企業の経営は今だけ良ければよいのではありません。今後どうなっていくのかもしっかりと予測して、しっかりとした対策を立てていかなければならないわけです。
そこで注目すべきは資金繰りです。今の資金繰りを確認することも大事ですが、1ヶ月後や2ヶ月後、さらにそれ以降の資金繰りの見込みもチェックしておかなければなりません。
「そんな先のことまではわからないのではないか?」と思うかもしれません。しかりある程度予測できるものもあります。将来的な支出や、将来的な入金もある程度把握できるのではありませんか?
面倒なことに感じてしまうかもしれません。しかし会社を守っていくためには、資金繰りの見込みを正確に把握する、ということは極めて重要になってくるわけです。
こちらでは資金繰りの見込みを正確に把握するためにはどういった事が必要になってくるのか、ということについてお伝えします。
目次
将来の資金繰りを把握するために特に大事なこととは?
・これまでの出金と入金を把握すること
資金繰りの確認ですが、将来的となると希望的観測で記載してしまう例が多くなっています。しかし希望的観測では、将来の資金繰り悪化は見抜けません。
なぜ将来の資金繰りを確認するのでしょうか?それは将来的に会社の資金がショートするようなことを防ぐためでもあるわけです。少しでも早く資金繰りの見込みがわかれば対策も立てられます。
銀行融資などは時間がかかりますよね。融資までに1ヶ月程度かかってしまう例も珍しいわけではありません。しかし前もって資金繰りを予測しておけば、早く資金繰りの悪化に気づけるわけです。銀行融資などへの申し込みも早期に行えるようになり、支払いの期日までに間に合う、というようなこともでてくるのです。
将来的な入金額と出金額を正確に把握するためには、今までの資金繰り表などを参考にすると良いでしょう。どれほどの入金額があり、どれほどの出金額があるかがわかってくると思います。
それらの出金額と入金額ですが、中には固定化されてものもあるのではありませんか?固定化されたものはそのままの金額がかかってくるので正確に将来の資金繰り表に反映できます。問題となってくるのが変動的なお金の動きですよね。
その変動の出費と入金についてですが、それこそ過去の資金繰り表などが参考になるわけです。実際にどれほどの入金と出金があったかを確認し、その上で予想していきます。
見込みの資金繰り表を作成するときに記入する項目について
・売上の入金額を記すこと
①現金売上
②売掛金の入金
③受取手形の入金
会社としての売上ですが、いくつかの方法で行っていると思います。取引先に合わせているケースも多いでしょう。現金取引をしている会社ばかりであれば、特に難しいわけではありません。しかし問題となってくるのが、売掛金や受取手形です。
売掛金や受取手形に関しては入金期日が設けられているわけです。しかしその期日通りに確実に入金するとは限りません。取引先野津号で入金日が遅れてしまう、ということもあるのです。
その売掛金と受取手形の入金日の遅れを資金繰り表にどれだけ反映させるのか、という部分が大きな問題となってくるのです。
そこで注目すべきは売上債権の回転期間を前もって計算しておく、ということです。計算式はそれほど難しいわけではありません。
【売上債権回転期間の計算式:売上債権(売掛金・受取手形)÷売上高×365日】
では、実際に計算してみましょう。
・売上高・・・6,000万円
・売掛金・・・1,000万円
・受取手形・・・300万円
以上のケースであれば、計算式は「(1,000万円+300万円)÷6,000万円×365日」となります。計算結果は「約79日」となりました。売上債権を回収できる期間は平均で約79日となるわけです。
上記の売上債権回転率を前もって計算しておく、ということは極めて重要です。正確な見込みの資金繰り表を作成する場合ですが、何も考えずに期限が1ヶ月後の売掛金があるから入金されるだろう、と予測していたとしても遅れが出てしまうことがあるのです。入金がなくなれば予想していた金額よりも会社の現金は少なくなります。資金繰りの悪化に気づけない可能性があるわけです。だからこそ売上債権回転期間は前もって確認しておかなければなりません。
・固定の支出額を記すこと
固定となっているので、特に計算は必要ありません。
例えば社員に対する給与であったり、社会保険、さらにはオフィスの家賃費用であったり機械や自動車などのリース料などが該当します。
他にも借入金などの返済も毎月の支出金額は一緒なので固定の支出となります。
・変動の支出額を記すこと
仕入れの支払い額や買掛金・支払手形の決済費用などが入ってきます。
仕入れの量は月々変動することがあります。さらに仕入れる商品などの価格が変動することもあるので、正確な計算は難しいかもしれませんが過去の取引などを参考にして現実性のある金額を記します。
買掛金や支払手形の出勤については、それぞれの期日などを参考に金額を記しましょう。それほど難しくはないと思います。
・臨時の入金額を記すこと
ここはかなり難しいです。
前もって資金繰りが悪化しているということがわかっているのであれば、借入を行うかもしれません。その借入額の想定額を記します。
土地や建物、さらに有価証券等の 売却を検討している場合には、その売却代金も記します。
こちらについては正確な金額にならなかったとしても仕方ありません。有価証券を売却しようとしているのであれば、現時点の株価を参考にして金額を決めるのも良いでしょう。
・臨時の出金額を記すこと
こちらもかなり難しいので、正確な金額を記せなかったとしても仕方ありません。
臨時の出金については賞与などの支払いや税金の支払いなどが該当します。
税金については実際に決算がこなければ正確な額は把握できないので、前年度などを参考にして記入しても構いません。
将来的な入金がくいと出金額が予測できない時はどうすべきか?
・前年の同月を参考にすべし
実際に見込みの資金繰り表を作成していると、頭が混乱して前に進まない、ということもあります。将来的なことを予測するのは簡単なことではないわけです。
そこでどうしても将来的な入金額と出金額が予測できない場合には、前年度の同月の金額を入力してしまう、という方法もあります。前年同月の入金額と出金額はかなり参考になります。実際にその金額に近い出金と入金があることも多いからです。特に繁忙期などがある事業を行っている場合にはより正確になります。
・景気を加味することもお忘れなく
会社としての景気も見込みの資金繰り表作成時に参考にしましょう。
例えば前年比で売上が5%落ちているのであれば、前年同月の売上から5%差し引いた金額を記すわけです。
経費の削減に成功した会社もあるでしょう。その場合には前年に比べてどの程度のパーセンテージの経費が削減できたのかを反映させるのです。
将来的な資金繰りが悪いとわかったらどうすべきか?
・早急に対策を立てるべき
資金調達を実施しなければなりません。少しでも早く対策を立てることが重要になってきます。
対策に関しては、たとえば銀行やノンバンクからの借り入れがあります。期間的な余裕があるのであれば支出を減らす、いわゆる経費削減と行った方法もあるのです。売掛金を売却するファクタリングと行った手法もあります。
どの資金調達方法が最も自社に適しているかは、それぞれの会社で判断しなければなりません。経営者としての器量が試されるのです。
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