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受取手形を利用すると資金繰りが悪化するのは本当なのか?

資金繰り2018/03/13

受取手形を利用している、という会社はかなり多いと思います。もちろんうまく活用できれば良いのですが、多くのケースで問題が発生している事実もあるのです。

受取手形に頼りすぎてしまうと資金繰りを悪化させる原因になってしまいます。

こちらでは受取手形を利用するとなぜ資金繰りが悪化してしまうのか?
受取手形運用による資金繰りの悪化の対処方法とは?

以上の2つのテーマについて詳しくお話します。

 

受取手形によって資金繰りが悪化する理由

・入金までに時間がかかってしまう

企業間の取引の場合、売上はすぐに入金されるわけではありません。受取手形であったとしても通常の売掛金・買掛金取引であったとしても、すぐに入金されない点については同じです。しかし入金されるまでの期間に大きな違いがあります。

・売掛金の入金までの期間・・・1ヶ月から2ヶ月程度
・受取手形の入金までの期間・・・売掛金よりもかかってしまう事が多い

売掛金の入金までの流れについては、まずは請求日がやってきます。そして入金期日を迎えて入金日となるのです。「請求日→入金日」と比較的シンプルな流れとなっています。

受取手形の入金の流れは、まずは同じく請求日があります。そしてその後に手形取引日がやってくるわけです。手形取引日は売掛金の入金日とほぼ同じタイミングです。それから後に手形期日を迎えて入金となります。「請求日→手形取引日→手形期日」と売掛金の入金よりも多くの段階を踏むことになってしまいます。

・受取手形を多用すると黒字倒産の可能性あり

黒字倒産とは売上は多いのです。帳簿上は利益が出ているのですが、会社の現金がなくなってしまい倒産を迎えてしまうことを指しています。

受取手形は上記したように、基本的に入金までに時間を要してしまいます。売上が良かったとしても、その入金のすべてが受取手形となってしまうと、入金まで数ヶ月かかってしまうかもしれません。

その数ヶ月間のうちに会社を運営する資金がなくなれば倒産してしまいます。あと数ヶ月待てば入金があると分かっていても倒産をしてしまうわけです。会社に現金がなくなれば、銀行から融資を受けていた場合には返済もできません。従業員への給与の支払いもできなくなってしまうのです。

企業としては、売上の多くを受取手形にしてしまわないように何かしらの対策を取る必要があるわけです。

・現金で入ってこない

手形は現金ではありません。つまり現金化させなければ意味のないものであり、借入では非常に面倒です。他の方法なら、お金を一気に借りられるようになりますので、現金化する手間が省かれることになります。

先ほど説明した、手間がかかってしまう部分と似ているところはありますが、現金で入ってこないので計画を作りづらくなってしまいます。より安心して計画を作りたいと思っている方は、現金で入る方法を活用したいものです。

・返済ができない恐れもある

売掛金を得られないことには、ほぼ返済ができない状況になってしまい、苦労します。返済できるほどの利益を持っているなら別ですが、それほど利益がなく、返済に売掛金が必要な状況となっていれば、手形を利用した資金繰りは厳しいです。

返済ができない恐れは、他の方法に比べて大きなものになります。相手企業が信頼してお金を払ってくれるような状況にならないと、返済が厳しくなってしまい、ただ負担が大きくなるものと考えてください。

受取手形で資金繰りを悪化させない方法その1|手形割引の利用を検討する

・受取手形の入金速度を早める

受取手形の割合が多くなってしまった場合には、金融機関を利用して手形割引を利用する方法があります。

手形割引とは受取手形を早く入金させる方法の一つです。早期に資金化できるので、会社の資金を増やせるわけです。

ただし手形の期日までの金利を負担しなければなりません。その金利のことを割引料と呼んでいます。

手形の期日まで期間が長ければ長いほど金利は大きくなってしまいます。待っていれば満額入金されるはずですが、結果的に入金額は減額されてしまう、ということなのです。

金利と資金繰りの状況を鑑み、その上で手形割引を利用するか決定しましょう。

・手形割引利用にかかる「金利」と「取立手数料」について

手形割引には2つの費用が発生します。
前述した金利と取立手数料です。

取立手数料については、銀行とノンバンク(手形割引業者)のどちらであったとしてもほぼ同等に設定されています。1件あたり600円から1,000円程度であり、それほど高額に設定されるわけではありません。

手形割引料(金利)の相場については、年利で5%から10%の設定となっています。

しかし金利については業者によっても大きな違いがあるのも事実です。さらに割引依頼人または手形振出人の信用によっても変化してくるのです。仮にそれらの信用が低い場合には、金利が高く設定されてしまいます。いっぽうで信用が高いと判断される場合には金利が優遇されるケースも出てくるわけです。

金利の計算方法は以下のとおりです。

【手形の額面金額×手形割引料(金利)÷手形の期日までの日数÷365日】

要は手形の期日が長ければ金利支払い分は多くなります。一方で手形の期日が短ければ金利支払い分は少なくなるわけです。

手形の期日までの日数がどのくらいで手形割引を利用するのか、ということも事前に考えておかなければなりません。

 

受取手形で資金繰りを悪化させない方法その2|受取手形を支払いに利用する

・裏書手形として利用する

受取手形ですが、期日がくればお金を受け取れるものです。ですからその受取手形自体を支払いにまわす、といったこともできるわけです。

受取手形を裏書手形として支払いに回せば、会社の資金を利用しないで取引ができる、ということにもなります。資金繰りが悪化している時には有効な対策方法の一つになります。

しかしデメリットもあるので、利用前にはそのデメリットについても把握しておかなければなりません。

・裏書手形のデメリットとは?

問題は受取手形の振出人が倒産をしてしまうなど、何かしらの理由で支払いができなくなった場合です。受取手形の支払いができなくなってしまった場合には、代わりに手形の代金を支払わなければなりません。要は連帯保証人と同じような仕組みになっているわけです。

受取手形の振出人が自社と同じように資金繰りの悪化に陥っているかもしれません。そうなると期日通りにお金を振り込めないこともあるわけです。

前もって振出人の調査を行い、確実に受取手形の代金を支払えるのかを調査しておかなければなりません。調査を怠ってしまうと、結果的に裏書手形をしたのに自分で支払うことになりかねないのです。

裏書手形をするのであれば、いままで一度の手形の期日に遅れたことがない会社のものを選択しましょう。

 

受取手形で資金繰りを悪化させない方法その3|受取手形分の資金調達を実施する

・借り入れを行うことで資金繰りを回復させる

受取手形は入金までに時間がかかるのが大きな問題となっています。そこで入金までの期間を凌ぐために借入金を利用する、といった方法があるわけです。

仮に受取手形の期日まで3ヶ月あったとしましょう。その3ヶ月間をしのげれば良いのです。借入金も3ヶ月たって受取手形が入金されれば返済できますよね。リスクはそれほど高くありません。

そもそも金融機関は審査にて受取手形の状況などをも調査してきます。受取手形が一定額以上あるということは将来的な返済能力がある、ということにもなるわけです。受取手形がある、ということは借り入れしやすい状況でもあるのです。

もちろん手形の振出人の信用が低い場合にはマイナスになることもあります。振出人の信用も借り入れには関わってくるので、その点は覚えておく必要があるでしょう。

・借入金は金利に注意しよう

借り入れを行う場合には金利がかかってきます。
金利が高い業者を選択してしまうと、返済に苦慮してしまう可能性もあります。どの程度の金利に抑えられるかが、借入金による資金繰りの改善に大きく関わってくるわけです。

金利は業者によっても大きく変化します。金利が低く設定されている業者もあれは、高く設定している業者もあります。基本的には銀行は金利が低く、ノンバンクは金利が高いです。一方で銀行は審査が厳しく、ノンバンクは緩めな傾向があるので金利だけではなく審査難易度にも注意しなければなりません。

その他|ファクタリングを利用する

ファクタリングの場合は、以下の方法によって資金繰りが行なえます。

依頼を出しておく→売掛債権の確認→売掛債権をファクタリング会社が購入→依頼企業に資金が提供される

この流れに沿って、審査や計画、更には最終的に得られる融資などが変わっていくようになりますので、場合によっては高額な融資も簡単に出してもらえるようになります。ファクタリングを使っていれば、手形に近いような方法で資金を提供してもらえるので、これまでのような流れで考えていけるのです。

手形よりも良いポイントは多くあります。中でも良いのがスピードです。早く融資をしてくれる方法となりますので、手形で3ヶ月位かかっていた方法が、たった数日で行われるようになります。返済額が多くても、売掛金を活用して返済すればいいだけなので、手形と同じように返済計画を作れます。

これまでのような方法でしっかりと考えていけるようになり、より早く資金繰りが完了することになるので、ファクタリングはかなり有効になります。

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