雇用調整助成金で対象となる事業者と満たさなければならない要件とは?

2021/08/27
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新型コロナウイルス感染症の影響で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発出され、営業時間短縮や休業を余儀なくされ売上激減してしまったなら、対象の助成金をうまく活用しましょう。

経済上の理由で休業することが必要となり、従業員には休業手当を支払いたくても資金の捻出ができなければ、雇用の継続は難しくなってしまいます。

しかしこのような状況でも、雇用調整助成金制度を活用すると、休業手当など対象となる費用の一部が国から支給されます。

そこで、雇用調整助成金とはどのような制度なのか、コロナ禍で厳しい事業者を対象とした特例措置などについて詳しくご説明していきます。

 

雇用調整助成金とは

雇用調整助成金とは、

  • ・景気変動
  • ・産業構造の変化
  • ・その他の経済上の理由

などで事業活動縮小を余儀なくされた事業主が、

  • ・一時的に休業
  • ・教育訓練
  • ・出向

など雇用調整を行うことで従業員の雇用を維持したとき助成金が支給される制度です。

新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動を縮小し、従業員の雇用維持を図るため休業など実施する場合でも、従業員に支払った休業手当などの一部が助成されます。

 

雇用調整助成金の受給対象となる方

雇用調整助成金は、経済上の理由で事業活動を縮小しなければならなくなった事業主が、雇用維持を図るため従業員に支払った休業手当などの費用を助成する制度です。

そのため新型コロナウイルス感染症の影響に限らず、景気変動や産業構造変化、その他経済上の理由でも対象となります。

そしてコロナ禍の現在では、新型コロナウイルス感染症の特例措置により助成対象が緩和されているので確認しておきましょう。

通常時と新型コロナウイルス感染症の特例措置では助成の要件に次のような違いがあるなど、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた場合の緩和措置が取られています。

 

通常の助成要件

対象となるのは、経済上の理由で事業活動を縮小することを余儀なくされている次の要件を満たす雇用保険適用の事業主です。

  • ・売上高または生産量などの最近3か月間の月平均値が、前年の同時期と比べたとき10%以上減少している
  • ・雇用保険被保険者数と派遣労働者数が、最近3か月間の月平均値と前年同時期を比べたとき増加していないこと(中小企業は10%超かつ4人以上・中小企業以外は5%超かつ6人以上)
  • ・過去に雇用調整助成金を受給している場合には、直前の助成満了期間翌日から1年以上経過していること

 

特例措置の助成要件

対象となるのは、業種を問わず、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた次の要件を満たす事業主です。

  • ・売上高または生産量などの最近1か月間の月平均値が、前年の同時期と比べたとき5%以上減少していること

です。

雇用保険被保険者数と派遣労働者数が、最近3か月間の月平均値と前年同時期を比べたとき、増加している場合でも助成の対象となります。

また、過去に雇用調整助成金を受けているとき、満了期間翌日から1年以上経過していなくても助成対象です。

 

通常と特例措置で共通する助成要件

通常と特例措置、どちらも実施した雇用調整が次の一定基準を満たしていることが要件として必要となります。

  • ・休業による雇用調整の場合…所定労働日の1日に渡り休業していること
  • ・教育訓練による雇用調整の場合…訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得・向上を目的とし、受講日に訓練以外の業務を行わないこと
  • ・出向による雇用調整の場合…対象期間内に開始され、3か月以上1年以内(特例措置の場合は1か月以上1年以内)に出向元事業所に復帰が予定されていること

 

雇用調整助成金で受給できる金額

  • ・休業を実施したときには休業手当負担額
  • ・教育訓練を行えば賃金負担相当額
  • ・出向の際にはその負担額

など、雇用調整により事業主が負担した金額に定められた助成率をかけ、支給される金額が決まります。また、教育訓練を実施したときには、1人1日あたりの加算があります。

なお受給額に関しても、新型コロナウイルス感染症の特例措置では、次のように受給割合や受給の上限が引き上げられています。

 

通常の休業手当・教育訓練・出向など事業主が負担した費用の一部の助成率と上限金額

  • 助成率…中小企業2/3 中小企業以外1/2
  • 助成の上限金額…対象労働者1人1日あたり8,265円

 

通常の教育訓練を実施したときの加算金額

  • 助成金額…中小企業・中小企業以外のどちらも1人1日あたり1,200円

 

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の助成率と上限金額

 

【原則的な措置】

新型コロナウイルス感染症の影響で、売上高が前年同月と比べたとき、5%以上減少している場合に対象になります。

  • 助成率…中小企業4/5(概ね20人以下の小規模事業所は9/10)大企業2/3(小規模事業所3/4)
  • 助成上限金額…対象労働者1人1日あたり13,500円

 

【地域に係る特例】

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域で、要請に基づき営業時間短縮などへの協力企業が対象となります。

  • 助成率…中小企業・中小企業以外どちらも4/5(概ね20人以下の小規模事業所は10/10)
  • 助成上限金額…対象労働者1人1日あたり15,000円

 

【業況特例の対象者】

直近3か月間の売上高の月平均値と、前年同期または前々年同期の売上高の月平均値を比較したとき、30%以上減少している全国の企業が対象です。

  • 助成率…中小企業・中小企業以外どちらも4/5(小規模事業所10/10)
  • 助成上限金額…対象労働者1人1日あたり15,000円

 

雇用調整助成金の受給期間

雇用調整助成金の受給が可能となる期間は、通常と特例措置それぞれ次のとおりとなっています。

 

通常の助成金受給期間

  • 休業・教育訓練…初日から1年間で最大100日分、3年間で最大150日分
  • 出向…最長1年の出向期間中

 

特例措置の助成金受給期間

  • 休業・教育訓練…通常の期間に合わせ、特例措置実施期間中に受給した日数
  • 出向…最長1年の出向期間中

 

助成金を申請するとき必要となる書類

雇用調整助成金を申請するときには、次の書類を準備しておくことが必要です。

  • ・雇用調整実施事業所の事業活動状況に関する申出書(月ごとの売上を確認できる書類の添付が必要)
  • ・支給要件確認申立書
  • ・役員などの一覧表
  • ・休業・教育訓練実績一覧表
  • ・助成額算定書
  • ・(休業等)支給申請書
  • ・休業協定書
  • ・事業所の規模を確認する書類(労働組合がある場合は組合員名簿・労働組合がなければ労働者代表選任書)
  • ・労働・休日の実績を確認できる書類(出勤簿・タイムカードの写し・シフト表など)
  • ・休業手当・賃金の実績が確認できる書類(賃金台帳・給与明細の写しなど)

なお厚生労働省の公式サイトには、雇用調整助成金の様式ダウンロードのページが設けられていますので、ダウンロードし利用できます。

 

産業雇用安定助成金の対象になるケース

独立性が認められない子会社などの事業主同士で行う出向に対する助成も、令和3年8月1日に開始されています。

 

新たに助成金対象となる「出向」とは

次の項目すべても満たす「出向」が新たな助成対象として加わっています。

  • ・資本的・経済的・組織的関連性などからみたとき、独立性が認められない事業主間による出向であること(子会社間の出向・代表取締役が同一人物の企業間の出向・親会社と子会社間の出向・独立性が認められないと判断される企業間の出向)
  • ・新型コロナウイルス感染症の影響による雇用維持を図るため、通常の配置転換の一環として実施する出向と区分し行う出向
  • ・令和3年8月1日以降に新しく開始される出向

 

  • 助成率…中小企業2/3 中小企業以外1/2
  • 助成の上限額(出向元・出向先の合計) 1日あたり12,000円

詳しくは、厚生労働省の公式サイトの産業雇用安定助成金のぺージを確認することをオススメします。

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