずです。
ただし仕入債務支払いサイトと売上債権回収サイトに関しては、取引先の理解が必要になります。仮に承諾されなければ、ズレを解消できません。比較的難しい資金繰り効率化の方法でもあるのです。
・現金決済を増やすのも改善方法の一つ
売上についてですが、掛け取引を減らしてみましょう。
掛け取引を減らして現金決済を増やすのです。現金決済であれば、売上と同時に会社にキャッシュが入ってきます。すぐに資金繰りが改善することになるので、仕入債務支払いサイトと売上債権支払いサイトのズレを気にすることもなくなります。
ただし、基本的に企業間取引は掛け取引を実施しています。すべてを現金決済で対応するのは難しいでしょう。ですから一部の取引先のみ現金決済をしてもらうような対処法が現実的な案となります。
現金決済をしてくれたら、5%値引きをする、というような交渉を実施すれば対応してくれる企業も増えるかもしれません。
<2>資金繰りと売掛金|売掛金を早期現金化する
・現金化にタイムラグがあるから資金繰りは悪化する
なぜ掛取引で資金繰りが悪化するのでしょうか?
その理由は掛取引にあります。売上が発生すると、大半は売掛金となるわけです。しかし売掛金はすぐに入金されるとは限りません。入金されるまでには一定の時間がかかってしまうわけです。
すでに売上は発生しているのに現金が入ってくるのは、1ヶ月から3ヶ月後となります。
帳簿上はすでに売上が発生しているので業績としては良いかもしれません。しかしキャッシュフローを見ると、まだ現金が入ってきていません。資金が少ない状況が続き、厳しい経営となってしまうわけです。
そのタイムラグを埋めてあげれば資金繰りは改善するはずです。
タイムラグを埋める方法としておすすめなのがファクタリングです。
・ファクタリングとは?
売掛金を売却するものです。
売掛金は決済日までに一定期間があります。その決済日が来る前に現金化するのがファクタリングというわけです。
本来であれば数カ月後に決済が来る売掛金ですが、最短即日で現金化することも可能です。
現状で資金繰りが悪化している、というケースにはかなりおすすめの資金調達方法となります。
売上が良くても資金繰りが悪化している企業は多いでしょう。売掛金は多いのに、入金はだいぶ先、というケースも有るのではありませんか?そのようなケースにもファクタリングは適しているわけです。
ただしファクタリングには手数料が発生します。決済日まで待てば満額入金されるはずですが、業者に手数料を取られてしまうので、予定よりも少ない入金となります。日常的な資金繰り対策としては適していませんが、もしものときには有効活用すべき資金調達法なのです。
資金繰りと設備投資|自己資金の投入比率が高い
・設備投資で会社の大半の資金を使うのは避けよう
資金繰りを悪化させる原因に設備投資があります。
設備投資に大量の資金を投入してしまえば、当然資金繰りは悪化してしまうのです。だからといって設備投資をしないわけには行きません。機械などが古くなってきて、切り替える時期にきていることもあるわけです。定期的に機械は入れ替えていかなければなりません。
設備投資で資金繰りが悪化する原因として、金額もあります。設備投資は高額化しやすいのです。数百万円程度で済めばまだ良いほうかもしれません。高額な機械を導入するとなると3,000万円や5,000万円、中小企業であったとしても1億円前後の資金が必要になる可能性もあります。
それだけ大金がかかるのに、全部自己資金で賄ってしまえば、当然資金繰りは悪化します。出は資金繰りを効率化させるためにはどうすればよいのでしょうか。
・借り入れを実施することも資金繰りの改善につながる
設備投資というものは事業の効率化にも関わってきます。設備投資をすることで、以前よりも利益率が向上する、というケースも珍しいわけではありません。その利益分から返済を行う、という考え方もあるのです。
要は設備投資をする時には、一部を借り入れで賄うわけです。全額自己資金で賄おうとすると、会社から一気に資金がなくなります。自由に使えるキャッシュが少なくなり、経営の自由度が低くなってしまうのです。
一方で一部を借り入れで対応すれば、借り入れた分の資金を会社内に留めることができます。資金繰りが安定し、経営の効率化も図れるようになるわけです。
前述したように利益分を返済に回すようにすれば、返済金が会社の経営を悪化させることもありません。
まずは設備投資を行うことで、月々の利益はどの程度増えるのか計算しましょう。100万円であれば、月々の返済額が100万円以下になる借り入れを行えば資金繰りは悪化しないはずです。
設備投資の自己投入資金比率にも注目しましょう。多額の資金を投入してしまうのは前述したように危険です。仕入れ代金の支払いにも窮してしまうかもしれません。
企業の体力や設備投資の金額にもよりますが、まずは半分程度の資金を借入金で賄うことからシミュレーションしてみましょう。
ちなみに設備投資資金を融資などで賄おうとするケースですが、運転資金の借り入れよりも審査難易度が低くなる傾向があります。設備投資をすることで売上がアップする確率も高いので、金融機関としては貸し出しやすいわけです。
設備投資を行う時ですが、リースを考えても良いかもしれません。機械設備等をレンタルするのです。レンタルで利用すれば、資金が会社から一気に放出されることはありません。月々レンタル料を支払って利用することになるので、急激な資金繰りの悪化は避けられるはずです。
ただしリースは設備の長期利用には向いていません。長期利用になると、購入したほうが安く済むのです。基本的には5年がボーダーラインとなります。5年を超える利用を考えているのであれば購入したほうがお得となり、5年以内であればリースのほうがお得となりやすいのです。
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