財務・経理に会社の資金繰りを任せている、というケースが多いのではありませんか。もちろん優秀な財務や経理がいれば問題はありません。しかし誤った資金繰りの管理をされてしまうケースも珍しいわけではありません。誤った管理をされてしまえば倒産に至ってしまうことだってあるわけです。
こちらでは財務・経理のどのような行為が資金繰りの悪化を招いてしまうのか、ということについてお話します。資金繰りの悪化に気づくのが遅れた経験がある経営者の方は必見です。
目次
数字の根拠がない資金繰り表を作成している
・財務・経理もうまく説明できない
よくあるのが銀行などから提供されている資金繰り表のサンプルをそのまま利用している、というケースです。数字だけ打ち込んで資金繰り表を作った気分になっています。しかし資金繰り表を作成するにあたっては、自社にマッチングしたものを作っていかなければなりません。
もちろん銀行が提供したサンプルが間違っているわけではありません。しかしサンプルはあくまでサンプルなのです。そのサンプル通りになるとは限りません。そもそもなぜそのような数字が入ってくるのかの根拠がしっかりと説明できるような内容になっていなければならないのです。
資金繰り表を作成する時には、サンプルは参考程度にしましょう。自社の利用しやすいように内容を変更することも考えておくべきなのです。
そもそも業種や業態も異なります。入金サイトも支払いサイトも異なります。取引の内容も異なります。在庫の抱え方も違っているわけです。決算手段も会社によって大いに違っていますよね。どんな会社にもマッチングする資金繰り表があるわけがないのです。
面倒に感じてしまうかもしれませんが、まずは見やすい・わかりやすい資金繰り表を作成することから始めましょう。一度作成してしまえば、あとはその資金繰り表を継続して利用していけばよいだけです。労力は最初だけですよ。
・自社にマッチングした資金繰り表の目安
①作成した根拠が見る側もすぐに理解できる
②要点がすぐに分かる
③自社の取引実態や流れを反映している
上記の3つが兼ね備えられている資金繰り表でなければなりません。
まずは記載されている数字などに根拠があることです。その根拠を見る側もしっかりと把握できることが絶対条件になってきます。
要点についても把握できる内容になっていなければなりません。資金繰り表を見ても要点がつかめずに、様々な資料を確認することでやっと見えてくる、ということではいけません。
自社の経営を反映している、ということも必須となっているわけです。入金サイトや支払いサイトさえも把握していないようであれば、その資金繰り表は何の役にも立ちません。無意味な資金繰り表となってしまうのです。必ず経営を反映している状態の資金繰り表を作成しましょう。
1ヶ月分の資金繰り表しか作成していない
・1ヶ月分では作成しても意味がない
資金繰り表ですが、多くの会社で1ヶ月分しか作成していません。もちろん作成しないよりは良いのですが、1ヶ月分しか作成していないと問題が把握できないこともあるのです。
1ヶ月分しか作成していないと、来月以降の資金がどうなるのかが把握できません。そもそも資金繰りは急に悪くなるわけではありません。徐々に悪くなっていくケースが多くなっているのです。数カ月先の資金繰り表を作成することで、将来的な資金繰りの悪化に気づけることも多くなります。だからこそ1ヶ月分の資金繰り表歯科作成しない、というのは危険です。
資金繰りの予測は行わない、という会社が多いことも事実です。実際に経営破綻した会社を調べてみると、その多くが資金繰り表を1ヶ月分しか作成していなかったのです、。それらの破綻した会社が2ヶ月分や3ヶ月分の資金繰り表を作成していたら、もしかしたら異なる結果となっていたかもしれません。
・先の資金繰りを把握するメリット
資金調達までの余裕があるのが最大のメリットです。仮に1ヶ月分の資金繰り表しか作成していないと、最大でも資金調達までの余裕は1ヶ月しかありません。1ヶ月しかないとすると、資金調達の選択肢はかなり少なくなります。最短即日で調達できるビジネスローンであるとか、売掛金を現金化するファクタリングなどしか利用できないような状況になってしまうのです。
金利的に有利な銀行融資ですが、審査に時間がかかってしまいます不動産担保ローンも不動産の調査に時間がかかります。時間的に余裕がなければ利用できません。
もう一つのメリットとして、将来的な資金繰りを把握することで余裕が生まれる、ということがあります。
1ヶ月分しか資金繰り表を作成していないと、ちょっと現金が少なくなるだけで不安になってしまうのです。経営者が資金調達をいつも考えなければならない状況になってしまいます。
仮に数カ月先まで資金繰り表で予測しておけば、数が月先までは平気である、ということが分かるわけです。そうなると経営者としても資金繰り以外のことにも目を向けられるようになります。経営的にも大きなプラスになる可能性があるのです。
先の情報を把握しておく、ということは経営の中でも極めて重要なことです。会社をすぐにたたむ気があるのでしょうか。会社を存続させていきたい、と考えているのではありませんか?会社を存続させていきたいのであれば、先の情報をしっかりと把握しておくことです。
前提が説明できない資金繰り表を作成してしまう
・将来的な資金繰り表を作成する時の落とし穴
1ヶ月分だけではなく、数カ月先まで資金繰り表を作成することは良いことです。将来的な資金繰りが把握できるので、経営にも安定感が出てきます。しかしその将来的な資金繰り表の精度はどうなっているでしょうか?作成したものの実際とは大きく異なっていた、という経験をした会社も多いのではありませんか?
財務や経理に資金繰り表の作成を丸投げしていると、根拠のない数字を記入していくケースが多くなってしまいます。定期的にチェックして根拠を尋ねてみると良いでしょう。
収入の根拠と支出の根拠は大事です。その2つの根拠が見えている資金繰り表を作成してもらわなければなりません。
例えば売掛金ですが、すべてが予定取りに入金されるように設定されていませんか?しかし実際にはどうでしょう。売掛金の入金が遅れてしまう、ということは珍しいわけではありません。入金が遅れるだけではなく入金されない、ということも考えられるわけです。
それらのリスクについてもきっちりと反映しているのでしょうか。
売掛金の回収率ですが、昨年度の同時期などを参考にすれば精度の高い率が把握できるはずです。ちょっと手間になってしまうかもしれませんが、精度の高い資金繰り表を作成してもらわなければ経営破綻してしまうかもしれません。リスクは少しでも減らさなければならないのです。
対策法|資金繰り表の作成方法を柔軟に変える
過去に固執してやり方を変えない、というケースが極めて多くなっています。しかし状況に合わせて変化させていかなければなりません。資金繰り表の内容は日々変化しているのです。
事実利益率も確認してみると過去と違っていますよね。
過去と同じ利益率で計算してしまえば、その資金繰り表は何の意味もなしません。ただ時間をかけて作成しているだけです。
定期的に資金繰り表の内容を見直しましょう。より精度が高い内容に変質させていくのです。
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