助成金を活用して資金調達!成功報酬型のキャリアアップ助成金とは?

2019/11/12
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会社が資金調達をする方法として考えられるのは、中小企業の方なら真っ先に融資を思い浮かべるかもしれません。

しかし銀行融資などをスムーズに資金調達に利用できているかといえばそうではなく、中小企業の中では審査が通らなかったり、担保とする資産を保有していないなど様々な悩みを抱えていることもあります。

また、融資を受ければ当然その後は返済義務を負うことになりますので、しっかりと返済計画を立てておかなければ資金繰りが悪化する可能性もあるでしょう。

そこで、資金調達の方法として返済義務がない助成金を活用することを検討してみてはいかがでしょう。上手く活用できれば、資金調達により資金繰りが改善し、経営を大きく改善させることができるはずです。

 

助成金は活用しなければ損?その理由とは

助成金事業に対して実施する上でのサポートを行ってくれる給付制度です。

目標を達成したくても資金がなければできないという場合、返済義務のない資金を調達する上で有効な手法といえるでしょう。

助成金にも複数の種類がありますが、ここでは厚生労働省が実施している雇用関係の助成金をご説明していきます。

 

まず近年では中小企業の人材不足が深刻化していることが社会問題となっていますが、そもそも日本の人口自体が減少している上に、少子高齢化で生産年齢人口も少なくなっていることが背景にあります。

将来、人材を確保することが困難になっている業種や業界はすくなくありませんが、日本のほとんどの企業が中小企業であり、経営を続ける上でヒト・モノ・カネという経営資源のいずれも枯渇させることはできません。

中小企業は大企業よりは良好な状態ではないとされていますので、雇用環境や労働環境を改善させることで、人材不足問題を解消させることができたり、生産性を向上させることができることに繋がるでしょう。

しかしいざ改善させたいと思っても、資金が不足していて実行に至らないということもあるかもしれませんが、助成金を通して公的支援を受けることで対策が可能となります。

そのためにも助成金を活用する上での次のようなメリットを理解しておきましょう。

 

融資ではないため返済負担に追われることはない

仮に融資を受けて資金調達しても、返済負担に追われて本末転倒という結果に至ってしまうケースもすくなくありませんが、助成金は返済する必要はありませんので、返済義務を抱えることはありません

日本の企業の99.7%は中小企業といわれているほどであり、中小企業が経営を成り立たせていかなければ日本経済は終わってしまいます。

しかし現在、中小企業は深刻な人材不足に陥っている状況であり、資金調達もスムーズに進まない状態です。

このような状況を打破するため、国は中小企業に対する取り組みとして返済不要の助成金を支給することを行っているのです。

 

手間や労力、原価はかからない

企業が助成金を受給すると、会計処理上は営業外利益として計上されます。

本業による営業利益を得ようとすれば、材料などを仕入れ、製造や販売を行うといった流れが必要となり、売上を計上するまで多くの時間やコストが発生します。

しかし営業外の利益である助成金はそのような手間や労力をかけることなく得ることができる資金です。

 

助成金の原資となるのは雇用保険料

助成金を利用しなければ損だといえる理由として、支給される資金の原資となるのは雇用保険料であることも関係します。

雇用保険は、従業員が失業した場合に失業手当を支給する以外にも、就職の促進や雇用の継続、教育訓練といった給付も行っています。

これらの給付には被保険者から徴収された雇用保険料が使用されているわけですが、労働者の職業を安定させ、失業を予防し、雇用機会の増大させるという意味で、職場環境や雇用環境を改善させるために助成金を受給するということは当然の権利ともいえるでしょう。

 

助成金で資金調達するためには要件を満たす環境整備が必要

もちろん無料でもらえるものは受け取っておいたほうがよいと分かっていても、手あたり次第に助成金の申請を行えばよいわけではありません。

人材不足を解消させたり、生産性の向上させるため、経営課題に取り組む流れで助成金を積極的に活用するようにしましょう。

助成金は申請すれば必ず受け取ることができるのではなく、受給要件を満たす環境などを整備しなければなりません

助成金制度もずっと同じ制度が続くのではなく、変更されたり廃止されることもあるので、今活用すべき助成金は何か、もっとも自社にとって有効とされるものを選ぶことも重要です。

また、助成金は実際に要件となる取り組みを行った後で支給されることになりますので、取り組みを実施する上でコストが先行して発生することも理解しておきましょう。

 

注目したいのはキャリアアップ助成金!どのような制度?

雇用関係で助成金を活用したいのなら、キャリアアップ助成金の有効利用を検討してみましょう。

キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など、非正規雇用労働者が企業内でキャリアアップできることを促すための制度であり、正社員化や処遇改善の取り組みを行った事業主に助成されます。

労働者の意欲や能力、事業の生産性を向上させながら、優秀な人材を確保したい!という企業にとってはぴったりの助成金制度といえるでしょう。

 

キャリアアップ助成金のメリット

キャリアアップ助成金を活用することで、人材不足を解消させることが可能となり、働き方改革への対応にも役立たせることができます。

会社で問題視されていることに対処しながら、助成金により負担を軽減できるので利用しなければ損といえる制度なのです。

キャリアアップ助成金は多くの会社が対象となるため、利用しやすいことも大きな特徴です。

 

キャリアアップ助成金の対象となる中小企業事業主の範囲

キャリアアップ助成金で対象となる中小企業事業主の範囲は次のとおりですが、資本金などのない事業主は常時雇用する労働者の数で判定することになりますので確認しておきましょう。

 

  • ・小売業(飲食店を含む)…資本金の額・出資の総額5,000万円以下または常時雇用する労働者の数50人以下
  • ・サービス業…資本金の額・出資の総額5,000万円以下または常時雇用する労働者の数100人以下
  • ・卸売業…資本金の額・出資の総額1億円以下または常時雇用する労働者の数100人以下
  • ・その他の業種…資本金の額・出資の総額3億円以下または常時雇用する労働者の数300人以下

 

キャリアアップ助成金を活用するなら

キャリアアップ助成金はまず、雇用保険適用事業所の事業主であることが必須要件となり、さらに次の要件を満たしていることが必要です。

  • ・雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者(複数の事業所および労働者代表との兼任は不可)を設置している事業主であること
  • ・雇用保険適用事業所ごとに対象労働者に対してキャリアアップ計画を作成し、コース実施日までにキャリアアップ計画書を管轄労働局長に提出し、受給資格の認定を受けた事業主であること
  • ・該当するコースの措置に係る対象労働者に対する賃金の支払い状況などを明確にできる書類を整備している事業主であること
  • ・キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主であること
  • ・キャリアアップ助成金での事業主とは

キャリアアップ助成金での事業主に含まれるのは、民間の事業者だけでなく、民法上の公益法人、特定非営利活動促進法上の特定非営利活動法人(NPO法人)、医療法上の医療法人、社会福祉法上の社会福祉法人などです。

 

キャリアアップ助成金を申請する上で注意すること

キャリアアップ助成金は事前にキャリアアップ計画を、(労働組合などの意見を聴いて作成し、提出することが必要になります。さらに助成金申請にあたり、次の点にも注意が必要です。

  • ・同一の行為を対象として2つ以上の助成金などを同時に申請した場合、または同一の経費負担を軽減することを目的として2つ以上の助成金などを同時に申請しても、一方しか支給されないことがあること
  • ・助成金の支給・不支給決定、支給決定の取り消しなどは、行政不服審査法上の不服申立ての対象にはならないこと
  • ・受給した事業主は国の会計検査の対象となることがあること
  • ・助成金制度は要件などが変更になることもある
  • ・申請書の押印は雇用保険適用事業所設置届に押印された事業主印と同じものであることが必要であること
  • ・添付書類は実際に使用者が事業場ごとに調製して記入しているものであること、もしくは原本を複写機などで複写したものであること
  • ・都道府県労働局に提出した支給申請書や添付書類の写しなどは、支給決定から5年間保存することが必要であること

 

キャリアアップ助成金を受給できない事業主とは

キャリアアップ助成金は、次のいずれかに該当する事業主の場合、受給できない制度となっていますので確認しておきましょう。

  • ・支給申請した年度の前年度よりも前に、いずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主の場合
  • ・支給申請日の前日から過去1年間に労働関係法令の違反を行った事業主の場合
  • ・性風俗関連営業や接待を伴う飲食等営業、またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う事業主の場合
  • ・暴力団と関わりのある事業主の場合や、暴力主義的破壊活動を行った、または行う恐れがある団体などに属している事業主の場合
  • ・支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主の場合
  • ・支給決定時に雇用保険適用事業所の事業主でない場合(雇用保険被保険者数が0人、または事業所が廃止されているなど)

 

キャリアアップ助成金の7つのコースを確認!

キャリアアップ助成金を資金調達に利用する場合、7つのコースが設けられていますのでどのコースが自社に合う内容なのか確認しておきましょう。

 

正社員化コース

有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換、または直接雇用した場合に助成金が支給されます。たとえば、有期から正規雇用に転換した場合には1人あたり57万円(生産性向上が認められる場合は72万円)支給となっています。

 

賃金規定等改定コース

すべて、または一部の有期契約労働者などの基本給の賃金規定等を増額改定し、昇給した場合に助成金が支給されます。

たとえば、対象労働者数が1~3人の事業所で、すべての有期契約労働者の賃金規定を2%以上増額改定した場合には1事業所あたり9万51千円(生産性向上が認められる場合は12万円)支給となっています。

 

健康診断制度コース

有期契約労働者などを対象とする法定外の健康診断制度を新しく規定し、延べ4人以上実施した場合に助成金の対象となり、1事業所あたり38万円(生産性向上が認められる場合は48万円)支給されます。

 

賃金規定等共通化コース

有期契約労働者などに関して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定などを新しく作成・適用した場合に助成金の対象となり、1事業所あたり57万円(生産性向上が認められる場合は72万円)支給されます。

 

諸手当制度共通化コース

有期契約労働者などに関して、正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新しく設置・適用した場合に助成金の対象となり、1事業所あたり38万円(生産性向上が認められる場合は48万円)支給されます。

 

選択的適用拡大導入時処遇改善コース

労使合意に基づく社会保険の適用拡大の措置により、有期契約労働者などを新しく被保険者として基本給を増額した場合に助成金の対象となります。

助成金は基本給の増額割合に応じて支給されますが、たとえば3%以上5%未満なら1人あたり2万9千円(生産性向上が認められる場合は3万6千円)支給されます。

 

短時間労働者労働時間延長コース

短時間労働者の週所定労働時間を延長し、さらに新しく社会保険を適用させた場合に助成金の対象となります。

たとえば短時間労働者の週所定労働時間を5時間以上延長し、社会保険にも適用もされた場合には1人あたり22万5千円(生産性向上が認められる場合は28万4千円)支給されます。

 

キャリアアップ助成金で鍵となるのは生産性向上への取り組み

キャリアアップ助成金の7つのコースは、どれも活用しやすいことが特徴ですが、特に企業の生産性向上への取り組みを支援していることに注目しましょう。

生産性を向上させた企業が助成金を受ける場合には、助成額または助成率が割増しされますので見逃せません。

具体的には申請する企業が以下の方法で計算した生産性要件を満たしていれば、助成額が増額加算される仕組みになっています。

助成金の支給申請を行う直近の会計年度の生産性が3年度前により6%以上伸びていることが必要となりますが、

生産性=(営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課)÷雇用保険費被保険者数

で計算してみましょう。

営業利益、人件費や減価償却費、賃借料、租税公課の合計額を、雇用保険の被保険者数で割った金額が3年前より6%以上改善していれば助成金の金額が割増しになる対象であるということです。1人当たりの利益が上がっていれば対象になると判断されます。

 

まとめ

キャリアアップ助成金で支給される資金は雇用保険料が原資となっていますので、もし適用されるのなら使わなければもったいないといえます。

多くの会社で活用することが可能となる助成金制度ですので、もしこれから不足する人材を獲得させたり、今雇用している従業員のモチベーションを向上させたいという場合などは、助成金を有効活用して資金調達し、職場や労働環境を改善させていくことを検討してはいかがでしょう。

職場や労働の環境が変われば、従業員の定着率が高まり、結果として作業が効率化され生産性も向上し、資金や人材不足に悩まされることもなくなるはずです。

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