税金を滞納しているということは、経営的にもかなり厳しい状況になっているはずです。さまざまな支払いが滞る可能性があるわけです。
税金滞納時ですが、資金繰りの改善をするためにはどうすればよいのでしょうか?基本的には融資を考えると思います。しかし税金を滞納している、ということを理由に融資を断られてしまう可能性もあるのです。
こちらでは税金滞納時でも資金繰りを改善させる資金調達の方法について徹底解説します。
目次
税金滞納時の資金繰り改善方法1つ目|リスケジュールを実施する
・銀行に対して支払いを待ってもらう
支払いのリスケジュールを実施する、といった対応方法があります。実はこちらは融資を受けるわけではありませんが、要は融資と同じような効果が得られる、とのメリットがあるのです。
例えば1ヶ月あたりの支払いが200万円あったとします。そこでリスケジュールをお願いし、支払いを待ってもらえれば200万円の支払いが後ろ倒しになるわけです。結果として200万円の融資を受けたことと同じことになります。
そしてリスケジュールしたことで浮いたお金を税金の滞納解消に利用すればよいのです。税金未納状態が解消されれば、再び融資が受けられるようになるかもしれません。
リスケジュールに関しては、比較的難易度が低い資金調達の方法の一つでもあるので利用を検討してみましょう。
・リスケジュールの注意点
リスケジュールはすぐに反映されるわけではありません。
1ヶ月程度の時間がかかってしまうのです。さらに銀行に対して経営改善計画書を提出しなければなりません。手間と時間がかかることになるので、その点は覚悟した上で利用しましょう。
時間がかかってしまうので、早急な資金調達にも向いていません。即日であるとか1週間以内の資金調達には対応できないので、ある程度の時間的余裕がある会社のみが採用できる資金繰りの改善方法です。
変動金利を利用して借り入れを実施しているケースにも注意が必要です。仮に変動金利を利用して借り入れを行っていると、リスケジュールの結果金利がアップさせられてしまうのです。数%程度の金利の上昇となってしまうこともあるので、高額の利用をしている場合には、リスケジュールをすることで今後の返済がさらに困難になってしまうかもしれません。
固定金利である場合には、リスケジュール後も金利は保たれるので問題ありませんが、変動金利の場合は注意を要します。
税金滞納時の資金繰り改善方法2つ目|ファクタリングを実施する
・売掛金がある場合は税金未納時でも利用可能
法人であれば、取引の多くに売掛金を利用します。その売掛金を売却して現金化することをファクタリングと呼んでいるのです。
ファクタリングについては、主な審査対象は自社ではありません。そもそも売掛金は売掛先が支払うものでもあるわけです。ですから売掛先が審査の対象となるので、自社が税金未納であったとしても特に大きな問題は発生しません。事実、多くの税金未納の会社がファクタリングによって資金繰りを改善させているのです。
ファクタリングには2社間取引と3社間取引がある点にも注目しなければなりません。2社間取引と3社間取引では大きく異なっているわけです。
2社間取引に関しては、自社とファクタリング業者のみの対応となります。売掛金の期日になったら自社が売掛金を受け取り、その後にファクタリング業者へ振り込むことになります。
3社間取引は自社とファクタリング業者、そして売掛先も関わってきます。そもそも契約を結ぶ時にファクタリングを利用する旨の通知が売掛先へもいってしまうのです。売掛先にファクタリングの利用がバレてしまいます。
取引の内容ですが、売掛先がファクタリング業者へ売掛金の期日に振込を実施します。2社間取引のように自社が支払いに関わることはありません。
・ファクタリングのメリットとは?
税金未納時に利用できるということ以外にも様々あります。
1.早期の現金獲得が可能である
2.自社の経営が悪化している時でも利用できる
3.リスケジュール中でも利用できる
ファクタリングは最短即日現金化も可能です。業者によっては即日入金に対応してくれている例もあるのです。
ファクタリングは売掛先が主な審査対象となります。売掛金は自社が支払うわけではありません。売掛先が関わっているので、自社の経営状態はそれほど重視されない、とのメリットがあるのです。
リスケジュール中になると銀行などの融資は受けられなくなります。しかしファクタリングはリスケジュール中であったとしても利用可能です。様々な場面で対応してくれる資金調達法となっているわけです。
・ファクタリングの注意点とは?
1.手数料がかかってくる
2.利用できない売掛金もある
3.継続利用は危険である
売掛金の額面満額を受け取れるわけではありません。一定の手数料を差し引かれることになります。
手数料率は2社間取引と3社間取引で大きく異なりますが、数%から30%の範囲内となっています。
売掛金の中には譲渡を不可としているものもあります。譲渡不可の特約がついている売掛金に関してはファクタリングの利用はできません。売掛金の契約について確かめた上でファクタリングを利用するか決定しましょう。
どの資金調達法も一緒ですが、特にファクタリングを毎月のように利用するのは危険です。入金予定の金額よりも少ない金額が入金し続ける状態になってしまいます。予定通りの入金ではないので、資金計画もずれていってしまうことになるのです。
ファクタリングについては、一時的な利用にとどめてください。
税金滞納時の資金繰り改善方法3つ目|ノンバンクを利用する
・審査難易度が低いノンバンク
銀行融資とは異なり、ノンバンクに関してはそれほど審査が厳しいわけではありません。もちろんノンバンクの場合は自社が審査対象となるので、税金未納は大きなダメージであることには変わりありません。しかし税金未納であるからといって、必ず審査落ちになるわけではないのです。
ノンバンクは基本的に少額の貸し出しを実施しています。そして金利が高いのです。それほどリスクが高い貸出を実施しているわけではありません。一定の貸し倒れについては対応の範囲内です。だからこそ税金未納でも利用できる余地があるわけです。
・ノンバンクのメリットとデメリット
【ノンバンクのメリット】
・早期の借り入れが可能である
・銀行よりも審査難易度が低い
ファクタリングと同様に審査に時間はかかりません。業者によっては最短即日の融資も可能としているのです。早急な資金調達が必要なときでも対応可能です。
銀行融資のほうが有利であることは間違いありません。高額&低金利です。しかし審査難易度としてはノンバンクに軍配が上がります。ノンバンクは比較的中小企業向けでもあり、審査難易度を低く設定しているのです。
【ノンバンクのデメリット】
・金利が高い
・小額の融資がメインである
ノンバンクの金利は銀行と比較すると2倍や3倍以上ということも珍しくありません。金利が高いので、長期間の利用や高額の利用はなるべく避けたほうが無難です。
中には個人向けのローンとほとんど変わらないような、実質年率で15%から18%に設定してくる業者もあるほどです。
高額の利用は難しいです。ノンバンクは最高利用限度額を数百万円から1,000万円前後に設定しています。税金の納付程度であれば対応できるかもしれませんが、高額化しやすい設備投資資金の調達として利用するのはおすすめできません。
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