すぐに資金を調達する必要があるけれど、どのような手段を使えばよいのかわからないという場合や、いろいろある資金調達の手段の中で得なのはどれなのか知りたいという場合、それぞれの手段について内容を理解した上での判断が必要です。
資金を調達する手段はいろいろあっても、即資金が必要という場合に用いることができる方法は一部に限られます。
そこで、資金を調達する上で、何よりも現金を手に入れるまでの迅速性を重視したいとき、用いるとよい手段や方法についてご説明します。
目次
銀行やノンバンクで利用できる「ビジネスローン」
さまざまな種類のローンの中でも、比較的中小規模の会社や個人事業者を対象としたローンがビジネスローンや事業者向けローンです。
手元にカードがあれば、コンビニにあるATMなどからでもお金を引き出すことができるようになるため、資金繰りなどで一時的に現金が必要という場合にも安心です。
ビジネスローンは、銀行だけでなくノンバンクなどでも利用できますが、即資金を準備しなければならないという場合にも適しています。
ビジネスローンを利用できる対象
ビジネスローンは事業者のみしか利用できません。また、一般的には1~2年程の事業実績も必要とします。
担保や保証人は必要か
ビジネスローンは基本、無担保・無保証で利用を可能とすることが多いですが、その分、融資を可能とするのは100~1,000万円と幅があるものの比較的限定された金額であり、金利も~15%、または~18%など、比較的高めです。
総量規制の対象?
銀行ではなくノンバンクのビジネスローンを利用する場合、気になるのは個人の借入総額の上限である年収の3分の1までとする総量規制に関係するのかという点でしょう。
総量規制は貸金業法で定められた借入金額の上限のことで、ノンバンクなど貸金業者を利用するときには年収の3分の1を超える金額の借り入れはできない点に注意する必要があります。
ビジネスローンは個人事業者も対象とするため、総量規制の対象になると借り入れが難しくなると心配になるでしょうが、ビジネスローンは総量規制の対象には含まれません。
ビジネスローンで注目しておきたい点
ビジネスローンで行われる審査は、申し込みの際に提供した情報について、自動的に融資を行って大丈夫か判断するスコアリングという方法が用いられています。
そもそも銀行融資では1つの貸し付けに対する審査に手間や時間がかかるため、その分コストも発生します。そのような事情から、それなりの利息収入を見込める企業などに融資を行うことが必要となるため、中小企業や個人事業者に対しての貸し付けは厳しくなるといえるでしょう。
しかし、スコアリングによる自動的な審査を導入することによって、審査にかかるコストが大幅に削減できるようになります。そこから貸し倒れ率を割り出し、その分を金利に上乗せしておくことでリスクを回避できると考えられたのがビジネスローンという金融商品なのです。
そのため、ビジネスローンは中小企業や個人事業者を対象とした金融商品であり、銀行融資では審査が通りにくい場合でも利用しやすくなっています。ただし、ビジネスローンで審査に通過し、借り入れができるようになったからといって、必ず融資限度額ギリギリまで利用できるとは限りませんのでその点は注意しましょう。
銀行や手形割引業者で手形を担保に「手形割引」で資金調達
会社が保有している手形があるのなら、銀行などに手形に記載された支払期日までの利子相当金額(割引料)を引き去って買い取ってもらい、残りを現金として受け取る手形割引により、資金を調達することもできます。
本来、手形は期日を迎えなければ現金を受け取ることはできませんが、期日前に手形を担保として現金を借りることができます。
手形を買い取ってもらうことになりますが、融資とみなされる点には注意しておきましょう。
審査で重視される項目
手形割引の審査では、手形を発行した振出人の支払い能力も重視されることとなります。
なお、手形を担保にお金を借りるという形になるため、引き受け可能な上限額が決められている点にも注意が必要です。手形期日よりも前に上限金額に達した場合には、すでに利用している手形割引対象の手形が決済されるまで、手形割引は利用できなくなります。
どこに依頼するかで利用条件が異なる
手形割引は、銀行、または手形割引業者のどちらかで利用することができますが、どこに依頼するかによってかかる割引料など手形割引の条件は異なってきます。
利用する業者によっては、短期間で現金化できることもありますし、表向きは融資という形にはなりますがそもそも受け取る予定のある手形を現金化する方法のため、ビジネスローンなどの借り入れのように返済負担を重く感じることはありません。
手形割引で注意しておきたいのは「不渡り」が発生した場合
手形割引を行ったものの、振出人の預金残高が不足しており、額面金額が支払われなかった場合、その手形は不渡りとなります。
もし手形割引に利用した手形が不渡りになった場合、割引を依頼した方が、手形に記載されている金額を割引人に全額、支払うことになります。
このような理由から、担保にするのは手形だけでなく、不動産などの資産も差し入れることが条件となっている場合もあるためその点は確認が必要です。
また、先にも述べたとおり、銀行を利用するのか、それとも手形割引業者を利用するかによって、かかるコストや現金化までの速さは大きく違ってきます。資金を準備する必要があるタイミングまでに間に合うのかを確認しておくことが必要となるでしょう。
融資ではない資金調達の手段である「ファクタリング」
ファクタリングとは、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、将来な入金が予定されている金額を前倒しで受け取ることができる資金調達の手段です。
ビジネスローンで実施される審査では、ローンを利用する中小企業や個人事業者の信用力が重視されますが、ファクタリングの場合には保有する売掛金の売掛先の信頼性や信用力が重視されます。
個人事業主であっても、しっかりとした企業が取引先であり、その信用力の高い企業の売掛債権を保有しているのなら利用できる可能性が高いということです。
審査で重視されるのは売掛先の信用力
ファクタリングを利用する会社や個人事業社が、決算上赤字である場合や税金など滞納している場合などでも、審査で重視される部分が融資とは異なるため利用できるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、ノンバンクなどは信用情報に影響するため、利用を避けたいという場合でも問題ありません。ファクタリングは売掛債権の売買により資金を調達する手段のため、借り入れを行うわけではなく、信用情報に影響することはないからです。
当然、保証人や担保なども必要ありませんし、申し込みから入金されるまでの時間も、早くて即日、または2営業日など、かなりスピーディであることも魅力といえます。
売掛先が破綻しても弁済の責任は負う必要なし!
手形割引の場合、もし担保にした手形が不渡りとなった場合は、割引を依頼した方が手形に記載された金額をすべて支払うことが必要となります。
それに対してファクタリングの場合、万一売掛先が破綻してしまい、売掛代金を回収できなくなったとしても、ファクタリングを利用した会社が弁済の責任を負う必要はありません。貸し倒れリスクをファクタリング会社に移転できるという点も、大きなメリットといえます。
継続的な利用で資金繰りを改善可能
また、単月ファクタリングを利用したけれど、資金繰りが改善できなかった場合には、複数月に渡って継続的な利用もできる点も魅力です。
段階的にファクタリング金額を減少させることにより、経営を少しずつ正常化させていくことも可能となります。
まとめ
資金を急いで調達する必要がある場合、どの手段を用いて準備するか迷うこともあるでしょう。しかし、時間を掛けずに資金を調達できる手段はある程度限られています。
その中からどの手段で資金調達するか選ぶときには、一時的な資金繰り改善だけでなく、その後の事業を円滑に進めることを可能とする方法はどれか、さらに利用することで抱えるリスクが低いものはどれかなどに注意するようにしてください。
事業計画から資金調達、経営支援まで・・・
事業支援Labは中小企業の経営者を総合的にサポートします。
- 事業を安定させたい方
- 新規事業を立ち上げたい方
- 経営に関する相談をしたい方
- 資金繰りにお困りの方
- 保険として資金調達先を知っておきたい方
コロナウィルスの影響や世界情勢の不安、急激な円安進行..
大きく環境が変化する中で、なかなか経営が安定しなかったり、新規事業の立ち上げに苦慮する企業が多くなっています。
事業支援Labは日本を支える中小企業の経営者を総合的にサポートし、多種多様な専門家を無料でご紹介しています。
事業計画から資金繰りまで経営に関する問題解決に取り組むパートナーとして、経営者の皆様のビジョンの実現を支援いたします。
まずはお気軽にご相談ください。