会社経営で赤字が続くことは望ましいことではあありません。しかし、一度赤字体質になるとV字回復を狙い黒字に転換させることは容易なことでなくなってしまいます。
特に中小企業の場合、決算書を黒字で継続できる企業は一定割合に留まりますが、たとえ景気が悪化していてもけっして不可能なことではないのです。
そこで、赤字が続く中小企業がV字回復を狙うために何が必要なのか、次の条件に該当するか確認し、もし満たない条件があるのなら近づける企業努力を行っていきましょう。
目次
独自のブランド力があるか
ブランド力とは伸びしろがどのくらいあるかをあらわしますので、V字回復という言葉を使えるということは、頂点に達した盛り上がる時期があったことをあらわします。
なぜ盛り上がっていた時期に自社のブランドが認知されていたり、顧客や取引先のリストを多く保有できているのなら、その潜在している可能性を活かして底辺から昇りつめることが期待できるでしょう。
どこまで成長できる可能性や潜在能力を持っているか
ビジネスシーンにおいてポテンシャルという言葉が使われることがありますが、ポテンシャルとは仕事において成長できる可能性や潜在能力を示します。
そもそもポテンシャルはあるはずなのに、単に活かしきれていない状態が停滞を招いているのなら、あとは活かすのみです。
何らかの要因で活かしきれていないのなら、その要因を取り除くことで本来あるべき姿に戻ることがV字回復に繋がります。
外部の人材に頼ることができるか
V字回復を狙うときには、数字にシビアになり売上目標を実現させるためにどのような戦略が必要かを考え、論理的に実行していくことが必要です。責任とリスクをしっかり把握できることが必要であり、情により動くことは望ましくありません。
ただ、業績が悪化している要因を取り除こうと社内だけで実行していては、そこには政治力や情などが入る傾向が高いので、中途半端な実践で終わることも考えられます。
そのような場合、しがらみのない外部からの有望な人材に大鉈を振るってもらうことも必要です。
そのとき、思い切った予算や人員の削減など、まさに大鉈を振り下ろしばっさり切ってもらうことも考えられるでしょう。それにより、居心地のよさや惰性、心地よい環境をこわすことも必要になるかもしれませんが、V字回復を狙うのならしがらみを持たない外部のパワープレイヤーが必要となるのです。
回復に至るまでの資金力はあるか
ビジネスを続ける上で資金は欠かせないものですが、様々な改革を打ち立てたとしても成功するまでの資金繰りに目途がたたなければ何も始まりません。
復活させるまでの資金はどのようにねん出するのかが重要であり、赤字以上に手元の資金が枯渇しない資金力が求められます。
そして施策を実行する上での資金もどのように確保していくか考える必要があります。仮に借入金が膨れ上がっている状態で返済負担が重くなっていることが赤字の原因だとしたら、さらに借金を重ねて負担を大きくすることは望ましいとはいえないでしょう。そもそも赤字経営ではこれ以上、融資を受けたくても借り入れはできません。
ファクタリングを有効活用してみる
このような場合、売掛金を保有しているのなら、ファクタリング会社に売却して入金期日よりも前に現金化させるファクタリングを検討してみてはいかがでしょう。
ファクタリングであれば、借金を増やすわけではありませんので今以上に決算書の数値が悪化することはありません。
また、決算書が赤字の場合は銀行から融資を受けることが難しくなりますが、ファクタリングの審査は借り入れのときの審査とは異なり、売掛先の信用力を重視した内容となるため利用しやすいことも特徴です。
悪化した資金繰りを改善させることにも繋がりやすい手法ですので、もし運転資金に悩んだときには利用を検討してみるとよいでしょう。
V字回復を狙う施策を実行する資金を保有しているか
いくらV字回復を狙える施策があったとしても、それに対する資金をねん出できなければ実行できませんので、融資を受けることが期待できなければ投資家からの出資なども検討することが必要です。
本当に魅力ある施策であるのなら、投資家の目にもとまり出資したいと思ってもらえるはずです。
投資家からの出資を検討してみる
たとえば創業したばかりの企業に投資を行うエンジェル投資家などが有名です。創業まもない企業の場合、実績がないことで銀行からの融資を受けにくい状態となります。
そのような起業家を支援してくれるのがエンジェル投資家で、もともとは投資家自身が経営者や起業家として成功している方ばかりです。そのため、資金の提供だけでなく、経営面の助言など事業が軌道に乗るような支援を行ってくれることが特徴です。
また、ハイリターンを狙う投資を行う投資ファンドとしてベンチャーキャピタルから出資を受ける方法もあります。ベンチャーキャピタルは、成長が見込める未上場の企業に出資して、経営コンサルティングなども提供しながら上場に向けて様々な支援を行ってくれます。
投資家からの出資ではなく、インターネットを通じて不特定多数の方から資金を提供してもらうクラウドファンディングなどの活用も検討してみるとよいでしょう。
実行する体力を維持できるか
様々な施策を打ち出し検討し、資金を調達していよいよV字回復を狙う!という段階で経営者が倒れてしまっては意味がありません。
企業は資金を尽きさせないことが体力維持に繋がりますが、経営者は普段からの健康管理をしっかり行い、過労で倒れてしまわないように注意することが必要です。
これから回復を狙おうと、経営者が改革の旗手として先頭に立つ段階で、もし倒れてしまったら一気に士気は低下し、残された社員も不安を抱えることになってしまいます。
V字回復を狙うときにはよい流れを維持することも必要ですので、その流れを悪い方向に変えてしまわないように日頃から健康管理にも気を使うようにしておきましょう。
復元と成長の局面では実行する戦略は異なる
このようにV字回復を狙うためには様々な条件を満たしておくことが必要であると考えられます。
復元と成長の局面において、講じる対策や戦略は異なってくることも理解しておきましょう。
成長の局面では、見込客数×単価×成約率を売上として上げるための対策を続けることが必要ですので、どのくらいの成長したいのか目指す目標により実行する戦略も変わります。
しかし復元の局面においては、そもそも保有する能力や資質を使いきるために、現在その活用を阻害する要因を取り除くことや、限られた資源を使ってどこで勝負するかを判断していくことが必要です。
どちらも競合と戦って市場全体のリスクを回避しながら会社を維持させていくことは同じでも、実行していくこと自体は違ってくると考えておきましょう。
まとめ
中小企業がV字回復させることはけっして簡単なことではありません。特に中小企業は資金力が乏しいことも多く、先に述べたV字回復を狙える条件の中でも資金力という部分で頭を抱えることが多いかもしれません。
特に赤字経営の場合は銀行からの融資を受けることもできず、事業を続ける上での運転資金をどのように調達すればよいのか困ってしまうでしょうし、これしかない!という施策を打ち出しても資金がなければどうにもならないからです。
このような場合、先に述べたようにファクタリングや出資を受けるといった、資金を調達する目的に応じた方法を有効に活用することも検討してみましょう。
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