リースバックで資金を調達する方法の仕組みとメリット・デメリットとは

2021/11/10
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「事業用資金を調達したいけれど融資の審査が通らない」

「事業用に借りた負債の返済が厳しい」

「工場や事務所を売れば資金は入るけれど事業を継続できなくなるため困っている」

という場合には、事業用不動産のリースバックを資金調達に活用することもできます。

リースバックとは、工場・倉庫・事務所などの不動産を一旦売却し、売却した不動産をリース契約で継続利用できる資金調達の方法です。

リースバックにより調達した資金は自由に活用でき、事業資金を確保することも借入金の返済に充てることもできます。

また、一旦はリースバックで不動産を売却しても、将来的には売った不動産を買い戻すこともできる資金調達の方法です。

そこで、事業用だけでなく一般的な資金調達の方法として活用されているリースバックとはどのような仕組みになっているのか、利用することのメリットやデメリットもふまえてご説明します。

 

リースバックによる資金調達の方法とは

リースバックとは、不動産を売却して現金化した後も、その不動産を引き続き使用できる資金調達のサービスです。

一般の方も自宅をリースバックすることで、手元の資金を増やしつつ、住み慣れた家で引き続き生活することができます

不動産会社などが不動産を買い取り、売主は賃貸でそのまま不動産を使用する仕組みとなっています。

通常の不動産売却では、売った後は不動産を手放し、新たに事務所や工場、自宅などを購入したり賃貸したりすることが必要です。

しかしリースバックでは売却後も転居する必要がなく、さらに固定資産税など維持費の負担もなくなるため、コスト削減にもつながります。

 

リースバックと一般的なリバースモーゲージの資金調達方法の違い

金融機関ではリバースモーゲージという方法も資金調達のサービスとして提供されていますが、リースバックとリバースモーゲージは異なる仕組みです。

一般的な違いは以下の通りとなります。

異なる項目

 

リースバック

 

リバースモーゲージ

 

サービスの仕組み

 

不動産の売却代金を一括で受け取り、売却と同時に賃貸借契約を締結し毎月家賃を支払って引き続き不動産を使用できるサービス

 

不動産(自宅)を担保にして融資を受け、現金受け取るサービス
現金の受取方法

 

一括

 

融資枠内で毎月一定額・一括・枠内で随時受け取りが可能

 

転居の必要性

 

不要

 

不要

 

サービスの対象となる物

・一戸建て

・マンション

・事務所

・店舗

・工場

など

 

一戸建て(マンションは不可の場合あり)

 

サービス利用後の不動産の名義

 

不動産など買取会社

 

変化なし

 

資金使途

 

自由

 

制限あり(事業・投資資金は不可)

 

年齢の上限

 

制限なし

 

制限あり

 

収入の制限

 

制限なし

 

制限あり

 

固定資産税の納付義務

 

なし

 

あり

 

家族の同居

 

 

配偶者のみ可

 

抵当権(住宅ローン)の影響

 

抵当権など設定されていて売買契約時抹消すれば利用可

 

抵当権など設定されていれば利用不可

 

担保設定の有無 不要 必要
契約終了後

 

再度購入可

 

契約終了後(死亡後)に売却または相続人が一括返済

 

特徴

 

・売却し貸借に切り替え、毎月家賃を支払うことになる

・適応条件に幅があるため活用しやすい方法

・住宅ローンが残っていても利用できる

 

・最終的には売却になることが多い

・毎月、利息のみ返済すればよい

・条件(年齢・所得など)が厳しいため活用しにくい

 

 

リースバック以外で不動産を活用する資金調達方法との違い

リースバック以外にも、所有する不動産を活用して資金を調達する方法はあります。

たとえば、自宅の不動産を担保に一括で融資を受け、毎月元本と利息を支払う不動産担保ローンなどがその例です。

この場合、所有権が移転しない代わりに元本と利息を毎月支払いが発生します。

任意売却とは不動産を売却しても債務が残るときに、お金を借りた債務者とお金を貸した債権者の間に専門家が入り調整することで、不動産を競売にかけず納得できる価格で売却取引を成立させることです。

本来であれば債務が残れば売却と同時に返済しなければならないため、不足分は保有する手持ち資金から出すことができなければ、不動産を売却して資金調達できません。

しかし任意売却なら、不足分を分割返済することが可能になることもあるのがメリットといえます。

そしてリースバックの場合には、

  • ・買取代金を一括して受け取ることができる
  • ・売却後も、そのまま使用が可能
  • ・固定資産税など維持費は不要となる
  • ・引越し費用なども一切不要
  • ・将来的に再度購入も可能

といったメリットがあります。

その反面、

  • ・不動産の名義が変わる
  • ・家賃が発生する

といったデメリットもあることを留意した上で活用することが必要です。

 

リースバックで資金調達するとよいケース

リースバックで資金を調達することで、会社の経営指標が大幅に改善したというケースはめずらしくありません。

たとえば次のようなケースであれば、リースバックを資金調達に活用するとよいといえます。

 

事務所が老朽化してしまいリノベーションか移転か悩んでいるとき

事務所が古く設備も激しく老朽化しているため、業務に支障も出ていることからリノベーションか移転か検討している場合など、リースバックを検討するとよいでしょう。

仕事柄、近隣に顧客を多く抱えている場合など、物件が見つからなければ遠くに移転しなければならなくなり顧客を失う可能性も考えられます。

仮にリノベーションする場合には改装費用がかかることとなり、移転する場合には好条件の物件を探さなければならないことを踏まえ、リースバックの活用を検討するとよいでしょう。

 

リースバックを活用すると経費を大幅に圧縮できる

リースバックを活用すれば事務所のリノベーション費用を売却代金でまかなうことができます。

移転費用・作業にかかる費用・各種手続なども必要なく、さらに新しく駐車場や倉庫を確保する手間も費用もかかりません。

そして不動産の所有者であれば固定資産税を毎年納めなければなりませんが、リースバックにより不動産を売却すれば所有者ではなく使用者になるため、固定資産税を支払う必要もなくなります。

リースバックにより経費を大幅に圧縮できれば、キャッシュフローを改善させることにつながるでしょう。

 

工場や事務所など事業用不動産をリースバックすれば債務の返済が可能に

新型コロナウイルス感染拡大により、借入金の返済が厳しくなってしまった中小企業も少なくありません。

一時的に資金繰りが厳しくなり、借入金の返済ができず滞ってしまったときなど、工場や事務所などの不動産をリースバックで売却すれば資金を調達可能です。

売却した不動産は買主とリース契約を結ぶことでそのまま使用できるため、借金は返済しながら事業もこれまでと変わりなく続けることできます。

 

代表者・個人事業主の自宅をリースバックすることで事業資金を捻出できる

事業資金を調達したいとき、代表者や個人事業主の自宅をリースバックすることもできます。

リースバックなら自宅を売却し資金を捻出できますが、買主と賃貸契約を結びそのまま住むこともできるため、状況が落ち着けば自宅を買い戻して事業に専念できます。

 

まとめ

事業資金が必要なときには、工場・倉庫・事務所、自宅などの不動産を売却し資金を調達するリースバックを活用できます。

リースバックでは不動産を売却することが必要ですが、買主と売主が賃貸借契約を結ぶことで引き続き不動産の使用が可能となり、売った不動産を買い戻すことも可能です。

資金を調達する方法はいろいろありますが、銀行融資以外の手段として検討してみることをオススメします。

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