中小企業が資金を調達する方法とは?銀行以外

2019/05/20
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もし今から資金調達しなければならないとしたら、まずどこに相談するか、という部分で真っ先に思い浮かぶのは銀行ではないでしょうか。

たしかに銀行は、事業者だけでなく一般個人にとっても身近な存在であり、資金の借り入れの場面においても低い金利で融資を行ってくれます。

ただ、銀行が独自に貸し付けを行うプロパー融資などは、返済期間も長期で設定されるメリットがある分、審査が厳しく事業者の信用力が高くなければまず利用できません。

そこで、銀行からの借り入れ以外で資金を調達したいという中小企業などにおすすめの方法をご紹介していきます。

 

そもそも銀行のプロパー融資とはどのような貸し付けなのか

銀行のプロパー融資とは、信用保証協会の保証を受けて貸し付けが行われるのではなく、銀行が直接、融資を行う形です。

もし信用保証協会が保証を行う形で、利用者と銀行との間に入って融資が行われる場合には、利用者は一定金額を保証料として支払うことになります。その代わりに、万一返済ができなくなった場合には、信用保証協会が保証人として返済資金を立て替えて銀行に支払いを行ってくれるという流れです。

 

立て替え後に支払いが免除されるわけではない

信用保証協会が返済を立て替えれば、そこで返済が免除されるわけではなく、返済相手が銀行から信用保証協会に変更されるだけです。続けて信用保証協会に対する返済を行う必要が出てきますし、場合によっては一括返済を求められるケースもあります。

その点、銀行のプロパー融資の場合には、銀行が独自に貸し付けを行うため、間に信用保証協会は挟まず取引が可能となり、保証料も不要です。

 

銀行がかかえるリスクが高い分審査は厳しい

低金利で長期間の借り入れが可能となりますが、資金を貸し付ける銀行にとってはかなりリスクが高い取引となります。そのため、審査がかなり厳しく、準備しなければならない書類は多岐に渡り、審査にも時間がかかることになるでしょう。

急いで資金が必要という場面にも対応できる資金調達の方法とはいえませんので、多額の資金を借り入れたいけれど急がないという場合にのみ利用を検討することとなります。さらに経営や財務の状態がよく、銀行からの評価も高い場合に限って利用できる方法といえるでしょう。

 

民間の銀行からの融資以外で検討できる資金調達の方法

設備投資を検討している場合、多くの資金を必要とすることから真っ先に銀行からの融資を検討する経営者が多いかもしれません。

ただ、銀行からのプロパー融資は資金を借りることができるまで時間がかかりますし、申し込みを行っても借り入れできるかさえ不明です。

銀行からの融資に依存することなく、資金調達の先は多様化させておいたほうがいざという場面では対応できます。

民間の銀行からの融資以外で資金を調達することを検討する場合、次のような方法を選択の1つとして検討することができるので、それぞれの内容を確認しておきましょう。

 

政府系金融機関からの融資

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、民間の銀行などから融資を受けにくい中小企業や個人事業主にも積極的に融資を行っています。

代表的な貸し付けとして普通貸付が挙げられますが、ほとんどの業種の中小企業が利用できる点がメリットです。

窓口、または電話などで相談し、所定の借入申込書を提出。その後、資金を何に使用するのか、事業の概要などのヒアリングが行われ、融資における審査、融資の実行という流れです。

 

商工組合中央金庫からの融資

同じく政府系金融機関として挙げられるのが商工中金とよばれる商工組合中央金庫です。2018年秋に発表した2021年度までの中期経営計画では、事業再生や経営改善、事業承継やリスクの高い事業に乗り出そうとする企業に対する支援を重点分野であるとし、ビジネスモデルの柱にすることを掲げています。

民間の銀行を補完する役割が求められているため、日本政策金融公庫同様、民間の金融機関が貸し付けを行いにくい、リスクが高めの企業が融資先となります。

その分、将来性や抱える課題、資金繰りの見通しなどを審査されることになりますが、担保の差し入れではなく、事業の将来性などで評価され融資が行われることが期待されますので相談してみるとよいでしょう。

 

有担保での借り入れを検討する

設備投資などで多額の資金を必要とする場合、担保なしでの融資は厳しいという場合もあるかもしれません。その場合、銀行やノンバンクなどに不動産などを担保として差し入れ、必要な資金を融資してもらう有担保での貸し付けも方法として検討できます。

もし返済不能状態に陥ってしまった場合には、担保として差し入れた資産は差し押さえられ、競売で売却され、その代金は返済資金に充てられてしまいます。

しかし、担保を差し入れない借り入れよりも金利は低く設定されますし、融資枠も大きくなるので、多額の資金が必要という場面でも十分対応可能です。

ただ、いくら担保を差し入れるからといって経営状況などは関係ないわけではなく、提出する書類の多さや審査の長さなどで不都合が生じる場合もあるでしょう。急いで資金を調達しなければいけない場合には対応できないケースもあるので注意してください。

 

信用金庫に相談する

メガバンクと呼ばれる銀行などは、大手企業が顧客の対象となっているため、中小企業や個人事業主などは地方の民間銀行などのほうが親しみやすいといえます。

中でも信用金庫は、利益を優先させるよりも地域の利益を第一に考えている銀行なので、中小企業や個人事業主からの融資の相談にも積極的に応じてくれるでしょう。

そもそも営業地域の発展が目的なので、規模が大きな企業などは信用金庫の会員にはなれないことが特徴でもあります。

 

ただし金利は民間の銀行よりも高めの設定

親身になって融資の相談にも応じてくれるという面では、中小企業や個人事業主などが融資の相談をしやすい銀行であるといえますが、民間の銀行などでは融資を受けることが難しい中小企業や個人事業主が融資先の主体となっている点に注意が必要です。

廃業や倒産などによる貸し倒れリスクを回避するため、設定される金利は民間の銀行より高めであることが多いと考えられます。

また、民間の銀行よりも1件に対する融資金額が低めであることも、金利が少し高めに設定される理由です。

 

リースを活用する

リースは資金を調達するわけではありませんが、資金を得た場合と同様の機能を果たすため、活用方法の1つとして検討してみましょう。

リースといっても、一般的に知られているモノを賃貸借するレンタル方式のような、貸す側の所有物から利用者が希望するものを選んで借りるわけではありません。利用者が選んだモノをリース会社が代わりに購入し、購入してもらったものを借りるという形です。

たとえば設備が必要という場合には、リース会社にその設備を購入してもらい、長期に渡りリース料を支払いながら、その設備を借りる形となります。

 

常に最新設備を導入できる

将来、陳腐化する時期を予測した上でリースを利用する期間を設定することにより、常に最新の設備を事業に活用することができます。環境変化に対応が可能となる上に、本来必要となる設備投資の初期費用なども不要です。

融資を利用するより手続きも簡単であり、取引で発生するリース料は一定要件を満たしていれば、全額、損金算入できるので節税にも繋がりやすいでしょう。

 

中途解約は原則禁止

ただ、原則、中途解約は禁止されているため、万一、解約が必要な状況となった場合には残りのリース料を一括して清算しなければなりません。また、発生するリース料も、融資における返済より割高になる点は理解しとくことが必要です。

 

ビジネスカードローンの利用

事業者向けの融資でも、不動産などを担保として差し入れる方法の借り入れは、金利も低く融資限度額も高めに設定され、返済も長期に渡り行えるのがメリットです。

その反面、必要書類の準備が面倒だったり、審査に時間がかかったりと、すぐに資金を必要とする場面には対応できないデメリットがあります。

設備投資のように多額の資金は必要としないけれど、なるべく早く資金を調達したいという場合には、ビジネスカードローンを利用するという方法も検討するとよいでしょう。

 

提携するATMから繰り返し利用可能

多くのビジネスカードローンは、融資限度額の範囲内であれば、提携するATMから何度でも借り入れを行うことが可能となっています。

そのため、今は必要なくてもひとまずいつでも借り入れできる限度枠を確保しておき、困ったときに利用することもできるでしょう。

 

金利は高めの設定

ただ、利用に際して発生する金利は、銀行のプロパー融資などと比較すると高めです。また、繰り返し利用すると元金がなかなか減らず、いつまでたっても完済に至らないという場合もあるので、例えばつなぎ資金が必要だけれど、売掛金が回収できたらすぐに返済できるといった一時的な利用に留めておいたほうが無難です。

 

その他にも資金を調達する方法

資金を調達するというと、どうしても借り入れという形を真っ先に思い浮かべてしまいがちですが、融資に頼らなくても資金を調達する方法はいろいろあります。

たとえばエンジェル投資家やベンチャーキャピタルと呼ばれる投資家から出資してもらう方法や、証券会社を通じて一般に募集される公募債ではない社債を発行する私募債なども資金調達の方法の1つです。

ただ、中小企業の場合はあまり馴染みのある方法とはいえず、実行するにはハードルが高めであることも事実といえるでしょう。

近年、中小企業や個人事業主が多く資金を調達する場面で、融資という方法以外で利用されている方法にファクタリングがあります。

 

ビジネスカードローンよりもファクタリングがよい理由

一時的な資金を必要とする場面なら、ビジネスカードローンが利用しやすいことを先に述べました。ビジネスカードローンは審査も銀行プロパー融資などよりハードルが低く、融資枠として確保しておくことで困ったときにいつでも借り入れができるからです。

しかし、いつでも手軽にATMで借り入れができる状況というのは、便利ではありますが危険でもあります。なぜなら、困ったらすぐに借金すればよいという考えになってしまいやすいこと、さらに借りる前は売掛代金の入金後に返済しようと思っていたはずが、入金後には「まだ完済しなくてもよいか…」といった甘えが出やすいからです。

 

ファクタリングは融資ではないため借り過ぎは発生しない

その点、ファンタリングは企業などが保有する売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、本来入金される期日よりも先に現金化して資金を得る方法です。

仮に、確実に回収が可能になるか不明とされる売掛債権などがある場合でも、ファクタリング会社に売却することで、貸し倒れリスクを軽減させることができます。

売掛代金は入金されることは間違いないけれど、入金される日として指定されている期日までが長く、それまでの資金繰りが悪化してしまう…という場面でも、ファクタリングにより入金の前倒しができれば問題は解決します。

 

ファクタリングのメリット・デメリット

ファクタリングを利用する場合、ファクタリング会社に対して支払う手数料が発生します。また、資金として調達できる金額は、売掛債権額の範囲内である点には注意しておきましょう。設備投資など、多額の資金が必要という場面では対応できない可能性もあります。

ただ、融資ではないため、借金を増やすことなく資金を調達できるのは大きなメリットですし、ビジネスカードローンのように、先に借り入れを行ってつなぎ資金に充て、返済に充てる予定だった売掛代金をまた別の用途に使用してしまうといったことも起きないこともメリットといえます。

早ければ即日現金化も可能であるなど、迅速性に優れている点もメリットとして挙げられるでしょう。

 

まとめ

中小企業が民間の銀行以外から資金を調達しようとする場合でも、その方法はいろいろあります。

どの方法がもっとも自社にとってメリットが高いかよく検討し、最適と判断できる方法で資金を調達するようにしてください。

借り入れに依存しすぎてしまうと、後の返済負担に苦しむこととなり、事業が継続できなくなったり負債ばかりが増えてキャッシュフローが悪化してしまいます。

資金繰りを改善しつつ、資金を調達できる方法を選択することが、円滑に事業を進めるためにも必要であるといえるでしょう。

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