会社をこの先どうすればよいかわからなくなったとき、中小企業診断士であれば中小企業の経営相談に乗ってくれます。
企業が抱えている問題や経営課題について分析し、解決に向けた相談に応じてくれるのが中小企業診断士です。
風邪をひいたときや体調が悪いときにはドクターに診察してもらうでしょうが、会社経営で調子を崩したと感じるときには中小企業診断士を頼るのも方法といえるでしょう。
中小企業診断士とは経営コンサルタントのことといえますが、具体的にどのような相談が可能なのか説明していきます。
目次
経営相談に応じることができる資格こそが「中小企業診断士」
中小企業診断士は経営コンサルタントを仕事とするとき、唯一認められた国家資格です。
そもそもコンサルタントとは、ある事柄について助言や指導を行う専門家や相談役のことですが、種類はいろいろあります。
経営コンサルタント以外にも、人材・キャリア・金融・医療・不動産・情報システム・建設など種類が多いですが、最も一般的といえるのが経営コンサルタントです。
ただ、経営コンサルタントの仕事は中小企業診断士の資格を保有していなくてもできます。
たとえば医師免許がなければ医療行為はできませんし、弁護士資格がなければ代理人として法的な手続はできません。
中小企業診断士は名称のみの資格であるため、医師や弁護士のように資格保有者でなければできない独占業務はありませんが、幅広い分野で活躍できる資格とも言い換えることができます。
もし経営相談を誰にするか迷ったとき、資格を保有している専門家に相談したいのなら中小企業診断士がオススメですが、単に資格保有者であることを理由に選ぶのではなく、抱える悩みや問題などの種類に応じて他の経営コンサルタントと比較しながら検討するようにしましょう。
中小企業診断士の役割と位置づけ
中小企業診断士は、中小企業の経営課題などに対応し診断・助言を行う専門家のことであり、法律上の国家資格者として経済産業大臣が登録します。
中小企業基本法での中小企業診断士の位置づけは、中小企業が経営資源を確保する業務に従事する者とされています。
そのため公的支援事業だけでなく、民間で活躍する経営コンサルタントとしても頼れる存在です。
企業の成長戦略策定や策定した内容を実行するためにアドバイスすることが主な業務となり、他にも中小企業と行政・金融機関などを繋ぐパイプ役としても活躍しています。
経営の診断と助言が主な仕事なので、企業の現状分析を踏まえ成長戦略をアドバイスしていくことといえます。
そのため具体的な経営計画を立てたいときなどには中小企業診断士に相談するとよいでしょうが、専門家に頼れば別途報酬が発生することは留意しておいたほうがよいでしょう。
中小企業診断士に必要とされる能力
中小企業診断士は、中小企業の創造性と柔軟性を支えるパートナーといえる存在ですが、その位置づけから見れば常に新しいビジネスを把握し、その支援や変革ができる状況を作っておく必要があります。
また、行政や金融機関などとのつながりもなければ、パイプ役としての役割を担うことはできません。
その上で、中小企業の相談相手や解決方法を提案できる能力や知識が必要となる資格ですが、具体的に次のようなスキルが必要と考えられます。
経営全般に関する知識
中小企業が経営の問題として抱えていることは、
- ・売上が伸びない
- ・コストカットしたい
- ・新技術を開発したい
など様々なです。
最近ではAIなど最新技術を導入する動きも活発化しているため、その導入方法や技術革新、特許取得に向けた取り組みなど、解決させたい問題はいろいろといえます。
これらヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源に関して、中小企業診断士は幅広い知識を保有していなければ相談に応じることはできないでしょう。
創業・経営革新を進めていく能力
時代の流れとともに、これまでの経営方法では通用しなくなることはめずらしいことではなく、新ビジネスを始めたり経営革新したりなど様々な対応が求められます。
新しいことを始めることや取り入れるためには、その市場にフィットできる提言が必要であり、それができなければ中小企業診断士として務まらないといえるでしょう。
助言する能力
経営コンサルタントの仕事は、分析と提言がワンセットです。
どれほど的確に分析ができていたとしても、その内容をうまく伝えることができなければコンサルティングを依頼した企業に理解してもらうことはできません。
よい案を提言しても、中小企業ができないと判断したり実行することを拒否したりすると、コンサルティングは成り立たなくなってしまいます。
論理的・簡潔・わかりやすい言葉で経営者に分析結果と提言を伝えることのできる能力がなければ、経営コンサルタントの仕事はできないといえるでしょう。
経営相談は誰にするのがベストか
中小企業診断士なら、経営の悩みを安心して相談できると考えている経営者も少なくありません。
確かに経営コンサルタントとして仕事ができる唯一の国家資格を保有しているのが中小企業診断士のため、資格保有者ならではの安心感があります。
しかし中小企業診断士といっても、独立開業している方もいれば特定の企業に所属している方もおり、どの中小企業診断士でも経営コンサルタントとして有能とは限りません。
独立診断士は中小企業診断士全体の3割弱で、7割以上の中小企業診断士は企業内診断士として企業に勤めています。
経営相談が可能となるのは独立診断士として働いている中小企業診断士ですが、資格法湯者全体に対する割合が少ないため、抱える悩みを得意とする中小企業診断士が見つかなければ相談しにくいといえるでしょう。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で資金相談も増加
これまで借入れの実績がない企業でも、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、金融機関にはじめて借入れの申し込みを行うもののどうすればよいかわからないという経営者もいたことでしょう。
資金調達について、行政の相談窓口やコンサルティングの場などで中小企業診断士が対応するケースもあったようですが、このとき資金繰りの先を読む対応をしてもらうことが必要です。
- ・1年先までに必要となる資金の量はどのくらいか
- ・売上が増えたときに運転資金には余裕がでるのか
- ・目標とする売上を達成できたときには内部調達から借入返済が可能なのか
などです。
販売・出荷と売掛金を回収する時期にはズレがあり、仕入れのタイミングとその代金支払いの時期もズレがあります。
さらに生産リードタイムなど、いろいろなことが影響し、年間で見ればそのズレは蓄積され複雑化することとなり、日々の資金の動きが説明しにくくなってしまうでしょう。
資金調達や資金繰りについても先を見込んだ分析や提言をしてくれる中小企業診断士に相談しなければ、適切なタイミングで資金を調達できなくなり資金繰りを改善させることはむつかしくなります。
企業にとって、手元の資金が枯渇することは絶対にさけなければならないことのため、特に資金調達における相談の際にはどの経営コンサルタントに相談するか十分な見極めが必要です。
資金の相談は資金のプロに
経営コンサルタントに経営や資金の相談をするとき、
- ・どれほど高い専門的知識を持っている
- ・金融機関とのパイプ役になってくれるか
など重視することでしょう。
中小企業診断士なら国家資格を保有しているため安心できると考えがちですが、たとえば資金調達の悩みは資金面でのプロのほうが安心です。
たとえばファクタリング会社なども資金面でのコンサルタント業務を行っているケースが増えており、ファクタリング以外の資金調達方法のほうが適している場合には金融機関などのパイプ役となってくれます。
また、良心的なファクタリング会社であれば、コンサルタント料など無料で対応してくれるので、できるだけコストをかけず経営相談したい経営者にはオススメです。
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