資金繰りを左右する流動資産と流動負債の比率とは

2018/06/07
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資金繰りを悪化させないようにしっかりと対処していかなければなりません。そこで注目すべきなのが、流動資産と流動負債です。流動資産と流動負債の比率をチェックすることで、今後資金繰りが悪化するのか、それとも資金繰りが適切な状態となるのかがだいたい見えてくるのです。

こちらでは今後の資金繰りを予測する一つの方法である「流動比率」についてお伝えします。

単にキャッシュの額だけを確認して資金繰りの状況を確かめていた経営者の方も多いのではありませんか?そういった方は今後のキャッシュフローを見誤ることになるかもしれません。この機会に流動比率にも目を向けてみましょう。

まずはそもそも流動資産と流動負債とは何なのか、ということについてお伝えします。

 

流動資産と流動負債とは?

・流動資産とは?

・現金
・預金
・有価証券
・売掛金
・受取手形
・棚卸資産
・債権
・前払費用

上記のものなどが流動資産として区分されます。
基本的には現状で現金に値するもの、さらには1年以内に現金化されるものを指しているのです。

流動資産が多くある、という状態は会社にとっては好ましい状況です。資金が潤沢にある、ということになるので資金繰りが悪化する心配はありません。
一方で流動資産が少ないということになると、会社に現金や現金に値するものが少ない、ということになってしまいます。資金不足が発生してしまう恐れがあり、最悪の場合には資金が枯渇して倒産してしまうかもしれないわけです。

ちなみに有価証券に関しては、長期保有のものは流動資産とはされません。基本的に投資目的として保有しており、短期間で換金化する予定のもののみを流動資産とするのです。数年間など長期的に保有する予定の有価証券については、固定資産に分類されます。

※固定資産とは・・・土地や建物といった不動産や機械装置や車両運搬具などの設備などを指しています。営業権や特許権などの無形固定資産も含められています。

・流動負債とは?

・支払手形
・買掛金
・短期借入金
・未払金
・未払費用
・前受金
・預り金など

上記のようなものを流動負債としています。
基本的には会社の主目的である営業取引で発生した債務が入ってきます。さらに1年以内に支払いの期限が到達するものも流動負債とされます。

問題となってくるのは借入金です。借入金の中には長期のタイプと短期のタイプがあります。流動負債とされているのが、短期の借入金と1年以内に返済予定の借入金です。1年以内に支出する予定であるものは流動負債に分類されるわけです。

流動負債が多い、ということは近い将来に支払わなければならないものが多い、ということになります。会社の現金が減りやすい、といった状況になっています。資金繰りが悪化する可能性が出てきてしまうのです。

流動負債が少ない場合には、近い将来に会社から出ていくお金が少ない、ということになります。会社にお金が留まりやすい状態なので、資金繰りが悪化する可能性は低くなります。資金繰りは安定する可能性が高いわけです。

※固定負債とは・・・返済期日が1年以内に到来しないもののことを指しています。例えば社債であるとか長期借入金、さらには退職給付引当金などがあります。

 

流動資産と流動負債の比率から資金繰りを予測する方法

・流動資産と流動負債の比率の計算方法

流動比率を計算します。計算方法は難しいわけではありません。

【流動比率】・・・(流動資産÷流動負債)×100%

以上の計算式で流動比率が把握できます。
流動比率は高ければ高いほど資金繰りが安定していることを指しています。一方で流動比率が少ない場合には、会社から出ていくお金のほうが多くなるので、資金繰り的にはピンチに陥っている、と考えられるわけです。流動比率が少なくなっている場合には、何らかの対策を立てなければなりません。

では実際に流動比率を計算してみましょう。

・流動資産額・・・5,000万円
・流動負債額・・・3,000万円

上記のケースで計算をしてみます。
計算式は(5,000万円÷3,000万円)×100%となります。
計算結果は「約167%」となるわけです。

問題は出てきた比率が正常なものであるのか、それとも異常なものであるのか、という部分です。

・流動比率のボーダーラインとは?

100%が一つのボーダーラインとなります。
仮に100%を下回ってしまうと、現在あるお金と近々入ってくるお金よりも出ていくお金のほうが多い、ということになってしまいます。資金繰りが悪化するというよりは、資金がショートしてしまう可能性が極めて高いわけです。

ですから少なくても流動比率に関しては100%を上回っている状況にしなければなりません。ただし100%を超えていたとしても、現金が減ってしまう恐れがあるわけです。現在ある現金を食いつぶしていく、という可能性もあります。

そこで考えるべきなのが理想的な流動比率でしょう。

・流動比率の理想的な数字とは?

200%以上となっています。
流動資産のほうが流動負債よりも2倍以上ある、というケースであれば資金繰りが悪化する可能性は極めて低くなります。売上債権などの額にもよるのですが、基本的には入ってくるお金のほうが多い状態と考えられるからです。

200%という流動比率の達成は簡単ではありません。いかに入ってくるお金を多くして出ていくお金を少なくするかを考えなければならないのです。出ていくお金のほうが多いとなってしまえば、流動比率は下がることになります。流動比率を下げないための経営戦略、というものも考えていきましょう。

 

流動比率通りにいくとは限らない!

・売上債権の回収が思い通りにならないことも

流動比率の中には、売掛金や受取手形などの売上債権が含まれているわけです。それらの売上債権ですが、必ず入金するとは限りません。支払いに遅れてくる会社もあります。支払いができなくなる会社も出てくる恐れがあるのです。
要は貸倒れ状態に陥ってしまうこともあるわけです。

流動比率が高かったとしても、売掛金や受取手形の売上債権お貸し倒れ率が高くなれば、結果的には資金繰りが悪化してしまうわけです。計画取りに売上債権を入金させる、ということが重要になってくるのです。

売上債権を計画通りに入金させるためにはどうしたら良いのか、といったことを考えていかなければなりません。

・売上債権を予定通りに入金させるために必要なこと

回収活動をしっかりと行わなければなりません。
取引先を信用することも大事かもしれません。しかし取引先が資金不足に陥ってしまうことも十分に考えられるわけです。取引先が資金不足に陥ってしまえば、当然支払いに対応できにくくなってしまいます。

そこでしてほしいことがあります。定期的に取引先企業をチェックする、ということです。要は信用調査を行ってください。取引量が多い企業ほど信用調査についてはしっかりと行うべきです。取引先の資金繰りが悪化すれば、入金額に大きな影響が出てきてしまう恐れもあるわけです。取引量が多ければ多いほどその影響は大きくなってしまいます。

信用調査を行い、取引先の資金繰りを把握しておけば傷口を広げることはありません。対応できる程度の貸倒れで済ませられることもあるのです。面倒に感じてしまうことかもしれませんが、資金繰りは会社にとって極めて重要です。定期的に取引先の信用調査は実施しましょう。問題があれば、取引量を減らすなどの措置をとるべきです。

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