資金調達する方法はいろいろありますが、その中でもファクタリングは売掛債権(売掛金)を売却し現金化する手法であり、取引業者を乗換えしやすいことが特徴です。
迅速に資金調達可能となる点は大きなメリットですが、ファクタリング会社によっては手数料が高く、利用により十分に現金を得ることができないなら乗換えを検討したほうがよいと考えられます。
特にファクタリングを継続利用して資金調達する場合、数%の手数料差が資金繰りを左右することになるため、ファクタリング会社の乗換えによるメリット・デメリットを把握しておきましょう。
目次
ファクタリング会社の乗換えとは?
すでに資金調達でファクタリングを使っているとき、契約中のファクタリング会社に支払っている手数料を確認してみましょう。
少々高めなのでは?と感じるときや、他社ならもっと安くなるのでは…?と疑問がある場合、乗換えを検討するタイミングといえます。
ファクタリング会社の乗換えとは、現在契約しているファクタリング会社から、別の業者との契約に変更することです。
資金調達を目的としてファクタリングを利用する場合、一度だけにとどまらず数か月に渡り継続利用することも少なくありません。
そのため発生する手数料は安ければ安いほど十分な資金調達につながりやすく、コスト負担はできるだけ軽減させることが必要です。
十分な資金調達につながっているか手数料相場の確認を
一般的なファクタリング手数料の相場は、2社間ファクタリングの場合には売掛債権(売掛金)額面の10~20%、3社間ファクタリングは1~5%程度です。
銀行など金融機関から融資を受けたときに負担する借入利息よりも、ファクタリングで発生する手数料は高めと感じる方が多いことでしょう。
さらに売掛先企業の信用力が低い、または利用者に問題がある場合など、リスクの高い取引と判断されれば手数料はこの割合を上回ることも考えられます。
しかし一般的には相場内でおさまるはずです。この手数料相場を大きく上回る費用を請求されている場合には、十分な資金調達につながるとはいえないため、乗換えを検討したほうがよいと判断できます。
乗換えせず継続利用すれば資金繰りはさらに悪化
ファクタリングを継続して利用し続ける場合、買い取りによる手数料負担でキャッシュアウトは膨らみ続けることとなります。
そのため本来であれば資金繰りを改善させる目的でファクタリングによる資金調達を利用したのにもかかわらず、いつまでも改善されず反対に悪化することになりかねません。
手数料の安いファクタリング会社に乗換えることで、これまで負担していた手数料を引き下げることが可能になります。
乗換えで資金調達することは意外と簡単?
ファクタリング会社を乗換えたくても、すでにファクタリング会社と契約中なのに取引してもらえるのだろうか…と不安を感じる経営者もいることでしょう。
しかしファクタリングの乗換えは、経営者の想像を反するほどファクタリング会社に歓迎されやすいことが特徴です。
すでに他社との取引がある実績が信用力につながる
たとえば一度もファクタリングを利用したことのない中小企業や個人事業主がはじめて利用する場合、信用力の高低や、決済期日に売掛金を支払うのか不安が残ります。
その上でファクタリング会社も手数料を設定しなければならないため、即日契約の上に最初から格安の手数料で…という契約はリスクが高いと考えることになるでしょう。
しかし他社での利用実績があれば、信用力が高いとみなされるため、乗り換え契約により手数料を引き下げやすくなります。
むしろファクタリング会社も他社での利用実績のある利用者と取引をしたいと考えるため、乗換え希望者からの申込や相談を積極的に受け、手数料をできるだけ引き下げるなど優遇を取ってでも契約したいと考えるはずです。
余裕を持った業者選びで十分な資金調達につなげやすい
ファクタリングをはじめて利用するときは、間近に迫る支払い期日に追われ、早く資金調達しなければ!と焦った状況という場合もあるでしょう。
ファクタリングサービスの仕組みや契約内容、発生する手数料などを冷静に見極める時間のないまま、契約してしまうケースも見られます。
それにより高額な手数料を負担することになり、いつまでたっても資金繰りが改善されないことに憤りを感じている経営者もいるはずです。
しかし乗換えであれば、すでにファクタリング会社と契約を結んでいる状況のため、余裕を持って業者選びができます。しっかりと優良なファクタリング会社を見極め、信頼できると感じた相手と契約を結ぶことが可能です。
乗換えで手数料が安くならないこともある
ファクタリング会社を乗換えれば、手数料が安くなると期待していたのに、結果として引き下がらなかったという場合もあるようです。
この理由は、ファクタリングで資金調達するときに発生する手数料は、ファクタリング会社独自の審査により決まることが関係しています。
売掛先企業の信用力はもちろん利用者の信用力も加味されますし、売却する売掛債権(売掛金)の種類や金額、決済までの期日など様々な項目が手数料の決め手となります。
売掛金回収に不安があると判断された場合や、既に契約しているファクタリング会社の手数料が十分低い割合の場合には、乗換えしてもさらに下がるとは言い切れませんのでその点は理解した上で検討しましょう。
他社と契約中で資金調達を希望するなら
すでにファクタリング会社と契約中だけれど、新たに別のファクタリング会社に申し込みをしたいという場合、債権譲渡登記の必要性にも注意しておきましょう。
2社間ファクタリングを利用するとき、ファクタリング会社から必要と伝えらえる登記手続きですが、別途申請により費用がかかります。
登記自体にも費用がかかる上に、申請手続きの代行依頼をする司法書士に対する報酬も別途発生します。
そのため8~10万円前後費用が発生してしまいますが、この費用は利用者が負担することになってしまいます。
ファクタリング会社によっては、2社間ファクタリングでも債権譲渡登記を必要とせず、未登記で対応してくれる場合もあるため乗換えの際にはこの点も要チェックです。
出張対応や電子契約可能な業者ならよりスムーズ
資金調達の必要があるものの、本業が忙しくファクタリング会社の窓口まで行くことができないケースもめずらしくありません。
特にファクタリング会社から距離があるエリアで事業を営んでいる場合、直接窓口まで出向く時間が取れない場合もあるでしょう。
この場合、出張対応や電子契約を可能とするファクタリング会社なら、時間短縮で早く契約できます。
積極的にニーズに対応してくれる業者を選んだほうが、結果として費用削減につながりやすいため、十分な資金調達につなげるためにも重要です。
まとめ
ファクタリングで資金調達しているけれど、
- ・現在の手数料に不満がある
- ・手数料以外の費用も発生している
- ・契約中のファクタリング会社の対応に不満がある
- ・もっとよい条件でファクタリングを利用したい
- ・債権譲渡登記は避けたい
という場合は乗換えを検討するとよいでしょう。
すでに契約しているファクタリング会社に支払う手数料が高く、資金繰りが改善されない状態が続いているのなら、少しでも早く手数料を引き下げることができないか他社に相談するべきです。
ファクタリングはうまく活用することで資金繰り改善につなげることが可能ですが、使い方や契約する相手を間違うと、反対に資金繰りを悪化させてしまいます。
他社と契約中でも乗換えは可能ですので、まずは信頼できるファクタリング会社選びを行っていきましょう。
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