資金調達には社債の活用を!メリットとデメリット

2017/12/30
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事業者が資金を調達する方法として融資や出資、自己資金などがありますが、「社債」という調達法もあります。ある程度の規模と実績のある事業に限られる方法になりますが、資金が必要になったときに役立つことには変わりありません。

そこで今回は、資金調達における社債として、その特徴やメリット・デメリットについてお話ししていきます。今回の記事をぜひご自身の事業再建に役立てていただけたら幸いです。

1.社債とは?

中小企業にとっての資金調達方法とは、銀行や日本政策金融金庫による保証協会による融資が一般的だとされています。まずは日本政策金融金庫や保証協会による融資を受け、それから銀行による融資に移行していくのがメジャーです。

別視点から資金調達ができる「社債」

しかし、これらの融資を担当するのは金融機関であるため、利用するには基準以上の経営状況と信頼度、返済能力の証明が必要になります。例えばご自身の事業が困窮していると返済能力がないとみなされて融資を受けられない場合もあるので、安全策ではあるもののハードルが高い資金調達法だと言えます。

その点、親族や知人、取引先やご自身の従業員などによる支援が有効となりますが、そのなかに「社債」という手段があります。初めから償還期限と期間中の利回りが決まっていて、事業者側は資金提供側に対して定期的に利息を支払う仕組みになっています。一般の投資家からの幅広い資金調達が実践できるので、事業者にとっては非常にメリットの多い方法だと言えます。

借り入れと同じように負債という名目でおこなわれる資金調達法ではあるものの、判断基準が財政状況ではなく経営者の信用度や仕事ぶりの評価となるため、別の視点からの資金獲得が期待できるところが大きなメリットです。そのようなメリットを受けるべく、新たな視点からの資金調達法として社債を利用する事業者も少なくありません。

社債の種類

社債にもさまざまな種類があり、なかでも「普通社債」「劣後債」「永久債」「新株予約付社債」などがメジャーです。

・「普通社債」
正式には「Straight Bond(SB)ストレートボンド」と呼ばれている、極めて一般的な社債のことを指します。最初から満期が設定されている普通社債には、満期までの間保有している投資家への利子が支払われることになっています。

・「劣後債」
社債には投資家に対しての元利金の支払い順位が存在しますが、劣後債には数ある社債のなかでももっとも順位が低いものです。その分高い金利が設定されているため、利用前に慎重な判断が必要です。

・「永久債」
数ある社債のなかでも満期がなく、もと元本償還の規定を設けていないものに、永久債があります。企業が続いている限りはほぼ永久的に利子を支払うことが条件となっています。

・「新株予約権付社債」
一定の条件と引き換えに、株式への転換が可能な新株予約権がついている社債のことです。こちらは株価の値上がりに応じてその分の利益の確保が可能となるので、出資者にとってメリットが多い社債だと言えます。

発行が比較的簡単な「少人数私募債」の利用も考えよう

これらの社債に対し、官庁への届出の義務が発生しない少人数私募債という手段もあります。少数の身近な出資者から事業資金を得るための方法で、社債管理会社との委託を必要とせず、なおかつ時間的・費用的負担を抑えたうえでの発行が可能です。また、担保や保証人が不要なことも幸いしてか、長期的な資金調達のために適している方法だとされています。

ただし、

・株式会社として存続していること
・社債購入者が50人未満であること
・対象者は事業者の縁故者(家族・親族・取引先・従業員)であること

などの条件も伴うので、発行前には必ず確認しておきましょう。

2.社債発行のメリットとは?

社債を発行するうえでのメリットには数多くのものがありますが、なかでも「長期的な資金調達が可能であること」「経営権を保持できること」「使用目的が自由であること」が特徴的です。それぞれを詳しくご説明していきます。

長期的な資金調達が可能

銀行による融資は長期的な資金調達法に分類されますが、その分審査が厳しくなり、確実なビジネスセンスと返済能力を示す必要があります。かといって短期間での融資であるローンは金利が高いので、安全な資金調達法だとは言えません。

その分、事業の経済状況や返済能力とは別視点からの資金調達が可能となる社債は、事業者にとって心強い安心材料になります。償還期間を長めに設定でき、かつ低金利で発行できるので、金銭的な負担も少なくて済みます。

経営権を保持できる

出資者を募るタイプの社債は部分的に株式の発行と似ていますが、社債はそれでも経営権を保持できるという点が特徴的です。株式では失敗した場合の責任を取らなくていいものの、経営権を出資者に譲らなくてはならず、仮に成功していてもある程度の制約があらわれます。

その点、社債を発行する場合、ほぼすべての経営権は事業者側にあります。資金提供を受けていても出資者側から干渉されないので、ご自身のセンスとビジョンに基づいて事業を進めていきたい場合には非常にメリットが多いです。

使用目的が自由であること

社債による資金は、その使用目的が自由であることもメリットの一つです。銀行や信用金庫からの融資の場合では資金の使用目的が決められていて、違反が見られると罰則を受けるケースもあります。そこで社債を利用するとその資金は将来への投資や借入の返済などと自由であるため、事業者にとっては心強い条件だと言えます。

このように社債の発行にはメリットが多くあるため、ご自身の事業が利用条件を満たしている場合にはぜひ検討してみるといいでしょう。

3.社債発行のデメリットとは?

一方で、社債の発行にはある程度のデメリットもあります。「管理が煩雑であること」「管理人の設置が必要になること」「償還の必要があること」「倒産した場合に信用度が落ちること」などの条件を伴うので、発行前には必ず確認しましょう。

管理が煩雑である

社債発行には法律上で決められた項目があるため、発行後はそれに関連する事務的作業と手続きが必要になります。それぞれの作業にはある程度の時間的・金銭的な負担がかかるので、事業そのものに影響しないか確認しておきましょう。

管理人の設置が必要になる

社債の発行には管理人の設置が必要となり、それに対するコストもかかります。まれに例外があるので確認を求められますが、ほとんどのケースでは管理人を置く必要があります。

償還の必要がある

社債が借金であることは変わらないため、満期に全額償還(弁済)しなければなりません。そのため、事前に弁済資金を確保したうえで調達資金の活用が必要になります・

倒産した場合に信用度が落ちる

社債を発行して当面の資金調達ができてもその事業が成功するとは限らず、最悪の場合倒産するリスクもあります。株式と違って経営権を共有しない分、出資者による商業的な協力を得られないので、事業としての将来性が約束されることがないためです。また、判断基準が事業としての将来性や財政状況ではなく事業者の人柄などになることから、成功率が低いという懸念材料もあります。

その状況で倒産した場合、出資者に全額償還する必要こそはないものの、事業者としての信用度が落ちてしまいます。そのようなリスクも踏まえつつ、日ごろの経営基盤をしっかりと構築していくことが社債発行の条件となります。

融資や出資とは特徴が異なる社債には、数多くのメリットがあると同時に避けられないデメリットもあります。両方を十分に確認したうえで、ご自身の事業に役立てていきましょう。

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