現在の日本経済では、生産性を向上させることや地方経済を活性化させることが課題とされていますが、このような問題解決には中小企業の発展が欠かせません。
そのためには、円滑に中小企業が資金調達できる仕組みが構築されることが求められるものの、その多くが銀行からの融資に頼っている状況で、さらに借り入れができないなどスムーズな資金の調達に至っていないのが現状です。
そこで、日本の中小企業が現在抱える問題を解決できるように、どのような資金調達が望ましいのか解説していきます。
目次
日本経済の発展に大きな影響を与える中小企業
中小企業が日本経済に与える影響はとても大きいといえますが、日本に存在する中小企業の全体に占める割合は 99.7%。日本の企業のほとんどが中小企業といっても過言でない状況において、経営者の高齢化やそれに伴う事業継承問題、人材不足や生産性低迷など、様々な悩みを抱えながら経営されています。
抱える課題が中小企業の伸び悩みに影響しているとすれば、今後、中小企業の発展次第で日本経済の景気は大きく変わることを示すこととなるでしょう。
そのためには、中小企業が円滑に資金を調達できる環境が整備されなければなりません。
中小企業の多くが銀行からの融資に期待できない状況
中小企業の金融課題として挙げられるのが、まず民間金融機関からの融資が不十分であるという部分です。その原因は、経営規模の小ささと不安定さで、業績不振や倒産リスクが高いと判断されてしまうこと、さらに不動産などの担保価値の高い資産を保有していないこと、中小企業を監視するモニタリング費用が高くなることなどが挙げられます。
さらに金融機関同士の競争激化により、資金を貸し出す先を選別する動きも強まるなど、業績がよく経営が安定している優良な中小企業に融資が集中してしまいがちですので、このような中小企業間の格差をなくすことから始めなければいけないと考えられます。
融資に頼らない出資による資金調達は困難
大企業とは異なり、社債や株式発行などによる直接的な資金調達を活用することは中小企業には容易な手段とはいえません。
企業情報は不透明な上高いリスクを抱えている状況において、出資を受けようと思っても簡単に資金を投じてくれる投資家が見つかるとは限らないからです。
さらに情報開示に必要な資料の作成から、株式公開に至るまでの専門知識を持つ人材不足など、簡単に行える手続きではありません。
このような理由も手伝い、中小企業は銀行など金融機関からの融資に依存してしまうのでしょう。
銀行融資以外の資金調達方法は中小企業にとって有効か
民間金融機関とは、都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合のことを指しますが、中小企業の場合、創業期は2割、成長初期や安定・拡大期には約4割を、銀行などからの借り入れで資金を調達する方法が占めている状況です。
しかし、収益が安定していない場合には融資が実行されず、担保も保有していないことなどにより、大企業と比べれば困難な方法であることが現状といえます。
他にも経営者本人の自己資金による資金の調達、家族や親族、友人・知人などからの借り入れ、政府系金融機関からの融資、公的補助金・助成金の活用などが民間銀行以外からの資金調達の方法として知られていますが、いずれも資金の金額に限界があったり、調達するまで時間がかかるなど、すぐに資金を調達しなければならないことの多い中小企業のニーズに合致しない方法であると考えられるでしょう。
中小企業が銀行融資に依存してしまう理由
日本銀行が行った量的・質的金融緩和以降においての、銀行の中小企業に対する融資残高は増加傾向にあります。
その理由として、もともと資金の調達方法は銀行からの借り入れに依存する傾向が強い上に、金利の低下により利息の負担が軽減されていることが挙げられるでしょう。
さらに中小企業は事業開始のために必要とする資本金額は5,000万円から3 億円と定められ、元手資金が少ないことから資金へのニーズが高いことも理由です。
そもそも中小企業の主な販売エリアの約 8 割は国内なので、海外に向けて行う販売は残りの2 割程度です。そのため、輸出や対外直接投資が行われる割合が低いことで、国内経済に左右されやすい環境にあることから、余計銀行融資に依存しやすくなってしまうと考えられます。
しかし、先にも述べたとおり、銀行からの融資は倒産リスクが低くリターンの確実性が高い限られた優良企業に集中していますので、本当に資金を必要としている中小企業は資金の調達に至れない状況です。
日本経済に中小企業の発展が大きな影響を与えるとするならば、特定の中小企業だけが銀行融資による資金調達を可能とする状況は、経済を停滞させる要因であるといえるでしょう。
中小企業の資金調達問題を解決させるためには
銀行など金融機関からの借り入れが、事業規模、返済リスク、担保・保証などの状況から、優良とされる企業だけ可能とされる資金調達の方法となれば、多くの中小企業が金融機関からの借り入れはできない状況に陥るということです。
そもそも中小企業は大企業とは異なって資金の調達手段が多様であるといえない状況のため、資金調達の問題を解決するためには売掛債権担保融資やローン担保証券、社債担保証券など選択肢を増やすことに加え、平等に融資を受けることができる環境整備が必要となるでしょう。
企業の信用拡大や成長段階に応じた資金の調達方法や手段が必要といえますが、日本経済再建に向けていろいろな政策は行われているものの、その成果は限定されており、継続的な発展には繋がっていません。
日本経済が今後発展していくためにも
続けて発展していくためには、今以上に生産力向上や地方経済が活性化されることが求められるでしょうし、大企業だけでなく中小企業やベンチャー企業が役割を担える体制が作られることが必要です。
資金調達は事業を行うために欠かすことができないものなので、日本経済の生命線ともいえます。優良企業しか融資を受けることができない問題をどのように解決するのかが、今後の日本経済発展の鍵となるのかもしれません。
銀行融資に頼らなくても有効な資金調達方法は存在する!
先に述べたとおり、中小企業の資金調達の方法は銀行など金融機関の融資だけではありません。ただ、経営者本人の自己資金や家族や親族からの借り入れは金額にも限界があるでしょうし、政府系金融機関からの融資や公的補助金・助成金の活用などは、急いで資金を調達したいという中小企業のニーズに合致した方法であるかといえばそうではありません。
このような場合、その他の資金調達方法を検討することが求められますが、中小企業が多く保有している売掛金を売却することで現金化する資金調達の方法を検討してみましょう。
売掛金を現金化する資金調達
商取引において発生する売掛金。入金までの期日までには様々な支払いが発生します。この期間中の資金不足が、そもそも資金繰り悪化の大きな要因となるわけですが、それなら入金期日を迎える前に売掛金を現金化させてしまおうという方法がファクタリングです。
ファクタリングは保有する売掛金をファクターと呼ばれる専門業者に売却し、利用する上で発生する手数料を差し引いた分が支払われます。
借金を増やすこともありませんし、本来受け取る予定の代金を、入金期日を待たず前倒しで受け取ることが可能となります。
売掛金を多く保有する中小企業には有効な資金調達の方法といえますので、もし銀行から融資を受けることが難しいという場合には検討してみることをおすすめします。
事業計画から資金調達、経営支援まで・・・
事業支援Labは中小企業の経営者を総合的にサポートします。
- 事業を安定させたい方
- 新規事業を立ち上げたい方
- 経営に関する相談をしたい方
- 資金繰りにお困りの方
- 保険として資金調達先を知っておきたい方
コロナウィルスの影響や世界情勢の不安、急激な円安進行..
大きく環境が変化する中で、なかなか経営が安定しなかったり、新規事業の立ち上げに苦慮する企業が多くなっています。
事業支援Labは日本を支える中小企業の経営者を総合的にサポートし、多種多様な専門家を無料でご紹介しています。
事業計画から資金繰りまで経営に関する問題解決に取り組むパートナーとして、経営者の皆様のビジョンの実現を支援いたします。
まずはお気軽にご相談ください。